ISO認証取得のメリットとデメリットとは?取得時の流れも解説
ISO教育訓練の実施を任されたものの、何から教育すればいいのかわからない。または、教育訓練計画の進め方に課題を感じている人も多いのではないでしょうか。 本記事では、ISO教育訓練の種類や、教育訓練計画の作成方法、有効性の確認方法について解説します。
ISO教育訓練とは?
本項では、ISO教育訓練の概要や目的、進め方について紹介します。
ISO教育訓練の内容
ISO教育訓練は、ISO規格に関する知識やスキルを習得するための教育です。企業や組織のメンバーがISO規格を理解し、適切に遵守できるようにするためにおこなわれます。具体的な内容は、ISO規格の概要や要求、内部監査の実施方法、改善活動などがあります。特にISOの要求は数が多いので、ISOの概要から進めていくのがポイントです。
ISO教育訓練の必要性
企業や組織が適切に対応するためにISO教育訓練の必要性は高まっています。適切な教育を受けたメンバーは、ISO規格に準拠し、品質や安全性、法的要件への適合など、様々な面で組織に貢献することができます。
また、ISOの審査で担当者以外も質問を受けることがあります。そうした時に回答ができるように従業員もISOを理解しておく必要があります。そのため、組織全体でISO教育を進める必要があります。
ISO教育訓練の目的
ISO教育訓練の目的は、ISO規格に関する知識やスキルを獲得し、組織で働く一人ひとりが規格を理解し、遵守できるようにすることです。このようにISOを理解することで、組織は品質や安全性の向上、国際的な認識の向上、法令関連への適合などに繋がります。
また、目的を達成することで強い組織が生まれ、同業他社との差別化が可能です。
ISO教育訓練の概要を知ったうえで、どのような教育訓練が必要なのか、どのように実施していくかを検討していきましょう。
ISO教育訓練における3つの種類とは
ISO教育訓練といっても、最初から高いレベルの教育をしても効果は期待できないでしょう。まずは学習者のレベルに合わせ、段階的に教育していくことが理解度を深めるポイントとなります。
初学者向け教育
初学者向け教育は、ISO規格に関する基本的な知識や概念を理解するための教育です。初めてISOに触れる人や、ISOの基礎知識を身につけたい人を対象としています。
初めての人にISOの要求事項を説明しても理解しにくいため、組織、企業に沿った例で説明すると理解しやすくなります。また、規格の基本原則や用語、構造などを教育するようにしましょう。
内部監査教育
内部監査教育は、内部監査員としてのスキルや知識を身につけるための教育です。ISO規格に基づいて内部監査を実施する方法や手法、評価のポイントなどを学び、組織内での監査活動を支援します。
また、内部監査員経験が少ない人にとっては、内部監査教育を通じて監査部門の仕事の流れや、部署の仕事内容を確認する機会としてもよいでしょう。そして、教育の中で気になった点がISOにおいてどの要求事項に当てはまるかを確認するだけで、ISOの理解を深める機会に繋がります。
管理者向け教育
管理者向け教育は、組織の管理者やリーダーに向けた教育です。ISO規格の適用や遵守をリードし、組織内でのISOの実施や改善活動を促進するためのスキルや知識を教育します。
また、一番は組織の戦略的な目標達成とISO規格を統合する方法に焦点を当て教育します。
その他、部下の力量判定の方法や、苦情についての対応方法、ISO審査で実施されるインタビューでの受け答えなども教育が必要です。
上記の内容で、レベルに合わせて進めていけば、段階別に理解度を深めていくことが可能です。
ISO教育訓練計画の作成方法・ポイントを紹介
ISOの教育訓練の階層が整ったら、教育実施計画を作成します。 本項では作成方法や作成時のポイントを解説しますので、参考にしてください。
教育訓練計画の作成方法とは?
