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情報セキュリティに関する認証の種類は?取得メリットや注意点も解説

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テーマ:ISO27001



情報セキュリティを扱う認証規格は、情報資産を扱う企業にとって、信頼性のアピールに繋がる重要なものです。情報セキュリティの認証には、いくつかの種類があります。各認証規格の種類について知っておくことで、取得を検討する際に役立ちます。

そこで本記事では、情報セキュリティの認証種類や認証取得によって得られるメリットや注意点を詳しく解説します。


情報セキュリティ認証の種類



本項ではまず、情報セキュリティに関連する認証の種類を紹介していきます。

ISO27001

ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際的な認証規格です。この規格は、企業が情報セキュリティを適切に管理し、リスクを低減することを目的としています。

ISO27001を取得することで、企業は情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを効果的に管理できる体制を整え、顧客や取引先からの信頼を高めることができます。

また、規格に基づいた継続的な監査や改善活動により、情報セキュリティ対策の強化が可能となります。ISO27001は、情報資産の保護を重視する全ての企業にとって重要な認証です。

なお、ISO27001について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
関連記事:【初心者向け】ISO27001とは?取得メリットや手順・費用(ISOプロのページへ)

ISO27017

ISO27017は、クラウドセキュリティに特化した国際認証規格です。この規格は、クラウドサービスを利用する企業が、クラウド上の情報セキュリティを確保するための指針を提供しています。

ISO27017を取得することで、企業はクラウド環境におけるセキュリティリスクを管理し、データの機密性、完全性、可用性を維持するための対策を講じることが可能です。

特に、クラウドプロバイダーやクラウド利用者の責任範囲を明確にすることで、セキュリティインシデントのリスクを減らし、信頼性を向上させることができます。クラウドサービスを利用する企業にとって、ISO27017は重要な認証規格です。

なお、ISO27017についてはこちらの記事でも解説していますので、併せてチェックしてみてください。
関連記事:ISO27017とは?要求事項や管理策をわかりやすく解説(ISOプロのページへ)

Pマーク

Pマーク(プライバシーマーク)は、日本国内で個人情報の保護に関する管理体制が整っている企業に対して付与される認証です。

Pマークを取得することで、企業は個人情報保護法に基づき、適切な個人情報管理が行われていることを示すことができます。Pマークには、顧客や取引先に対して、個人情報が安全に取り扱われているという安心感を与え、企業の信頼性を高める効果があります。

また、日本国内で事業を展開する企業のなかには、Pマークの取得を取引の条件としている場合もあるため、取得することでビジネスチャンスの拡大にも繋がります。

なお、Pマークについては以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:プライバシーマーク(Pマーク)って?取得企業数やメリットにつ(ISOプロのページへ)

自社にとってどの情報セキュリティを必要なのか、見極めることが重要になります。

ISMSとISO27001の違いとは?

本項では、ISMSの概要やISO27001との違いについて解説します。

ISMSとは

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は、企業が情報セキュリティを総合的に管理・運用するためのシステムを指します。

ISMSは、情報の機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)の3つのポイントを確保することが目的です。これにより、企業は情報漏洩やデータ改ざん、システムダウンなどのリスクを最小限に抑えることができます。

また、ISMSは、企業が保有する情報資産を保護し、セキュリティに関する脅威や脆弱性を評価・改善するためのフレームワークを提供。企業は法令遵守や顧客信頼の維持、ビジネスの継続性を確保することが可能になります。

ISO27001との違い

ISO27001は、ISMSを構築・運用するための国際規格です。

ISO27001では、ISMSを効果的に運用するために必要なプロセスや管理策が具体的に定められています。つまり、ISMSは企業が情報セキュリティを管理するためのシステムであり、ISO27001はそのシステムが正しく機能するようにするための基準やルールを提供するものといえます。

ISO27001に準拠することで、企業はISMSが国際的に認められた水準で運用されていることを証明することができます。

ISMSは、企業の情報セキュリティを万全の状態に構築していくうえで欠かせないシステムです。

情報セキュリティ認証の重要性



続いて本項では、情報セキュリティ認証の重要性について紹介していきます。

情報資産の保護

情報資産の保護は、企業が持つ重要なデータや情報を外部の脅威から守るための取り組みです。

情報セキュリティ認証を取得することで、企業は情報資産の保護に関する標準的な手続きを確立し、実施することが求められます。

これにより、データの漏洩や不正アクセスを防ぎ、企業の信頼性を高めることができます。

特に顧客情報や機密情報の保護は、企業の信用を維持するために不可欠です。情報資産の保護は、企業の競争力を維持し、長期的な成長を支える重要な要素となります。

リスク管理

リスク管理は、企業が直面する可能性のある情報セキュリティリスクを特定、評価し、対策を行うプロセスです。情報セキュリティ認証を取得することで、企業はリスク管理のフレームワークを導入し、リスクを体系的に管理することができます。

これにより、潜在的な脅威を早期に発見し、適切な対策を講じることで、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを最小限に抑えることができます。

