長毛猫のブラッシングのやり方は?おすすめの道具や毛玉をとるコツも解説

中澤光恵

中澤光恵

テーマ:猫のブラッシング

長毛猫ブラッシングやり方

長毛猫はその美しくふわふわとした被毛が最大の魅力ですが、その反面、毛玉や抜け毛のトラブルが起こりやすいという特徴があります。

「すぐ毛玉ができてしまう。どうしたらいいの?」
「どんなブラシがいいのか?」
「毎日ブラッシングなんてできない」
と、ブラッシングのやり方や使う道具、毎日続ける難しさに悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。

長毛猫のブラッシングはいくつかのポイントを抑えれば、毎日のブラッシングを習慣化できて美しい被毛を保てます

この記事では長毛猫のブラッシングに必要な道具の解説や基本的なやり方、毛玉をつくらないブラッシング方法、できてしまった毛玉の取り方まで解説しています。
初めて長毛猫を迎えられた方にもわかりやすく、我が家のノルウェジャンに協力してもらい手順の動画もアップしています。

毎日のケアを少し工夫するだけで長毛猫の毛並みをきれいに保てますので、ぜひ参考にしてみてください。





長毛猫のブラッシングに必要な道具


長毛猫のブラッシング首

長毛猫のブラッシングをスムーズに行うため、適切な道具を用意しましょう。
適切なブラシやケア用品を使うことで、被毛のもつれや毛玉を防いだり簡単に取り除けたりできます。

ここでは長毛猫のお手入れに役立つ基本の道具を紹介しますので、参考にしてください。


スリッカーブラシ

スリッカーブラシは写真のように、くの字に曲がった細かい針金状のピンが多数並んだブラシで、ブラッシングにおいて最もよく使われる基本アイテムです。
スリッカーブラシ


絡まった毛をほぐしながら、抜け毛を効率よく取り除けます。

使い方は被毛の流れに沿って優しくとかしていくのが基本です。
力を入れすぎたり手首を返してブラッシングしたりなど、使い方を誤ると猫さんの皮膚を傷つけることがあるため注意が必要です。

次の動画で使い方を詳しく解説をしてますので、ご覧ください。


スリッカーブラシには「ソフト」と「ハード」とあり、ピンの硬さが製品によって異なります。
毛質が柔らかい猫さんには柔らかめのピンのもの、毛量が多い猫さんにはしっかりとしたピンのものを選ぶとよいでしょう。

またピンの先端がボール状に加工されているものは、皮膚への刺激が少なくおすすめです。

長毛猫を迎え入れたら、まずスリッカーブラシを用意しておくことをおすすめします。


コーム(くし)

コームはブラッシングの仕上げや細かい部分のケアに欠かせないアイテムです。
コーム

使い方はスリッカーブラシで大まかな毛玉や抜け毛を取り除いた後、コームを使って毛の状態を確認しながら丁寧に整えていきます

コームには粗目と細目とありますが、まずは粗目で毛玉が残っていないかチェックし、毛玉がなければ細目で被毛を整えます。

長毛猫には目の粗い部分と細かい部分の両方が一本になった「両目コーム」を使うと便利です。
コームも毛の流れに沿って丁寧にとかすことが大切です。

特に耳の後ろや首回りなど毛玉ができやすい場所は、コームで丁寧に確認するようにしましょう。
スリッカーブラシと組み合わせて使うことで、ブラッシングの効果が格段に上がります。

コームは比較的手頃な価格で手に入るため、ぜひ揃えておきましょう。

コームの詳しい使い方は次の「長毛猫のブラッシングの基本的なやり方」内で、動画とともに解説してますのでご覧ください。


ブラッシングスプレー

長毛猫のブラッシングをよりスムーズにするために役立つのがブラッシングスプレーです。

ブラッシング前に猫さんの被毛に付けることで、次の3つの効果を得られます。

  • 毛並みを整えて艶を出す
  • 静電気を抑える
  • 被毛の絡みを防止する


使い方はブラッシング前に手に吹きかけ、猫さんをその手で撫でてさり気なく被毛に付けます。

直接猫さんにスプレーして付けるのは、控えた方が無難です。
猫さんは濡れることを嫌う傾向があるため、スプレーで逃げるようになる可能性があります。

ブラッシングスプレーを選ぶときは、猫さんが舐めても安全な成分で作られたものにしましょう。
アルコールや合成香料が含まれていないものが安心です。


ハサミ(シザー)

ハサミはブラッシングの必須アイテムではありませんが、固まってしまった毛玉の処理や、毛が長くなりすぎた部分のトリミングに役立つアイテムです。
ペット用シザー

特に長毛猫は足の裏や肛門周りに毛が伸びやすく、放置すると歩きにくくなったり、便が付いて不衛生になったりするため、定期的にカットが必要な場合があります。

猫さんのケアに使うハサミは、一般的な裁縫用ハサミではなく、必ずペット専用のハサミを選びましょう

毛玉にハサミを入れる際には猫さんがリラックスしている状態で行い、十分に注意して使用してください。
皮膚を切ってしまい、ブラッシングを嫌がるようになってしまいます。

