“スペック婚”は終わった?婚活の新常識:年収より“安心感”が選ばれる時代へ

桑山裕史

桑山裕史

テーマ:婚活 スペック婚 年収 安心感

婚活市場で選ばれるのは安心感

結婚相手に年収を求めるのは自然なことです。
生活基盤を支える要素として経済力は重要であり、長年にわたり婚活条件の代表格とされてきました。
しかし、最新の婚活市場の実態を見ると、決定打となっているのはむしろ「安心感」です。
相手と過ごす日常で心が落ち着くこと、信頼できることが、収入以上に重視される傾向が強まっています。

リクルートの「婚活実態調査2024」によると、2023年の婚姻者のうち、婚活サービスを通じて結婚した人は15.3%と過去最高を記録しました。
婚活が一般化し、従来以上に「どんな相手と、どのような関係を築けるか」が問われる時代になったことがうかがえます。

また、IBJの「2024年成婚白書」では、成婚者の年齢中央値が男性36歳・女性34歳と報告されています。
特別な高年収層や若年層だけが選ばれているのではなく、現実的な年齢層の男女が短期間で結婚を決断しているのが実情です。

婚活市場が成熟するほど、表面的なスペックよりも精神的な安定性が重要視されるのは自然な流れですよね。
相手と一緒にいて安心できるかが、最新のパートナー像と言えるかもしれません。


データで見る年収と安心感の関係

IBJの「2024年成婚白書」によると、男性は年収が高いほど成婚率が上がる傾向がありますが、その傾向は年齢が上がると頭打ちになります。

たとえば、年収800〜900万円の「30〜34歳」と「40〜44歳」を比べると、後者の成婚率は12ポイントも低いのが実情です 。
つまり、高収入であっても、年齢が上がれば必ずしも有利とは言えないということですね。
成婚を左右する要因は収入の絶対値だけではないことがわかります。

さらに同白書では、2017〜2019年と2024年の比較も行われています。
2017〜2019年では、20代で成婚率50%を超えたのは年収900〜1000万円層だけでしたが、2024年は年収500〜1000万円の層で成婚率50%超が確認されています 。
「高収入でなければ結婚できない」という従来の常識はもはや通じなくなったのです。

リクルートの「婚活実態調査2024」を見ても、婚活サービスを通じて出会ったカップルの満足度は71.5%と高いことが確認できます。
その大きな理由が、休日の過ごし方やキャリアプランなどにおける二人の価値観が合っていることです。

つまり、最新のデータが示すのは、平均的な収入でも精神的に安定し、安心感を与えられる人が選ばれやすいということですね。
年収は依然として重要な指標でありながら、結婚における決定打ではなくなりつつあります。



アタッチメント理論が示す安心感の本質

これまでのデータが示すように、婚活市場で選ばれる条件は単なる「年収」から「安心感」へとシフトしています。
では、その安心感とは具体的に何を意味するのでしょうか。
心理学の基盤理論であるアタッチメント理論を用いると、この傾向をより深く理解できるでしょう。

アタッチメント理論とは、イギリスの精神分析医ジョン・ボウルビィが提唱し、メアリー・エインズワースが実証研究を行った、人が「安心できる他者」とどのように関係を築くのかを説明する理論です。
この理論は、その後、ハザンとシェイヴァーによって成人の恋愛関係に適用され、恋愛や結婚の安定性を説明する枠組みとして広く受け入れられるようになりました。

研究によれば、アタッチメントスタイルは「安定型」「不安型」「回避型」に分類されます。
安定型の人は、相手を信頼し、適切な距離感を保ちながら親密な関係を築ける傾向があります。
実際にハザンとシェイヴァーの研究では、安定型の人ほど恋愛関係の満足度が高く、長期的に関係を維持しやすいことが示されました。

一方、不安型は相手への依存や感情的な揺れが大きく、回避型は親密さを避けがちであるため、関係の安定を損ないやすいと報告されています。

さらに、その後の研究で、安定型アタッチメントを持つ人はストレス下でもパートナーを支え、相手に心理的安全を与える傾向があることが確認されました。
逆に、不安型や回避型は葛藤を激化させやすく、結婚生活の満足度を低下させるリスクが高いとされています。

