2025年秋、金相場は「4,100ドル台」が新たな基準へ、 FRBの利下げ、ドル安、そして中央銀行の金買いが支える強固な構造
金価格が8週連続上昇、米中対立と地政学リスクが後押し 円は日本政治の混迷で急落
金相場:地政学リスクと利下げ見通しが主因
- 金は1オンスあたり4000ドルを突破し、水曜日の史上最高値4059ドルに迫る勢い。
- 年初来52%上昇、週次でも3%高(8週連続上昇)。
- 原因は「トランプ大統領が習近平主席との会談に消極的」「中国製品への関税引き上げ示唆」など米中貿易摩擦の再燃。
- イスラエル政府がハマスとの停戦を批准し、24時間以内のガザ停戦へ動くなど地政学的要因も影響。
- FRBは今後の会合ごとに25bpの利下げを実施する見通しが広まり、実質金利低下を背景に金需要が増加。
- 投資家はドル資産からの分散化を進め、金ETF・先物への資金流入が加速。
円:連立崩壊で急落、政治リスクが鮮明に
- 円は一時153.2円まで下落後、152.7円付近で取引。
- 公明党が高市早苗氏率いる自民党との25年以上続いた提携を解消。
- 高市氏が「政治資金問題」に対し十分な説明を行わなかったことが引き金。
- 連立崩壊で政権運営が不透明化し、市場では「財政支出拡大路線が後退する可能性」が意識。
- 結果として円は週単位で3.6%安と7か月ぶりの安値。
米債券市場:安全資産需要で利回り低下
- 米10年債利回りは4.06%まで低下し、約3週間ぶりの安値。
- 米中貿易戦争の激化懸念、連邦政府閉鎖の長期化が投資家心理を冷やす。
- 米政府閉鎖は10日目に突入し、CPIなど主要経済指標の発表が遅延する可能性。
- 市場では、FRBが今月末にも25bp利下げを行う確率が高まっており、12月の追加利下げの確率も約83%。
マーケットの注目ポイント(来週以降)
- トランプ政権と中国の関係悪化が続くかどうか。
- FRBの利下げペースと今後の政策指針。
- 日本の内閣再編・新予算方針に関する発表動向。
- 金価格が史上最高値4059ドルを明確に突破するかが焦点。



