婚活市場でライバルが増える秋の出会いを成婚につなげる秘訣

桑山裕史

桑山裕史

テーマ:婚活市場 ライバル 秋

データで見る婚活市場の季節変動

婚活市場には、実は季節ごとの波があります。
真夏の7〜8月は一度活動が落ち込みますが、9月に入ると一気に盛り返し、秋は一年の中でも特に出会いが活発になるシーズンです。

連盟組織業界最大手のIBJが公表したデータでも、この動きは明確に表れています。
2019年9月に37,584件だったお見合い成立数は、2023年9月には60,120件と約6割増加し、2024年9月にはさらに69,650件に達しました。
しかも、この時期は新規入会者数も5,000人を超えており、全体の活動量そのものが大きく膨らむ局面であることがわかります。

つまり、夏の間に足踏みしていた人が戻ってくるだけでなく、そもそもの母集団が大きくなるため秋の出会いには期待が持てるのです。

また、IBJのデータによると、成婚者の交際期間は平均約4か月(男性123日、女性124日)です。
9月に出会ったと仮定すると、年内に結婚が現実的なものとなると言えるでしょう。

加えて、リクルートブライダル総研の「婚活実態調査2024」でも、婚活サービスを通じて結婚に至った人の割合が過去最高水準に達したことが明らかになりました。2023年に結婚した人のなかで、婚活サービスを介して結婚に至った人は全体の15.3%でした。
つまり、10組に1組以上が婚活サービス経由という計算になります。

さらに、婚活サービスを実際に利用した人だけに絞ると、そのおよそ半数が成婚につながっているのです。
つまり、全体に対しては1割強のシェアですが、婚活サービスの利用者に限れば成功率はかなり高いということがわかります。

ライバルが増える秋だからこそ先行者が有利

婚活市場では、9月を境にライバルが一気に増えます。
結婚相談所に登録したばかりの新規会員が一斉に活動を始めるため、同じタイミングでプロフィール検索を行い、条件の良い相手に集中して申し込みが殺到するのです。
これは、春や夏と比べたときの顕著な違いです。

また、夏の間に一時的に活動を休んでいた層が戻ってくることも競争を激しくします。
彼らはすでに相談所の仕組みに慣れており、どのようにアプローチすれば返事が返ってきやすいかを理解している経験者です。
新しく始めた人にとっては、同じ条件の相手を狙う際にハンデを背負うことになります。

人気条件に集中が起こるのもこの時期の特徴です。
年齢が近い層、安定した職業に就いている人など、誰もが魅力的だと感じる会員には申し込みが集中します。
活動を始めるのが遅れるほど、こうした人気層に対してはすでに多くのライバルが存在しており、後から参入する人は不利な状況に立たされやすいのです。

こうした状況を考えると、秋に入ってから動き出すのではなく、もっと早い段階で活動を始めることに意味があります。
同じ秋のスタートだとしても、たった数週間の差で選択の幅に明確な違いが出てしまうからです。
ライバルが増えるのは避けられませんが、先に動いておけば一歩リードできるでしょう。

秋の出会いが年末年始ゴールを近づける

婚活において秋に出会うことが特別な意味を持つのは、単なる気候や雰囲気の問題ではありません。
心理学や行動経済学の研究が示すように、人の行動には季節や節目に左右されるパターンがあるのです。

まず注目したいのは「デッドライン効果(Deadline Effect)」です。
人間は、明確な期限が近づくと行動を一気に加速させる傾向があります。
仕事の締め切り前に集中力が高まるのと同じで、婚活においても「クリスマス」「年末年始」といった社会的に強い区切りが心理的なデッドラインになります。
このタイミングで恋人がいるかどうかは、周囲との比較意識も相まって強烈な動機づけになります。
だからこそ、秋に出会った相手とは自然と早めに関係を深めやすいのです。

さらに、「フレッシュスタート効果(Fresh Start Effect)」も大きな要因です。
アメリカの心理学者Katherine Milkmanらが2014年に発表した研究では、人は新年や誕生日といった「時間的ランドマーク」を迎えると、自分を変えようとする意欲が高まることが明らかになっています。
日本では正月が典型例ですが、実は秋も同じような転換期なのです。
夏の暑さが落ち着き、生活のリズムが整う9月以降は「新しいことを始めてみよう」という気持ちが芽生えやすいのでしょう。
婚活をスタートする人が多いのは偶然ではなく、心理的な節目とリンクしているようです。

また、「感情伝染(Emotional Contagion)」という社会心理学の概念も無視できません。
祝祭シーズンには人々の気分全体が高揚し、ポジティブな感情が周囲にも広がります。
街にイルミネーションが灯り、イベントが増えると、人は「誰かと一緒にいたい」という気持ちになりやすいのは理解できるでしょう。
秋から年末にかけて交際を始めたカップルが順調に進展しやすいのは、こうした社会的な感情の波に乗れるからです。

加えて、認知心理学の「初頭効果(Primacy Effect)」と「ピーク・エンドの法則(Peak-End Rule)」も鍵になります。
初頭効果とは、最初の印象がその後の評価を強く左右する現象のことです。
秋に交際を始めれば、最初の共同体験がちょうど年末年始の特別なイベントと重なります。
また、ピーク・エンドの法則によれば、人の記憶に残るのは「最も盛り上がった瞬間」と「最後の場面」です。
つまり、秋に出会った相手と一緒に迎えるクリスマスや初詣は、その関係を特別なものとして強烈に記憶に刻み込み、結婚を意識させる引き金になるというわけです。

まとめ

こうして見ていくと、秋に婚活を始めることは年末年始という心理的ゴールと直結していることがわかります。
データが示す活動の増加に加え、心理学的にも関係が深まりやすい条件が重なるからこそ、秋に動き出した人は翌春の成婚を現実的に描けるのでしょう。
実際、結婚相談所では、「秋に出会って年末に交際を固め、春に結婚が決まった」というケースが本当に多いです。
これは偶然ではなく、理論で裏付けられる必然の流れと言えそうです。
Bridalチューリップは、データと心理学の知見を活かした実践的な婚活支援を行っています。
9月に大きな一歩を踏み出したい方は、ぜひ私たちにご相談ください。

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桑山裕史
専門家

桑山裕史(婚活コンサルタント)

株式会社ナウい

成婚率60%以上の結婚相談所Bridalチューリップは、AIを導入したカップリング率の高いシステム、弱点を克服できる多様なサービスを利用しながら信頼関係を築けるカウンセラーと二人三脚で成婚を目指せる。

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