PDCAサイクルからAPDCAサイクルへ
企業経営で最も重要なのが資金繰りです。
黒字倒産というのを聞いたことがあると思いますが、決算書上は利益が出ているのに実際には現金が足りなくなって資金ショートを起こすことをいいます。
そのため、事業継続のためにはキャッシュ(現預金)の収支の実績をきちんと把握し、短期的、中長期的な見通しを立てることがとても重要になってきます。
利益の状況は、「損益計算書」により把握しますが、キャッシュの状況は「キャッシュフロー計算書」により把握します。
キャッシュフロー計算書とは、キャッシュの収支の実績を表すものです。
一方、キャッシュフローの管理を日常的に行うためには、「資金繰り表」の作成が重要です。
「資金繰り表」こそが、実績の把握、短期及び中長期の見込みを行ううえで必須のアイテム、ツールとなります。
会社の規模がそこまで大きくない中小企業ですと、この資金繰り表は、経営者の頭の中にあるケースも比較的よく見受けれられますが、経営者にとって大きな心配事である資金繰りについて、「資金繰り表」により可視化することで、ひとまずは落ち着いて考えることができるようになります。
資金繰りの改善のためのセオリーとしては以下があります。
ステップ1:売掛金・買掛金の支払いサイトを見直す
キャッシュフローを改善する上で、まず最初に手をつけるべきは、「売上入金と経費支払いのタイミング」です。
・売掛金の回収を早める
顧客との取引条件を見直し、支払いサイトを短縮できないか交渉してみましょう。たとえば、「月末締め翌月末払い」を「月末締め翌月20日払い」にすることで、資金の回収が約10日早まります。
・買掛金の支払いを遅らせる
仕入れ先との交渉で、支払いサイトを延長できないか相談してみましょう。たとえば、「月末締め翌月末払い」を「月末締め翌々月10日払い」に変更できれば、手元に資金が残る期間を長くできます。
入金が早く、支払いが遅い状態を作ることで、自然と手元の現金が増え、資金繰りに余裕が生まれます。
ステップ2:在庫を減らす
在庫は、会社にとっては「売れる前の商品」ですが、会計上は「お金が形を変えたもの」です。つまり、過剰な在庫は会社の資金を寝かせてしまっている状態といえます。
・売れ筋商品と死に筋商品を把握する
定期的に在庫をチェックし、どの商品がどれくらいのペースで売れているかを把握しましょう。
・「死に筋商品」は思い切って処分する
売れない商品は、割引セールなどで早めに処分することも大切です。保管費用や陳腐化リスクを考えれば、損切りしてでも現金化する方が、結果的に会社の資金を守ることにつながります。
ステップ3:経費を削減する
「そんなの当たり前だ」と思うかもしれませんが、経費削減は最も即効性のあるキャッシュフロー改善策の一つです。
・すべての経費を「見える化」する
通信費、広告費、消耗品費など、毎月かかっている経費を一覧にして、無駄がないか見直しましょう。
・「聖域なき」見直しを行う
会議室の電気をこまめに消す、ペーパーレス化を進めるなど、日々の小さな積み重ねが大きな効果を生みます。
特に、家賃や人件費といった固定費は、少しでも削減できれば大きなインパクトがあります。
当事務所は、資金繰り表の作成から改善策の実行支援までサポートしております。
ぜひ、一度ご相談ください。貴社の状況に合わせた具体的なアドバイスをご提案します。



