猫のダイエットはカロリー計算から❘成功の秘訣と管理方法を解説
「ダイエットフードを与えているのに、うちの猫が全然痩せない…」そんな悩みを持つ飼い主さんは少なくありません。成果が出ない理由はフードが問題の可能性もありますし、フード以外に問題があるかもしれません。
この記事ではダイエットフードを与えているのに猫が痩せない理由からフードの正しい選び方、猫を運動させるポイント、飼い主さんが気をつけたいNG行動まで、猫のダイエットを成功させるために知っておいてほしいポイントを詳しく解説しています。
痩せない理由を知り、猫さんのダイエットを成功させたいとお考えの飼い主さんは、ぜひ最後までお読みください。
猫がダイエットフードを食べても痩せない理由

ダイエットフードに切り替えたにも関わらず、なぜ瘦せないのでしょうか。
実はフードの内容だけではなく、与え方や猫さんの生活習慣によっても結果は大きく左右されます。
結果を出すには理由を見極めて、適切な対策をとる必要がありますよ。
あなたに当てはまる理由がないか、読み進めてくださいね。
フードが適切でない
多くの猫用フードには「ダイエット用」と書かれていても、成分や栄養バランスは実にさまざまです。あなたの猫さんにとって本当に効果的なフードを選ぶためには、表示の見方やあなたの猫さんに合った選び方を知っておくことが大切です。
ダイエットフードを選ぶ際は、パッケージ裏の成分表を必ずチェックしましょう。
筋肉を維持しながら脂肪を落とすためには、たんぱく質が豊富なフードが理想的です。たんぱく質の量は30〜45%のものを選びましょう。タンパク質は多ければよいと考えるかもしれませんが、余分なタンパク質は脂肪に変わって蓄積されますので注意してくださいね。
ダイエットを考える際、脂質の摂取を控えようと思う方が多いのではないでしょうか。しかし少なすぎると被毛や皮膚に悪影響が出てしまいます。摂取量が少ないのも注意が必要ですので、脂質は10%前後のものを選ぶとよいです。
忘れがちになるのが炭水化物です。ほかの栄養素と同様に、過剰に摂取すれば肥満につながるので、含まれている量をしっかり把握しましょう。炭水化物は成分表には「可溶無窒素物」と記載されていることもあります。記載されていない場合は、以下の計算で求められます。
炭水化物=100‐タンパク質量(%)‐脂肪(%)‐繊維(%)‐水分(%)‐灰分(%)
タンパク質と脂質の量を考慮したうえで、なるべく炭水化物が少ないフードを選ぶとよいでしょう。
成分表を正しく読み解くことで、あなたの猫さんに合ったフードを見つけやすくなりますよ。
食事量やカロリーが適切でない
ダイエットフードを使っているのに体重が減らない一番の理由は、とてもシンプルで運動で消費する分よりも、食べる量が多すぎるからです。「ダイエット用って書いてあるから、普通に与えても大丈夫でしょ?」と思われるかもしれませんね。しかしどんなにダイエット仕様のフードでも、与える量が多すぎれば痩せるのは難しいでしょう。
またおやつを与える場合、おやつ分のカロリーも1日の摂取カロリーに加算していますか?猫さんに1日に与える食べ物の総量をスケールを使ってきちんと計量し、1日の総カロリーを把握することがダイエットの第一歩ですよ。
猫の代謝や年齢を考慮していない
年齢や代謝の違いも、猫のダイエットに大きく影響します。7歳を過ぎると人間と同じように代謝が低下していく傾向があるので、若い頃と同じ食事の量や管理方法では、なかなか体重が落ちてくれません。
また去勢・避妊手術をした猫は、ホルモンバランスの変化により太りやすくなります。
さらに室内飼いの猫は運動量が限られるため、野外で活動する猫よりもカロリー需要が少なくなります。
個体差を無視したダイエット計画では、思うような結果は得られません。大切なのは、あなたの猫さんの今の体重や理想の体重、普段の運動量をきちんと把握し、考慮した食事量を与えることが必要不可欠です。
飼い主がついやりがちなNG行動

