“評価しない”ことで生まれる信頼。すぐに使える「承認」4パターン【前編】
※この記事は後編になります。
前編の記事はこちらからお読みいただけます。→“また相談したい”と思われる人になろう。「提案」【後編】
使っていたら要注意。「提案」を台無しにするNGワード3選
せっかくの「提案」を台無しにする“NGワード”があります。
この言葉の怖いところは、明確な悪意のある言葉などでなく、ありふれた言葉であることです。みなさんも無意識に使っているかもしれません。
「絶対に」
「絶対」という強固な断定表現は、「提案」に用いると圧迫感を与えるおそれも。
ちなみに私は「絶対」という言葉は明白な真実以外では使わないようにしています。
特に人間関係においては「絶対」はありませんからね。
例:「絶対にAのやり方の方がいい」「Bのやり方は絶対によくない」
「普通は」「一般的には」
一般論を盾に取ることで、大多数の決定に従わせようとする印象を与えます。その人らしさを奪ってしまうかもしれません。
例:「普通はAの選択肢を選ぶ」「一般的にはBを選ぶ人は少ないと思う」
「言っていることはわかるんだけど…」
耳障りがいい言葉にも感じられますが、これはほぼ否定。実際に言われて嫌な思いをした方もいるのではないでしょうか。
例:「言っていることはわかるんだけど、現実的には難しいよね?」
【実例】「提案」で人生を一歩前へ進めたクライアント
実際に「提案」で事態を進展させたクライアントのエピソードを紹介します。
相談者:
キャリアに悩む会社員Aさん。漠然と「自分の人生はこのままでいいのか?」と感じ、退職を視野に入れている。
提案の流れ
①質問
まずは「質問」で、Aさんが抱えている想いを洗い出す。
Aさんの想い
・会社の仕事に不満はない。
・今より条件のいい仕事があるのではないか、と感じている。
・まっさらな環境で、自分がどこまでできるか挑戦してみたい気持ちも強い。
②悩みの具体化
さらに「質問」を重ね、悩みを深掘る。
悩みを具体化する質問
・もし収入的な条件が変わらないとしたら、どの選択肢を選ぶ?
・10年後、振り返ってみたときに選んで良かったと思う道はどれ?
③ようやく「提案」
選択肢をそっと置きましょう。
・今の仕事にもやりがいがあるなら、一度“副業”という形で新規事業を始める選択肢もあると思います。Aさんはどう思いますか?
後日談
Aさんは副業という形で新しい道に挑戦されました。
いざ始めてみたら理想と現実にズレを感じ、同時に会社への愛着を再確認。会社員としてキャリアアップされることを決めました。
挑戦したことで迷いがなくなり、納得感を持って仕事に打ち込めるようになったとのことでした。
提案とは、選ばせることではなく、選べるようにすること。そんな事例でした。
まとめ:語尾を『どう思いますか?』にするところから始めよう
正しい「提案力」を身に付ければ、相談者と対等な関係性を築き、信頼感を深めることができるでしょう。
まずは日頃から余白のあるコミュニケーションを意識してみませんか?
その第一歩は、語尾を『どう思いますか?』に変えること。
それが、相手を尊重するコミュニケーションではないでしょうか。
・・・こんな提案、どう思いますか?(笑)



