ISO9001のPDCAサイクルとは?要求事項から実践まで徹底解説
こんにちは。ISOプロの岡です。
ISO9001とISO14001は、特に製造業で取得されている国際認証です。1990年代から国内でも製造業や建設業を中心に導入が急速に進み、現在はITサービス業でも取得されています。そのような背景から、製造業に限らず、取得を検討しているという企業は多いです。
ISO9001とISO14001の取得を検討する場合、それぞれの違いを理解したうえで、最適な選択をすることが重要になります。
そのため、この記事ではISO9001とISO14001の違いや、それぞれの認証が企業にもたらすメリットまで解説します。
ISO9001・ISO14001とは
ISO9001やISO14001とは何かそれぞれ解説します。
ISO9001とは
ISO9001とは、品質マネジメントシステムに関わる国際規格です。
ISO9001の最終目標は「顧客満足の達成」です。
製造及びサービス提供プロセスを継続的に改善することで、お客様により良い商品やサービスを提供し続けることを目的としています。
また、品質だけでなく、価格や納期といった顧客の要求事項も満たすことが求められます。
さらに詳しく知りたい方は下記の記事を参照してください。
>>関連記事:ISO9001とはなにか?導入企業や他の規格との違いを...(ISOプロのページ)
ISO14001とは
ISO14001とは、環境マネジメントシステムに関わる国際規格です。
ISO14001は、組織を取り巻く環境を適切に管理し、組織が環境に与える悪い影響・リスクを低減させることを目的としています。
さらに詳しく知りたい方は下記の記事を参照してください。
>>関連記事:【初心者向け】ISO14001とは?導入企業や取得メリッ...(ISOプロのページ)
ISO9001とISO14001の違いや共通点とは
次に、ISO9001とISO14001の違いや共通点について解説します。
ISO9001とISO14001の違い
ISO9001は「品質」に関わるマネジメントシステム規格で、商品やサービスの品質向上を目的としています。
一方、ISO14001は「環境」に関わるマネジメントシステム規格で、自社の活動による環境への負荷を低減することを目的としています。
つまり、2つの規格の違いは「何を管理するか」です。
ISO9001とISO14001の共通点
ISO9001とISO14001は、どちらもISOマネジメントシステムの国際規格です。
これらの規格は、PDCAサイクルに基づいた継続的な改善活動を前提としています。
ISO9001とISO14001を取得するメリットやデメリッ
最後に、ISO9001やISO14001の各企業における取得理由やデメリットについて解説します。
ISO9001やISO14001を取得するメリット
- 取得と維持にコストがかかる
- 新ルールに従業員が慣れるまで時間がかかる
- ISO担当者となった従業員の負担が大きくなる可能性がある
どちらの認証を取得すべきか?
取得する目的に応じて、どちらの認証を取得するか決めることが一般的です。
取引先に認証取得を求められている、官公庁案件の入札条件を満たすためであれば、取得する規格は明確だと思います。
そうでない場合は、企業の状況や方針によって判断する、競合他社が何を取得しているか確認するなどで決めることになるでしょう。
例えば、品質管理が重要な産業ではISO9001を取得する傾向があります。環境への影響が懸念され、その取り組みを重要視される業界では、ISO14001を取得するといった具合です。
昨今のSDGs活動を重視する社会の流れから、対外的なアピールのためにISO14001を取得する企業も出てきています。
ISO9001・ISO14001の取得が多い業種とは
ISO9001とISO14001を取得している企業はどのような業種が多いのか、それぞれ解説します。
ISO9001の取得が多い業種
ISO9001の取得が多い業種は以下のとおりです。
- 建設:6475社
- 基礎金属、加工金属製品:5988社
- 電気的及び光学的装置:3303社
- 機械、装置:2585社
- ゴム製品、プラスチック製品:2546社
- エンジニアリング、研究開発:2185社
- 卸売業、小売業、並びに自動車、オートバイ、個人所持品及び家財道具の修理業:1999社
>>出典:日本適合性認定協会 『適合組織統計データ』(※2024年1月25日現在)
>>関連記事:ISO9001の取得企業数は?取得のメリットも解説(ISOプロのページ)
ISO14001の取得が多い業種
ISO9001の取得が多い業種は以下のとおりです。
- 建設:3263社
- 基礎金属、加工金属製品:2975社
- 電気的及び光学的装置:1847社
- 卸売業、小売業、並びに自動車、オートバイ、個人所持品及び家財道具の修理業:1829社
- ゴム製品、プラスチック製品:1459社
- その他社会的・個人的サービス:1359社
- 機械、装置:1331社
>>出典:日本適合性認定協会 『適合組織統計データ』(※2024年1月25日現在)
>>関連記事:ISO14001の取得企業数は?取得した有名企業や取得が多い業種一覧(ISOプロのページ)
まとめ
本記事では、ISO9001とISO14001の違いや共通点について詳しく解説しました。
ISO9001は品質マネジメントシステムに関わる国際規格であり、企業の製品やサービスの品質管理を強化します。一方、ISO14001は環境マネジメントシステムに関わる国際規格であり、企業の環境へ与える悪い影響を低減します。
ISO認証を取得することで、取引条件のクリア、企業の業務改善、顧客満足度の向上、環境への貢献などのメリットがあります。
ISOの取得は重要な経営判断のひとつと言えます。それぞれの規格の特徴を理解した上で、自社の状況にあった認証を取得しましょう。
取引先に求められているものや、官公庁案件などの入札条件に合わせて取得したり、企業の状況や方針によって判断したりするのも良いでしょう。
また、競合他社が何を取得しているかを見て判断するのもひとつです。
もしISO取得について検討しているならば、専門家にご相談するのもお勧めです。