このように、相手に安心を与えられる力は、単なる印象や相性ではなく、心理学の理論と実証研究が裏づける科学的要因と言えるのです。


婚活市場が求める最新パートナー像

リクルート「婚活実態調査2024」では、婚活サービスを通じて恋人ができた人の特徴として、「前向きな姿勢」や「積極的な関わり方」が明確に示されています。

これは単なる性格の話ではなく、相手に安心感を与える具体的な行動特性と一致しています。
誠実に向き合う態度や前向きな行動が、婚活の短期間のやりとりの中で「この人となら一緒に暮らせる」という信頼を生むんですね。

また、IBJ「2024年成婚白書」によれば、成婚までの交際期間の中央値は約4か月と非常に短いことが明らかになりました。長期的な結婚生活を決める判断が、限られた期間で下されているのです。

この状況下で問われるのは年収や条件の比較ではなく、「一緒にいて落ち着くか」「信頼できるか」という感覚的かつ合理的な評価です。
これはまさにアタッチメント理論が示す安定型の特性、すなわち、長期的に安心を提供できる資質と重なることがわかりますね。

こうしたデータと理論を総合すると、婚活市場が支持する最新パートナー像は明確に定義できます。それは高収入であることではなく、平均的な収入を備えつつ、誠実さと前向きさを持ち、安心感を継続的に与えられる人です。
結婚は、数十年にわたる共同生活である以上、求められるのは一時的な魅力ではなく、年月を通じて安定を生み出せる姿勢なのです。

現場の声が示す「人柄が選ばれる理由」

実際に現場で会員様をサポートしていると、「年収や条件だけでは決められなかった」という声を多く耳にします。
例えば、年収が平均的でも、デートのたびに相手の話を丁寧に聞き、ちょっとした体調の変化に気づいて気遣える男性が、最終的に「この人となら安心して一緒にいられる」と選ばれるケースがありました。
一方で、年収が高くても、言動が自己中心的だったり、相手への配慮が感じられない方は、交際が進まず終了してしまうことも少なくありません。

また、女性側でも「一緒にいると自然体でいられる」「自分の考えを尊重してくれる」といった“人柄”を理由に、最終的な結婚の決断をされたケースが多数あります。
ある30代女性は、「条件ではなく“心地よさ”で選んだ相手と結婚して本当に良かった」と話してくれました。
お互いの歩調を合わせ、価値観をすり合わせる過程が、安心感という信頼の土台をつくるのです。

現場のカウンセラーとして長年サポートをしていると、「この人となら人生を共にできる」と感じる瞬間には、必ず“人柄”が関係していることを実感します。
それは大げさなことではなく、「相手の話を遮らずに聞く」「小さな約束を守る」「自分の価値観を押し付けず尊重する」といった小さな積み重ねの中にあります。

結婚は、条件を競うレースではなく、信頼と安心を積み上げていくパートナーシップの構築です。
だからこそ、婚活で本当に大切なのは“人としてどう向き合えるか”であり、その姿勢こそが数値では測れない最大の魅力になるのです。

男女別に見る「安心感」で選ばれた実例

■男性側の事例:「条件では勝てなかったけど、人柄で選ばれた」

40代前半の男性会員様は、年収が平均よりやや下で、見た目にも大きな自信がありませんでした。
それでも彼が選ばれた決め手は、「誠実さ」と「思いやり」です。

お見合いやデートでは、相手の話を丁寧に聞き、自分の価値観を押しつけず「まずは理解しよう」という姿勢を貫きました。
交際中は、相手の生活リズムに合わせた連絡や、ちょっとした記念日を大切にする気遣いが信頼感を生み、「この人となら安心して生活できる」と女性の心が動いたのです。

結果、同世代の女性から「高収入ではないけれど、どんな時も私を尊重してくれる人」としてプロポーズを受け、成婚に至りました。
このケースは、「条件が平均的でも、人柄が信頼を生み、最終的な決断の要因になる」ことを象徴しています。