詳しい使い方は後の「毛玉を見つけたときの対処法」で解説してますので、参考にしてください。

刃物なので使うことに自信がない方は無理に使用せず、取れない毛玉はペットサロンや動物病院で相談するとよいでしょう。


長毛猫のブラッシングの基本的なやり方

長毛猫のブラッシングあごの下

長毛猫のブラッシングは、ただ毛をとかすだけではなく、正しい手順で優しく行うことが大切です。
いきなり敏感な部位から始めたり、力任せにブラシをかけたりすると、猫さんはブラッシングを嫌なものとして記憶してしまいます

基本的な手順に沿って行えば、猫さんも飼い主さんもストレスなくブラッシングを毎日続けられるようになりますよ。


ブラッシングを始める前の注意点

ブラッシングの基本ステップは、大きく次の3つに分けられます。

  1. 猫の機嫌をうかがう
  2. ①が問題なければ優しく声をかけながら、喜ぶ部位を撫でる
  3. 撫でながら、猫が喜ぶ部位からブラッシングを始める


猫さんが興奮してたりイライラしていたりするときは、ブラッシングのタイミングではありません
猫パンチや咬まれる可能性が高いので、その時点でのブラッシングは諦め、時間をおいてからブラッシングを再度試みましょう。

猫さんがリラックスしているなら、ブラッシングをするのによいタイミングです。
声をかけながら撫でて、ブラッシングを始めることを伝えてください。

それでも猫さんが不機嫌にならなければ撫でる手は止めず、ブラッシングを猫さんが喜ぶ部位から始めていきましょう。

ブラッシングを行うタイミングや避けた方がよい状態については、以下の記事に詳しく解説していますので、ご覧ください。
【元トリマーが伝授】猫をブラッシング好きにさせる5つのコツ


ブラッシングする

ブラッシングは毛の流れに沿って優しく行うのが基本です。
一度に広範囲をブラッシングしようとせずに、短いストロークで少しずつ進めるのがコツです。

全身を行う場合、以下の順番で行うとよいでしょう。

  1. 首回り
  2. 背中
  3. 両サイドの肩や脇腹
  4. お腹
  5. しっぽ
  6. お尻まわり


比較的に猫さんが触られることに慣れている首回りや背中から始め、徐々に敏感な部位に移行すると猫さんのストレスを軽減できます。

お腹やお尻まわりは特に毛玉ができやすい場所ですが、猫さんが嫌がる傾向がある場所でもあります
無理に進めず、猫さんの様子を見ながら丁寧に行いましょう。

猫さんが嫌がる仕草を見せたときは、それ以上続けずに止めてあげてください。
無理に続けるとブラッシングに対して、嫌悪感を与えてしまいます。
少しずつ行い、嫌がる場所も慣れてもらうようにしましょう。

ブラシをかける際は広範囲をかけようとせずに、短いストロークで少しずつ進めるのがコツです。

また長毛猫の場合、ただブラシを当てるだけでは被毛の根元までブラシが届きません。
被毛をめくって根元からブラッシングするようにしましょう。

長毛猫のブラッシングをするときのコツを、次の動画で解説していますのでご覧ください。


ブラッシング中も猫さんに声をかけ続け、「気持ちいいね」など穏やかに話しかけることで、猫さんは安心してケアを受け入れてくれますよ。


③コームで仕上げチェック

スリッカーブラシでのブラッシングが終わったら、コームを使って仕上げのチェックを行います。

コームの粗目でゆっくりと被毛全体に通し、引っかかる箇所がないかを確認します。
コームがスムーズに通れば、毛玉がない状態といえます。
最後にコームの細目を使って、全身の被毛を整えていきます。

全てを終えたら猫さんを褒めたり、おやつをあげたりすることで「ブラッシング=良いこと」という印象を強化できます。
これを繰り返すことで、猫さんはますますブラッシングに慣れてくれるでしょう。

もしコームを通して引っかかった場合、そこに毛玉やもつれがある証拠です。

無理にコームを通そうとすると皮膚が引っ張られて猫さんが痛みを感じ、ブラッシング嫌いになってしまいます。
コームが引っかかったときはコームを抜き、スリッカーブラシに持ち替えて再度ブラッシングして毛玉を取ってください

次の動画にコームを使うときの注意点を詳しく解説しています。



毛玉にしないブラッシングのコツ

長毛猫のブラッシング頬

毎日、全身をくまなくブラッシングをするのは大変ですよね。

ブラッシングを継続的に続けるには、短時間で構わないので毛玉ができやすい場所を重点的に行うことをおすすめします。

時間があるときに、全身のブラッシングを行うとよいでしょう。

毛玉ができやすい場所
・脇
・耳の後ろ
・お腹
・お尻まわり
・後ろ足


今日は両脇周辺、明日は下腹部周辺をなど、日替わりで行う場所を変えて1~2分でもよいのでブラッシングを毎日続けるようにしましょう。

毛玉ができやすい場所は、ブラッシングを嫌がりやすい場所でもあります。
「基本的なやり方」でも解説したように、いきなり行わずにまずは猫さんが喜びやすい首回りや背中をブラッシングして、その流れで毛玉ができやすい場所のブラッシングを行ってください。