教育訓練計画を作成する際は、まず対象者のニーズや目標を明確にし、教育の範囲やスケジュールを設定します。
次に、教育内容や方法、評価基準を具体的に定めて計画を策定しましょう。
最終的には、対象者がどのレベルに到達することを目的とするか設定し、最終目標から逆算して教育計画を作成することがポイントとなります。
教育訓練計画作成時のポイント
教育訓練計画を作成する際には、次の点に注意しつつ計画を作成しましょう。
- 実行可能な計画を作成する
- 余裕を持ってスケジュールを組む
- 教育訓練計画の見直し・改善をおこなう
計画は柔軟性を持ちつつも具体的で実行可能なものである必要があります。
また、教育訓練は日常業務をおこないながら実施するものです。そのため、無理なスケジュールは組んでしまうと、日常業務に支障をきたす恐れがあります。どの程度の頻度で、どの程度の時間を必要とするか明確にしたうえで実施する必要があるでしょう。
また、教育訓練の効果を最大化するために、計画の進捗や評価を定期的に見直し、必要に応じて修正をおこないましょう。
上記の内容で教育訓練計画を作成することで、スムーズな教育実施に役立ちます。
ISO教育訓練実施時のポイント・注意点とは?
前項で解説した教育訓練計画をもとに、ISOの教育訓練を実施します。 本項では教育訓練実施時のポイントや注意点を解説していきますので、あわせてチェックしておきましょう。
教育訓練を成功させるためのポイントとは
教育訓練を成功させるためには、明確な目標や成果の設定が必要です。教育に参加した人が最終目標に向かって進めるように支援しましょう。また、適切な教材や方法を選定し、参加者の関心や学習スタイルに合わせた教育を実施することで、成功させることができます。
教育訓練を実施する際の注意点
教育訓練を実施する際には、参加者の理解度やフィードバックを確認しながら進めることが重要です。また、教育環境や施設の整備、時間の適切な配分など、実施に必要な条件を整えるようにしましょう。ISOは規格の第一章から十章まで全て繋がっていきますので、理解度を確認しないまま進めると、余計に混乱してしまうので注意が必要です。
教育訓練実施時に意識すべきポイントを理解しておくことで、滞りなく教育訓練の実施を進める助けになるでしょう。
ISO教育訓練の有効性を確認する方法とは?
ISOの教育訓練を実施したら、有効性の確認が必要です。本項では、教育訓練の有効性を確認する方法について解説します。
教育訓練の有効性を確認する方法
教育訓練の有効性を確認するためには、対象者の理解度チェックが必要です。
具体的には、対象者の理解度を「数字や記号の〇△×」で確認するのではなく、教育を実施した後に文章によってポイントや、「この章では何を求めている」など具体的に書いてもらうことで教育の有効性が図れます。
また、対象者にメモを取らせ、その内容を確認することでも有効性のチェックが可能です。
力量(スキルアップ)に反映
教育訓練を通じて習得したスキルや知識を実務で活かし、実践的な成果を出すことにより、ISO本来の教育実施が有効性を確認できます。このように理解度を明確にすることで、対象者の力量が向上したか計ることが可能です。
なお「力量」とは、「意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力」とISO9000:2015では定義されています。
力量を判定し、スキルマップに反映することで、対象者のスキル向上が把握可能です。また、スキルマップで出た結果から、対象者の弱い部分も明確になるため、今後強化すべき内容が見えてきます。
教育訓練を計画から綿密に構築し、実施することで、ISOで求めているPDCAサイクルが実行可能です。段階的なプロセスを踏むことにより、有益な教育訓練ができます。
まとめ
この記事では、ISO教育訓練の目的や内容、教育に必要な知識を解説してきました。また、教育訓練計画の作成ポイント、教育が確実に実施され、有効性の確認方法も重要になります。 最終的には力量がアップすることが最終目標なので、この記事で紹介した内容を念頭においてISO教育訓練をしましょう。 もしISO教育訓練についてお困りのことがあれば、専門家に相談するのも一つの手です。