■女性側の事例:「スペックより“心の安定”で選ばれた」

30代後半の女性会員様は、年収や外見などの条件で言えば平均的でしたが、「一緒にいてホッとする雰囲気」と「思いやりのある言葉がけ」が評価され、交際開始からわずか3か月で成婚に至りました。

例えば、相手男性が仕事で忙しい時には「無理しないでね」と労いの言葉を送り、自分の意見を伝える際にも「こういう考え方もあるかも」と柔らかい表現を心がけていました。
一方的な要求ではなく、「共に歩んでいくパートナー」という姿勢が、相手の信頼を勝ち取った大きな要因です。

男性は最終的に、「家庭を築く上で大切なのは年齢でも条件でもなく、この安心感だと気づいた」と話しています。

■共通点:「条件ではなく“共に歩めるか”」

このように、男女を問わず、最終的な決断を左右するのは「スペックの高さ」よりも、「一緒にいて穏やかでいられるか」「信頼を積み重ねられるか」という感覚です。
婚活ではどうしても条件比較に目が行きがちですが、現場で見ていると“心が安定する関係性”こそが結婚の決め手になっているのです。

安心感を高めるために今すぐできる3つの行動

結婚相手に「安心感」を与える力は、特別な性格や天性の魅力だけではありません。
日々の小さな行動の積み重ねで誰でも磨くことができます。今日から実践できる3つのポイントを意識してみましょう。

「聴く力」を意識する

会話の中で、自分が話すよりも相手の言葉に耳を傾けましょう。
途中で遮らずに「なるほど」「それは大変だったね」と共感を示すだけでも、相手は「この人には安心して話せる」と感じやすくなります。

「小さな約束」を守る

待ち合わせ時間を守る、伝えたことを忘れずに実行するなど、日常の小さな約束の積み重ねが信頼を築きます。
信頼の積み重ねこそが、長期的な安心感の土台になります。

「自分の感情」を穏やかに表現する

不満や意見がある時も、感情的にならずに「私はこう感じた」と穏やかに伝える習慣をつけましょう。
感情の起伏が安定している人ほど、「一緒にいて落ち着く」と思われやすくなります。

成婚者のリアルな声から学ぶ「安心感」の力

実際の成婚者インタビューからも、「条件」ではなく「人柄」や「安心感」が決定打になったケースが数多く報告されています。

30代前半・女性の声

「最初は条件で比較していたけれど、最終的に選んだのは“安心できる人”でした。どんな話でも否定せずに聞いてくれて、ちょっとした変化にも気づいてくれる。その優しさの積み重ねが、この人となら大丈夫だと確信できた理由です。」

40代・男性の声

「年収も見た目も平均的な自分が選ばれた理由は、“安定感”だったと言われました。感情の起伏が少なく、困ったときに冷静に話し合える姿勢が、彼女にとって大きな信頼につながったようです。」

30代後半・女性の声

「条件だけで探していた頃は、交際が続いてもどこか不安が消えませんでした。でも、今の夫とは“自然体でいられる”ことが何より大きく、付き合っている間から“この人となら穏やかな家庭が築ける”と感じられました。」


まとめ

最新の婚活市場では、年収のような外的な条件よりも、相手と一緒にいることで感じられる安心感が決め手になっています。
最新の調査でも、誠実さや前向きな姿勢が短期間で結婚を決断する際の重要な要素となっていることがわかりましたよね。
Bridalチューリップではこうした時代の流れをふまえ、皆様が安心できるパートナーと出会えるように丁寧にサポートしています。
条件を磨くだけでなく、“安心感を育てる力”に目を向けた瞬間、婚活の景色は一変します。
あなたも今日から小さな行動を重ね、未来のパートナーとのご縁を引き寄せてみませんか?
自分らしい結婚を実現するための一歩を、私たちと一緒に踏み出してましょう!

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桑山裕史
専門家

桑山裕史(婚活コンサルタント)

株式会社ナウい

成婚率60%以上の結婚相談所Bridalチューリップは、AIを導入したカップリング率の高いシステム、弱点を克服できる多様なサービスを利用しながら信頼関係を築けるカウンセラーと二人三脚で成婚を目指せる。

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