問いかけひとつで相手の視野を広げる。4パターンの質問例付き【実践ガイド】【後編】

山田皓貴

山田皓貴

テーマ:コミュニケーションTips

※この記事は後編になります。
前編の記事はこちらからお読みいただけます。→問いかけひとつで相手の視野を広げる。4パターンの質問例付き

ワンパターン化を防止。「質問」の4パターン

「質問攻め」なんて言葉が存在するように、問いかけはやり方次第では相手に圧迫感を与えてしまうものです。
特にワンパターンな質問の繰り返しの対話は、無機質に感じられてしまうこともあります。

大切なのは、問いの引き出しを増やすこと。
参考として私が仕事の現場で実践している「質問」のうち、代表的な4パターンを紹介します。
ぜひマスターして、相手の性格や目的に応じて「質問」の型をスイッチングさせてみてください。

①時間軸を変えてみる

例:「このままのやり方を続けていたら、10年後の自分はどうなっているかな?」

狙い:未来を想起させることで、現状の問題意識を高める。

②立場を変えてみる

例:「もしあなたが社長の立場だったら、どんな決断を下す?」

狙い:他者の視点を借りて自身を客観視することで、視野を広げる。

③条件を変えてみる

例:「営業目標が2倍の数字になったら、今日はどんな1日を過ごす?」
狙い:思考の領域外に視点を向けさせ、マインドブロックを外すことで、新しい選択肢をもたらす。

④想像させてみる

例:「もし目標を達成したら、誰が一番に“おめでとう”と言ってくれそう?」
狙い:臨場感のあるイメージをすることで、脳に“経験した”と錯覚させる。ポジティブな感情を喚起したり、リアルな危機感を抱かせたりすることで、パフォーマンスを発揮させる手法。
※アスリートのイメージトレーニングに近いです。

まとめ:「質問」は、人の内面に矢印を向けるツール

以前、上司に意見ができず悩んでいたクライアントに、私はこう尋ねました。

このまま意見をせずに過ごした場合、あなたは1年後どんな気持ちで働いていると思いますか?

この方はハッとして「…このままじゃダメですね。すぐに意見を伝えてみます」。
このように、質問を通して自分を見つめ直し、行動を起こされた方はたくさんいます。
「思い切って言ってみろ」「何を言われても気にするな」そんな強い励ましの言葉より、“自分で気づいた一歩”のほうが、ずっと強いエネルギーを持っているものです。

「質問力」とは、相手の中にあるまだ浮上していない思いを引き出す技術です。
身に付ければ家庭でも職場でも、相手の能力を引き出し、人間関係を深めるカギになることでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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山田皓貴
専門家

山田皓貴(コーチング)

株式会社Hitofuri

目標達成や若手の定着などの課題解決に、コーチングマネジメント研修などを通したコミュニケーションの活性化を提案。実践までフォローする伴走型サポートを提供します。家庭での対話力を育むパパ向けプログラムも。

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