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画数や音の響き、文字の意味、家族との相性などさまざまに考慮して善き名を命名

さまざまな観点を考慮し相応しい名前を導く命名の専門家

高橋呂侑

高橋呂侑 たかはしりょう
高橋呂侑 たかはしりょう

#chapter1

依頼主の思いや願いをくみ取り、それぞれに相応しい名前を導き出して提案

 「お子さんが生まれる方や起業の準備をしている方、新規名称で新たなスタートを切りたい事業者さまや個人さまなど、それぞれに相応しい名付けをいたします」

 そう話すのは、「命名の匠」の代表で命名士の高橋呂侑さん。赤ちゃんの名前をはじめ、ビジネスネームや芸名、企業や団体、店舗、教室、商品・サービス名、ペット名と幅広く手掛けています。

 「当方は、単純に画数の善し悪しだけでは判断しません。『名は体を表す』と言われるように、名前は人、物、事柄そのものの本質を映し出すものです。音の響きや文字の意味、お子さんであれば親御さんや兄姉の名前との相性も鑑みて、和を成す善き名を導き出します」

 用命を受けた際は、まず8つ程の質問項目を記載したヒアリングシートを送付。新生児名は、両親の生年月日や希望する名前のイメージなどを把握した上で、カウンセリングを行います。

 「依頼者さまと向き合う時間は最も重視しているプロセスです。私の考えを押し付けるのではなく、名前に込めたい思いや志、信条などを丁寧にくみ取り、ご意向を尊重し、ご納得いただくことを大事にしています。ご提案の際はできる限りの候補を提示し、気に入ったものを選んでいただけるよう配慮しています」

 健やかに、朗らかに、愛され、親しまれるように、物事を成し遂げ大成するように。依頼者の願いや要望を踏まえ、佳名を紡ぎ出す高橋さん。名称鑑定や改名にも応じ、全国から引き合いがあります。

 「海外に移住した日本の方や帰化を考えている外国の方からもオファーをいただきます。常に100点満点の命名を目指し、全身全霊で臨みます」

#chapter2

名付けの相談を受ける父を見て育ち、自らも勉強を重ね命名に携わるように

 1952年に長崎市で生まれた高橋さん。5歳のときに大病を患い、2年間寝たきりの生活を送りますが、父親が高橋さんの名前を変えたことで回復に向かったそうです。

 「教員を養成する師範学校の先生をしていた父は、子どもが誕生した折りに教え子たちから報告があり、名付けについて相談を受ける機会が多くあったようです。父は名前が持つ力を信じており、実家には命名に関する書籍がたくさん並んでいました。私自身も幼い頃からそれらを読んで育ったのです」

 高橋さんは長崎東高校から福岡大学商学部に進学。大学卒業後は東京の貿易会社に勤務しますが、25歳のときに地元に戻ってパブレストランを始めます。

 「もともと音楽が好きで、セッションできる空間を作り、時々バンドを呼んで演奏してもらったり、私自身も弾き語りをすることがありましたね。当時はライブと食事を提供するスタイルの店は珍しく、それなりに繁盛していました」

 店を通じて知り合った友人や知人から、父と同様に自身にも命名の相談が寄せられるように。最良の名を届けたいと少しずつ勉強を重ね、1980年代の半ばから仕事として請け負うようになりました。

 「地元の方にご愛顧いただきましたが、東京で飲食店を営んでいた姉から手を貸してほしいと頼まれたのを機に、18年間経営した自分の店を閉めて上京しました。姉の店の手伝いが一段落したことから、名前の尊さや重要性を伝えるべく2007年にブログを開設し、2015年にはホームページを立ち上げました」

高橋呂侑 たかはしりょう

#chapter3

祝い、喜ぶ「ことほぎの言葉」を贈り、名付けをした人の数は1000人以上

 ホームページを開設したタイミングで、高橋さん自らの名前の漢字を、現在の「呂侑」に変更しました。「以前は別の漢字一字で『りょう』と読ませていたのですが、何をするにもあと一歩のところでチャンスを逃すことが続いていました。流れを変えるべく改名したところ、以降は驚くほど順調に物事が進むようになりました。『呂侑』には、口から口へつなぎ、口コミで人を助けゆく役割があり、名と実が相応じるようになったと感じました」

 依頼者の数が増えていったのはもとより、趣味にしている音楽でもうれしい出来事が。長崎平和音楽祭でグランプリに選ばれたほか、ヤマハのポピュラーソングコンテストでは九州代表に選出され、ビクター音楽賞も受賞しました。つい最近では、オリジナル曲を歌うコンテストでグランプリを受賞し、渋谷のスクランブル交差点の大画面に登場。

 「良いことがあったから笑うのではなく、笑っていると良いことが引き寄せられます。名前も同じです。良い名前は、良い出会いを生み、人生を豊かにしてくれるのだと思います」

 これまでに名付けた人の数は、優に1000人を超えるという高橋さん。祝い、喜ぶ「寿ぎ・言祝ぎ(ことほぎ)」の言葉「命名」を贈ってきました。

 音楽への情熱も燃やし、高校時代の仲間と「ザおいわい」というバンドを結成し、毎週オンラインミーティングを開きながら作詞作曲活動を続けています。「人を楽しませることに全力を注ぐ人たちを集め、いつか大きなイベントを開催したいと思っています。少し格好付けた言い方になりますが、芸術を通じて平和に貢献することが私の夢です」

(取材年月:2025年2月)

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高橋呂侑

さまざまな観点を考慮し相応しい名前を導く命名の専門家

高橋呂侑プロ

命名士

命名の匠

新生児をはじめ企業、店舗、商品、ペットなどの名付けを請け負う。改名や姓名判断の依頼にも対応。画数の善し悪しだけでなく、音韻や字義、家族との相性などさまざまな点を考慮し名付けを行う。

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