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毛根単位に切り分けた自身の頭髪で薄毛をよみがえらせる自毛植毛術

心のケアを含めて自毛植毛術専門に取り組む医師

林光輝

林さん正面
治療室

#chapter1

自毛植毛の草分け的存在として、熟達した植毛技術を提供

 薄毛や後天的なアクシデントなどにより失われた髪の悩みに、四半世紀にわたって向き合ってきた「紀尾井町クリニック」。理事長の林光輝さんは、本人の髪を採取して毛量の少ない部分に移植する「自毛植毛」における日本での先駆的存在です。

 「自毛植毛とは、生涯生え続けるという遺伝子的な性質を持つ側頭部から後頭部の頭髪を採取し、顕微鏡下で毛根単位に切り分け、薄毛部分へ移植する医療技術です。薄毛の原因は遺伝に限らず、ストレス、ホルモン異常、皮膚炎、薬剤などさまざまで、原因によって治療方法も異なります。当院では、初診時に必ず医師が薄毛の原因診断を行い、どのようなアプローチが必要か見極めたうえで、自毛植毛術や薬剤など効果的な治療方法を提示します」

 顕微鏡下で毛根単位(1本から2本)に切り分けて行うため、頭髪本数によっては、医師と看護スタッフ数人でも、朝から夕方までかかることも。

 「手術中は無痛に近く、専用チェアでゆっくりと音楽鑑賞やDVDを楽しめますし、お昼にはルームサービスでホテルメイドの軽い食事もご用意いたします。手術と聞くと、最初は緊張されますが、次第にリラックスして、みなさんホテルの庭園を見ながらランチを楽しまれていますよ」と林さん。

 これまで新大阪院との2カ所を拠点に、10代から80代の男女約2万人以上を診療。林さんを含め在籍する4人の医師と開院当初からの医療スタッフが、熟達した植毛技術を提供しています。

 本院は、千代田区のホテルニューオータニガーデンタワーのビジネスコート内にあり、診察室からの眺望も良好。ホテルならではのプライベート空間で、他の人と顔を合わせることなく、カウンセリングや治療を受けることができます。

#chapter2

「気持ちに寄り添ったケアを実践できる場が必要」との思いで、薄毛対策専門のクリニックを開院

 医師となった当初、専門としていたのは精神神経科でした。診療を重ねるうち、老若男女問わず、頭髪に関する悩みが原因で自律神経のバランスを崩したり、社会生活にも支障を来したりといったケースが少なくないことに気付きます。

 「同じころ、兄が薄くなり始めた頭髪に悩んでいました。何か有効な手だてはないかと調べた結果、行き着いたのが、当時アメリカで一般的だった自毛植毛手術だと言うのです」

 二十数年前の日本では未知の分野に近かったため、兄の渡米に同行し、手術にも立ち会うことに。
 「1年後、生え揃った頭頂部の髪をなびかせながら戻った兄の姿に目を見張りました。何より元の明るい表情を取り戻したことがうれしかったですね」

 数カ月後には兄の治療にあたった自毛植毛専門のNHTメディカルセンターへ看護スタッフ数人を伴い渡米。同センターの創設者であるスティーブン・チャン医師の指導を受けながら研修を重ね、同センターの認定医となりました。

 「当時、国内では自毛植毛を行う医師は極めて少なく、ほかの薄毛対策の手法も限られていました。入浴やスポーツにも制限があり、維持メンテナンスが継続して必要なものもありました。生活するうえで『隠している』という精神的な負担を重く感じてしまう人にとって、悩みは相当根深いもののようでした」と林さん。

 「薄毛の悩みから解放され、身体・精神・社会的にも健康を取り戻して欲しい」との思いを新たに薄毛対策専門のクリニックを開院することを決意します。

 「自己アピールに消極的だったり、荒天での外出や激しいアクティビティを避けたりといった日々を送っている人にとって、背中を押す大きな力になる」と確信を持って踏み出したのです。

フロント

#chapter3

木々を揺らす風のそよぎを愛で、自らの肌で感じる喜びを、チーム医療で支え続ける

 林さんは、自毛を使用する植毛にこだわる理由を「手術といっても皮膚の表面だけの処置なので医療的に安全性が高く、生え揃った頭髪を維持するためのメンテナンスは必要ありません。何よりもご自身の頭髪なので『薄毛を隠す』という精神的負担から解放されるでしょう」と説明します。

 ドナーとして利用できる頭髪には限界があるものの、遺伝子的に生涯生え続ける性質の頭髪なので、生えた後は特別なケアの必要はなく、常に自然体で過ごせるのが最大のメリットと考えています」

 生え揃った頭髪は元々の頭髪同様に生え変わりを繰り返します。
ご希望を伺いながら医師が数十年後の頭髪状態を予測し、生え際の位置や移植範囲を慎重に決めます。自然な仕上がりは、「植毛前の自分の姿が思い出せないくらい」という声もあがるほどだそう。

 頭部だけでなく、眉やあご、もみあげなどにも移植可能。事故の傷痕や火傷の無毛部など、失った部分を修復したり、なりたい自分のイメージに無理なく近づけたりもできると言います。

 術後は、ほぼ再訪の機会はないとのことですが、中にはユニークなケースも。
 「植毛の数年後、ご本人が治療前の状態で訪れて仰天したものの、実は双子の兄弟だった、なんてこともありました。『同じ顔なのに自分より好印象で、生き生きとしている様子にじっとしていられなくて』とお聞きし、ようやく胸をなでおろしたものです」と笑みを浮かべます。

 「風の強い日も気兼ねなくお出掛けし、温泉旅行やスポーツも存分に楽しんでほしいですね。木々を揺らす風のそよぎを愛でる喜びは、人生を豊かにしてくれるでしょう」

(取材年月:2023年6月)

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専門家プロフィール

林光輝

心のケアを含めて自毛植毛術専門に取り組む医師

林光輝プロ

医師

紀尾井町クリニック

医師として精神科の診療経験を持ち、25年以上にわたり自毛植毛の先駆的存在として薄毛対策に携わる。心理的なケアに配慮しつつ、熟達したチーム医療による植毛技術で違和感ない自然な仕上がりを目指す。

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