どんなに猫さんに合ったダイエットフードを選んでも、飼い主さんの行動次第でダイエットの効果は大きく変わることがあります。どうしてもダイエットが成功できないなら、知らず知らずのうちに行っていることがあるのかもしれませんよ。飼い主さんがうっかり見落としてしまいやすいことを一緒に見ていきましょう。
ついおやつを与えてしまう
猫さんが可愛く鳴いたり見つめてきたりすると、ついおやつを与えてしまいたくなりますよね。しかし「ちょっとだけ」が積み重なると、1日のカロリーが簡単にオーバーしてしまいます。
ダイエット中は心を鬼にして、おやつは完全に断つか、どうしても与えたい場合は1日の食事量から差し引いて調整する必要があります。
また与え方を工夫するとよいでしょう。遊びの合間やブラッシングの合間などに少量ずつ与えると、猫さんに満足してもらえ、さらに絆も深められますよ。
フードを目分量で与える
フードの量はどのようにして与えていますか?カップやスプーンなどで計っていても、そのときによって微妙に量が変わります。
ダイエットをしていない場合は、カップやスプーンなどで大体の量を与える方法でもよいでしょう。しかしダイエットを行っているならキッチンスケールを使い、毎回正確に計って与えることが重要です。たった数グラムの違いでも、毎回の差が積み重なり大きな差となってしまいます。
運動を猫任せにしている
室内で生活している猫さんの場合、意識的に運動させないと運動不足になる傾向があります。特に肥満の猫さんは動くことを億劫がるので、さらに運動不足になり悪循環に陥りやすいです。
おもちゃで遊びを誘ったり、猫タワーや家具の配置を工夫したりして活動量を増やしてあげましょう。ただし肥満の猫さんの場合は無理をさせると関節を痛めることもありますので、いきなり激しい運動はさせないでくださいね。
早く結果を求める
「1ヶ月で2kg痩せさせたい」といった急激な減量目標は、猫さんの健康を害してしまいます。肝心の脂肪が減らせず、筋肉量が減ってしまう可能性があるからです。猫さんの減量ペースは、1週間で体重の1%ほどずつ減らすのが理想的です。
また絶食して強引にダイエットさせるのも、肥満の猫さんでは危険です。肝リピドーシスという疾患になり、最悪命を落とす危険性があります。
ダイエットに焦りは禁物ですので、結果を急がずに健康的なペースを意識しましょう。
猫に運動させる工夫

人でも体を動かすことが好きな人と苦手な人がいるように、猫さんも運動量が高い猫さんと、おっとりしていてあまり動かない猫さんといます。肥満になる猫さんは後者の猫さんが多いので、遊び以外にも運動させる工夫を飼い主さんがしてあげる必要があります。
おっとりした猫さんには無理に動かすよりも、自然に体を動かすような誘導が効果的です。例えば、パズルフィーダーや知育おもちゃを使えば、食べながら遊ぶことで運動量を増やせます。
シッティングご利用のお客様から「おもちゃで最近遊ばないので、おやつを投げて運動させながら与えてください。」と頼まれたことがあります。あなたの猫さんに合った与え方を見つけてあげてくださいね。
ご飯やお水の器の置き場所も工夫するとよいでしょう。猫さんが無理なく上がれる高さの棚などの上に置くことで、体を動かすように誘導できます。またご飯の場所を1か所ではなく、数か所に分けるのも効果的ですよ。
猫のダイエット成功のための継続のコツ

猫のダイエットは一時的な努力ではなく、日々の継続こそが成功のカギです。そのカギを握るのは飼い主さんの意識が非常に重要です。正しい知識と行動を習慣化し、猫さんと一緒に健康を目指すためのマインドを持ちましょう。
「少しくらいなら」「今日は特別」といった気のゆるみが、体重管理を難しくします。まずは、猫の健康を守るために何が必要かを家族全員で共有し、ルールを決めましょう
また体重や食事量を記録することで、変化が可視化され、モチベーションの維持にもつながります。誰がいつ何を与えたかが見えれば、おやつの与えすぎも防げるでしょう。
挫折しそうになったときは、肥満によって起こる糖尿病や関節炎、心疾患などを思い出し、愛猫のためであることを再確認してくださいね。小さな成功を重ねながら、無理のない範囲で継続することが、ダイエット成功への近道ですよ。
ダイエットフードの見極め方と適切な食事量を知ることが成功の鍵
猫さんにダイエットフードを与えているにも関わらず、痩せないことについて解説しました。
ダイエットフードを与えているのに痩せない理由は、以下の3つでした。
- フードが適切でない
- 食事量やカロリーが適切でない
- 猫の代謝や年齢を考慮していない
パッケージ表面に記載されている言葉を鵜呑みにしないで、しっかり成分表を見て適したフードなのか確認しましょう。
食事量を決める際には、猫さんの年齢・活動量・体質に合わせた調整が必要ですよ。
おやつを与えるときには、1日の摂取カロリー分におやつも含めてくださいね。
4つの飼い主さんがやりがちなNG行動についても、ご紹介しました。
- ついおやつを与えてしまう
- フードを目分量で与える
- 運動を猫任せにしている
- 早く結果を求める
おねだりされたら、ついおやつをあげたくなるものですが、猫さんのためと心を鬼にして与えない、または決めた量だけ与えるようにしましょう。
フードもおやつも与えるときには、キッチンスケールで計るなどして、与える量をしっかり把握してください。
ダイエットを成功させるには、食事だけではなく運動も大切です。
猫さんと遊んだり、猫タワーや家具の配置を工夫して、猫さんが体を動かしやすくする工夫をしましょう。
健康的に猫さんのダイエットを成功させるには、時間がかかります。
焦らず時間をかけてくださいね。
ダイエットが必要になる猫さんは、体を動かすことがあまり好きではない子が多いです。
そのためおもちゃで遊ばせるのには限界があるので、フードやおやつの与え方を工夫してあげてください。
成果が見えにくいと継続するのは難しくなりますよね。
定期的に体重を計り、体重や食事量を記録することをお勧めします。
改善点が見えやすくなりますし、少しの変化でも見えるとやる気も出てきますよ。
ご家族がいる場合は、食事量や与え方などルールを共有してくださいね。
猫さんのダイエットは、一致団結して行わないと成功しません。
みなさんの協力しながら成功させてくださいね。
ダイエットフードを与えているのに、猫さんが痩せなくてお悩みの飼い主さんの少しでも参考になったなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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