リスク管理は、企業の安定した運営と持続可能な成長を支える重要な要素です。

法規制の遵守

法規制の遵守は、企業が情報セキュリティに関する法律や規制を守るための取り組みです。情報セキュリティ認証を取得することで、企業は法規制に基づいたセキュリティ対策を実施し、コンプライアンスを確保することが求められます。

これにより、法的なリスクを回避し、企業の信頼性を高めることができます。特に個人情報保護法などの厳格な規制に対応するなら、情報セキュリティ認証の取得は有効です。

法規制の遵守は、企業の社会的責任を果たし、持続可能なビジネス運営を支える重要な要素です。

情報セキュリティ認証の担う重要性を理解することで、規格の適切な運用に役立ちます。

情報セキュリティ認証を取得するメリット

情報セキュリティ認証を取得することで、企業にとって多くのメリットがあります。
本項では、具体的にメリットを紹介していきます。

情報資産のセキュリティ強化

情報セキュリティ認証を取得することで、企業は情報資産のセキュリティを強化できます。認証取得には、情報セキュリティポリシーの策定やリスクアセスメントの実施が求められます。

これにより、情報漏洩や不正アクセスのリスクを低減し、企業の信頼性を向上させることができます。

また、セキュリティ対策の実施により、サイバー攻撃からの防御力が高まり、業務の継続性が確保されます。結果として、企業の情報資産が安全に保護され、ビジネスの安定性が向上します。

顧客信頼の向上

情報セキュリティ認証を取得することで、顧客からの信頼が向上します。認証は、企業が情報セキュリティに対して真剣に取り組んでいる証拠となり、顧客に対して安心感を与えます。

特に、個人情報や機密情報を扱う企業にとって、セキュリティ認証は重要なアピールポイントとなります。

当然のことですが、顧客は、情報が適切に保護されている企業を選びます。この点において、情報セキュリティに関連する認証取得は、顧客からの信頼を勝ち得る要素となります。

結果として、顧客満足度が向上し、信頼関係を築くことにも繋がるでしょう。

法規制遵守の徹底

情報セキュリティ認証を取得することで、企業は法規制の遵守を徹底できます。多くの国や地域では、情報セキュリティに関する法規制が厳しくなっており、違反すると罰則が科されることがあります。

認証取得により、企業はこれらの法規制に適合していることを証明できます。これにより、法的リスクを低減し、企業の信頼性を高めることができます。

競争優位性の向上

情報セキュリティ認証を取得することで、企業は競争優位性を向上させることができます。認証は、企業が高いセキュリティ基準を満たしていることを示すものであり、他社との差別化を図るための重要な要素となります。

特に、セキュリティが重視される業界では、認証取得が取引先や顧客からの信頼を得るための必須条件となることがあります。結果として、ビジネスチャンスが拡大し、企業の成長を促進することができます。

企業にとってメリットから費用対効果を分析していくことがポイントになります。

情報セキュリティ認証取得時の注意点

情報セキュリティにはメリットも多いですが、一方で注意することもあります。
本項では、情報セキュリティの認証取得時に注意すべき点について解説します。

コスト増加

情報セキュリティ認証を取得する際には、コストの増加が避けられません。認証取得には、初期費用や維持費用がかかります。初期費用には、セキュリティ対策の導入や内部監査の実施、認証機関への申請費用などが含まれます。

また、認証を維持するためには、定期的な監査や更新手続きが必要であり、これらにも費用が発生します。さらに、セキュリティ対策の強化に伴い、システムのアップグレードや新たなツールの導入が必要になることもあるでしょう。

しかしながら、情報漏えいは企業にとっても莫大な損失に繋がります。そのため、認証費用とリスクの費用対効果を見極めることが重要です。

業務負担の増加

情報セキュリティ認証を取得することで、業務負担が増加することがあります。認証取得には、セキュリティポリシーの策定やリスクアセスメントの実施、内部監査の実施など、多くの業務が必要です。

これにより従業員の業務負担が増加し、通常業務に支障をきたすことがあります。また、認証取得後も、セキュリティ対策の維持や改善が求められるため、継続的な業務負担が発生します。

これに対応するためには、専任の担当者配置などが必要となります。自社で担当者を配置することが難しい場合は、外部のコンサルタントに依頼するのがおすすめです。

社内教育の必要性

情報セキュリティ認証を取得するためには、社内教育が必要です。従業員が情報セキュリティの重要性を理解し、適切な対策を実施できるようにするためには、定期的な教育や訓練が欠かせません。

社内教育を実施することで従業員のセキュリティ意識が向上し、情報漏洩や不正アクセスのリスクを低減することができます。

しかし、教育や訓練には時間とコストがかかるため、企業にとっては負担となることがあります。効果的な教育プログラムを導入し、従業員の理解を深めることが重要です。

まとめ

この記事では、情報セキュリティに関する認証の種類や重要性、認証取得によって得られるメリットや注意点について具体的に解説しました。
情報セキュリティ認証を取得することで、企業の情報資産を保護し、顧客信頼を向上させることができます。一方で、取得にあたって発生するコストや継続的な改善の必要性もあるため、注意が必要です。
なお、情報セキュリティ認証の取得を検討する際には、専門家に相談することも一つの手です。

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岡信一(ISOコンサルタント)

NSSスマートコンサルティング株式会社

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