毛玉を見つけたときの対処法

長毛猫毛玉

ブラッシング中に毛玉を発見したときは、無理に引っ張って取ろうとするのは絶対に避けてください
毛玉を力任せに引っ張ると皮膚ごと引っ張られて猫さんが強い痛みを感じ、ブラッシングそのものを嫌いになってしまう原因になります。

毛玉の大きさや固さによって対処法は異なりますが、共通して言えることは「焦らず、猫さんへの負担を最小限にする」という姿勢です。
毛玉を見つけたら状態をよく確認し、適切な方法で対処しましょう。


ブラシでほぐす

簡単な毛玉や被毛のもつれであれば、スリッカーブラシで取り除けます。

取り方は毛玉やもつれの根元を片手で軽く押さえ、スリッカーブラシで少しずつ毛をほぐしていきます
根元を押さえることで皮膚が引っ張られるのを防ぎ、猫さんへの負担を軽減できます。

それでも取れないときは、指先で毛玉の周囲を優しくほぐしてからブラッシングするとよいでしょう。

以下の動画で簡易なもつれの取り方を解説してますので、ご覧ください。


ほぐれたらコームに切り替え、しっかり毛玉が取れたか確認してください。
引っかかれば完全にもつれが取れていない状態なので、スリッカーブラシに持ち替えて再度ブラッシングします。

一度に強く引っ張ると猫さんが痛がるため、少しずつ丁寧にほぐすことがポイントです。
また猫さんが嫌がったら、一旦中止して時間をおくことも大切です。


ハサミを使う

毛玉が固く絡まってブラシでほぐせない場合は、ハサミで切り込みを入れるとよいでしょう。

まずは指で毛玉を摘まみ、皮膚と毛玉の境を確認します。
猫さんの皮膚を誤って切らないために、必ず確認してください。

毛玉の根元に触れたときに皮膚と毛玉の境がわからない場合は、猫さんにケガをさせやすいのでハサミの取り扱いには重々気をつけてください。

ハサミを使うときには、被毛の流れと平行に入れてください。
被毛の流れに対して直角にハサミを入れてしまうと、猫さんの皮膚を切ってしまう可能性があります。

ハサミで少し切れ込みを入れては手でほぐしブラッシングする、ということを繰り返して毛玉を取り除きましょう。


プロに任せる

毛玉を取り除くことが難しい場合はペットサロンや動物病院などプロに頼るのも一つの解決策です。

無理にご自身で行うことで猫さんにケガをさせたり、猫さんが長時間の拘束に耐えかねたりしてブラッシング嫌いにしてしまうかもしれません

動物病院やペットサロンでは専用の道具と技術で、猫さんへの負担を最小限に抑えながら安全に毛玉の処理をしてもらえますよ。


シャンプーはしない

毛玉がある状態では、絶対にシャンプーはしないでください。
シャンプーをしたことで毛玉が縮んで皮膚に密着した状態になり、更に毛玉が取りにくくなってしまうからです。

セーターを濡らすと縮みますよね。
同様に、毛玉も濡れると縮むんです。

さらに毛玉があることで、しっかりとシャンプー液が濯げなかったり乾かせなかったりして、皮膚トラブルの原因になる可能性もあります。

毛玉がある状態で被毛が汚れているからシャンプーをしたいという場合は、ペットサロンに必ず相談してください。


長毛猫はちょっとしたブラッシングのコツで美しい被毛を保とう

長毛猫のブラッシングは、美しい被毛を保つためだけでなく、毛玉の予防、抜け毛対策、健康チェック、そして猫とのコミュニケーションとして欠かせない毎日のケアです。

大切なのは次の3点です。

  • 状態に適した道具を使うこと
  • 猫さんに無理をさせないこと
  • 習慣化して短時間でも継続すること


スリッカーブラシとコームを使い分けながら、猫さんの毛質や毛量に合ったケアを行いましょう。

ブラッシングが苦手な猫さんには、タイミングを工夫したり短時間から慣らしたりと、猫さんのペースに合わせた対応が大切です。

どんなに忙しい日でも、1日1〜2分だけでよいので猫さんのためにブラッシング時間を作ってみてください。
毛玉になりやすい場所だけでも毎日行えば、毛玉を防げます

そして何より毎日触れ合う時間は、飼い主さんと猫さんとの信頼と絆を育む大切なひとときになりますよ。
難しく考えず猫さんとの生活をする上で、ひとつの日課として楽しみながら続けていくとよいでしょう。

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中澤光恵
専門家

中澤光恵(ペットシッター)

ペットシッタージニー

30年の知識と経験をもとに、食生活や爪切りやブラッシングなどのケア、環境づくりなど、ペットの健康寿命プラス5歳を目指す講座やアドバイスを実施。飼い主に代わって世話をするペットシッターも行っています。

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