令和8年税制改正大綱の解説
みなさん、年末調整や確定申告で、保険会社からの控除証明書に基づき、所得控除を受けていると思います。所得から控除されるということは、税金が軽減されるのですが、その効果はどれ位でしょうか。
保険のセールストークでは、この生命保険料控除があることを強調されることもあるようですが、この所得控除による節税効果だけを考えて保険に入るか否かの判断をすることは余り適切でないと考えています。
そもそも、どれ位の節税効果があるかを見ていきたいと思います。
1.生命保険料控除の対象
生命保険料控除には、新契約に対するものと旧契約に対するものがありますが、ここでは、新たに保険契約を締結する際の節税効果を見ていくため、新契約で検討します。なお、新契約とは平成24年1月1日以後に締結した保険契約等を言います。なお、令和8年分については、23歳未満の扶養親族がいる場合には、所得税において新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が、現行の4万円から6万円に引き上げられるますが、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の合計適用限度額は現行の12万円から変更されません。
(国税庁のホームページより)
対象となる保険は、生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料であり、それぞれについて最高4万円までの保険料控除が認められています。
2.支払保険料に対する生命保険料控除額
新契約に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
(国税庁のホームページより)
これをもう少し分かり易い形に展開すると、以下の様になります。なお、住民税の方は控除限度額の上限が28,000円(支払保険料56,000円)であり、合計適用限度額は7万円となります。
つまり、所得税で最高の合計適用限度額12万円(生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料について各々4万円)を適用しようと思うと、8万円×3=24万円の保険料を支払うことになります。
12万円の所得控除を受けた場合の節税効果を強調している書籍なども見受けられますが、そのための保険料は結構な金額となりますよね。
3.生命保険料控除による節税効果額
では、実際の節税効果額はどれ位なのか。所得税は、累進課税なので所得が多い人ほど税率が高くなり、節税効果が大きくなります。生命保険料8万円(生命保険料控除4万円)の時の節税効果シミュレーション結果は以下となります。
ここでは、令和7年税制の基礎控除、基礎控除特例及び社会保険料控除のみで検討しています(社会保険料は、概算の料率で算定しています)。生命保険料控除は4万円(支払生命保険料8万円)としています。
仮に所得税の合計適用限度額12万円した場合のシミュレーション結果は以下の通りとなります(住民税は、合計適用限度額7万で算定)。
いかがでしょうか。適用限度額まで保険料を支払った場合(各8万円×3=24万円)でもこれ位です。
もちろん保険は必要なものであり、所得控除が設けられているのも保険の加入をサポートするためにあるわけですが、「税金で得をするから」という理由で保険へ加入するのではなく、ライフプランの設計に合わせて必要な保険に入るという意識を持ちたいですね。
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