【相続】実家相続で効果が大きい特例の組み合わせ~家なき子特例×空き家譲渡特例~
40代・50代が今からやるべき相続対策の準備3は、「家族で話し合う場を持つ」です。
今回のお話しは、準備2とも密接につながっていると思います。
ご相談を受ける相続トラブルの多くは、"財産の内容が問題だった"というより、"話していなかったこと"が原因になっています。
今回は、そんな相続の地雷を避けるため、「家族で話し合う場」の重要性と、実際にどう準備すれば良いかを解説します。
■なぜ、話し合いが必要なのか?相続トラブルの典型例
相続トラブルの多くは、財産の大小よりも感情や誤解から起こります。
・よくあるケース①「こんなに財産があるとは知らなかった」
相続人の1人が「思っていたより多い」と驚き、不信感を抱くことがあります。
財産内容を家族で共有しておかないと、「誰かが隠しているのでは?」という疑念を招きかねません。
・よくあるケース②「親は長男に家を任せるつもりだったのに...」
口約束だけでは法的拘束力がなく、遺産分割協議で揉める原因になります。
他の兄弟にとっては「そんな話聞いていない」と感じ、関係がこじれることも
・よくあるケース③「親の介護をしていたのに、相続は均等?」
介護や同居をしていた相続人が、「自分はもっと評価されるべき」と主張する一方、他の相続人は「法定相続分で十分」と考えている。
このように価値観のずれがトラブルになります。
■話し合いのメリットは、”争族”の回避だけじゃない
家族で相続について事前に話し合っておくことは、単にもめ事を防ぐだけでなく、相続後の手続きや負担を大幅に軽減する効果もあります。
・家族の方向性が共有される
何を誰が相続するか、おおまかでも共通認識があれば、協議がスムーズに
・親の意向を明確に伝えられる
「親がどうしたいか」がはっきりすれば、相続人が納得しやすい
・事前に専門家へ相談しやすくなる
不動産、贈与、税金など、必要な対策を早めに打てる
■「話すきっかけがない・・・」という方へ、自然に始めるコツ
・きっかけ① 「終活」や「遺言」の話から入る
「最近、終活セミナーを聞いてね」
「〇〇さんが遺言書を作ったて聞いて...」
といった話題から入ると、親や兄弟も受け入れやすいです。
・きっかけ② 「家族全員が揃うタイミング」で話す
正月・お盆・法事など、自然に家族が集まるタイミングを利用しましょう。
「せっかくだから、親のこれからについて少し話そう」と切り出すスムーズです。
・きっかけ③ 「相続じゃなく、今後の生活設計の話」として
「今後、病気になったときのこと」
「施設に入る可能性があるときの費用は?」など、”相続”ではなく”老後”を切り口にすると、
より話しやすくなります。
■まとめ 「話すこと」が最大の”相続対策”になる
相続で一番やっかいなのは、「言わなくても伝わるだろう」という思い込みです。
親の希望、子供たちの考え、それぞれが違っていも、話してみることで理解し合えることがあります。
40代・50代は、親の年齢的にもタイミング的にも、相続の話し始めに最も適した世代です。
「うちは揉めないから大丈夫」
ーーそう思っているご家庭ほど、実際には準備不足なケースが多く見られます。
少し勇気がいるかもしれませんが、「相続の話をすること」自体が、家族の絆を再確認する機会になると思って、話し合いはじめましょう。



