8/9(金)本日の貴金属市況〜金価格上昇、中東情勢の悪化や米国の早期利下げ観測
金相場は史上最高値付近へ、FRB利下げ観測と米政府閉鎖リスクで安全資産需要が強まる
金市場の現状分析
- 金は1オンスあたり3,875ドルへ上昇。前日の史上最高値3,897ドルに肉薄。
- 米政府閉鎖懸念により、「安全資産」への資金流入。
- ADP雇用やISM指数の弱さにより、経済減速観測が強化。
- FRBによる年内2回(計50bp)の利下げ観測が金利低下を促進。
- インフレ圧力が残る中でも、成長鈍化への警戒から実質金利が低下しやすく、金は引き続き上昇基調を保つ可能性。
為替市場と日本情勢
- 円相場は1ドル=約147.5円と下落。安全通貨としての需要が一服。
- 自民党による新首相選出が近く、財政政策の方向性が焦点。
- 家計支援強化 vs 財政規律維持の議論が対立軸。
- 失業率は2.6%(13か月ぶり高水準)と悪化。雇用の軟化が日本銀行の利上げ判断を難しくしている。
- 上田総裁は「成長・インフレが見通し通り進展すれば利上げ」と明言。ただし市場は慎重姿勢。
米国債と政策動向
- 10年債利回りは4.1%で安定。週を通じて7bp低下。
- 労働市場の軟化と景気懸念がリスク回避を促す。
- ADPペイロール・JOLTS・Challengerいずれも雇用減速を示唆。
- ISMサービスPMIも停滞。
- FRBは利下げサイクルを再開。今後さらに2回の25bp利下げを市場が織り込み。
- 政府閉鎖が長期化すれば、BLS雇用統計の公表遅れによる市場不透明感が拡大。
投資家向けインサイト
- 地政学リスク+政策緩和期待により、短期的には金への強気継続。
- 政治イベント終了後は、ドル円相場は財政方針と米金利動向により上下圧力が変化。
- 景気減速局面入りを示唆するデータが続けば、債券利回りは4%割れを試す可能性。
まとめ:安全資産へ資金が集まる環境、10月の主要イベントに注目
- 金・債券・円という「安全資産」群に資金が集まる大きな流れを示す局面。
- 10月の主要イベント(米CPI、日本の新政権発足、FRB講演)に注目が集まる。



