「傾聴」はテクニックだけではない。始める前に知っておきたいシンプルな真実【前編】

山田皓貴

山田皓貴

テーマ:コミュニケーションTips

発売中★kindle書籍【家庭も職場も好転する「考育のすすめ」】

ありがたいことに、複数部門でランキング1位をいただいております!

メンタリング・コーチング部門(kindleストア)1位
文化教育法に関する電子書籍 1位
グリーンライフスタイルに関する自己啓発電子書籍 1位

心を込めて書いた初書籍ですので、手に取っていただけるとうれしいです。
https://amzn.asia/d/c4KBV3m

=================

こんにちは。㈱Hitofuriの山田です。
本日はコミュニケーションTipsの第3回、「傾聴」についてお話させていただきます。
最近、書店でも「傾聴」や「傾聴力」に関する本が並んでいますよね。
きっとコーチングを知らない方でも馴染みがある言葉だと思います。
すでに「傾聴」の重要性をキャッチアップし、ご自分なりに実践している方もいるかもしれませんね。

しかし、この「傾聴」、シンプルなようですごく深いテーマです。
そこで今日は、テクニックに頼らない“本当の傾聴”とは何か?についてお話しします。
それでは以下の事例をご覧ください。

「最近モチベーションが下がっているメンバーの遠藤さんとの1on1。『傾聴』を意識し、やる気を引き出すことにした。

・わかるわかる。(共感)自分もそういう経験あったよ。そのときは…
・なるほど、“キャリアビジョンが見えなくなってやる気が出ない”んだね。(オウム返し)仕事に慣れるとなるものなんだよ。そんなときこそ…

肝心の遠藤くんは「はあ…」「そうですね…」と終始気のない返事。心理学的テクニックを駆使して話を聞いたのに。何が間違っていたのだろう?

この上司の聞き方がいただけないことは、みなさんもなんとなくわかりますよね。
しかし、ここまででなくても「傾聴したつもり」になっている方は意外と多いと思います。

よって、今回は「傾聴」に向き合う心構えそのものにフォーカスしてみます。
簡単なワークも紹介した実践的な内容になっているので、職場や家庭のコミュニケーションで生かしていただければと思います。

「聞く」は受動。「聴く」は能動。

さっそくですが、みなさんは「聞く」と「聴く」の違いを説明できますか?
「聞く」は、耳に入ってくる情報を自然に受け取ること。
一方で「聴く」は、意識して情報に耳を傾け、その意図や背景を理解すること。
私はそう定義しています。

傾聴はまさに後者の「聴く」であり、「目の前の人の“願い”に心を傾けること」と考えています。

――この人が話している背景には、どんな思いがあるんだろう。
――どんな経験を経て、その言葉が出てきたんだろう。

相手の心に軸を置き“耳と心と体”を総動員して向き合う。
それが「傾聴」だと思います。

結論:「傾聴」は状態だ。テクニックだけではない。

つまり「傾聴」は技術やテクニックだけではなく“状態”に近いと感じています。
それもいわゆるゾーンと呼ばれる超集中状態。実のところ、すごく疲れます。

なぜそんなに疲れるのか。
人はなんらかの情報を得たとき「間違っている」「自分ならこうする」と瞬間的に意見が生じてしまう生き物なんです。
それは、我々の無意識下にある、価値観や固定観念が常に作用しているためです。
そうして、自分の意見に意識が向くと、“軸”が自分に変わります。
せっかくの「傾聴」状態が途絶えてしまうんです。

自分の考えや意見をいったん横に置いて、相手に軸を戻す。
この“戻す”作業にとても体力を使うんですよね。ですが、「傾聴」において非常に大事な要素です。

相手が何を伝えたいのか、伝えようとしているのか、
言葉や表情の背景にある「心に耳を傾けること」この状態が傾聴だと思っています。

次回は傾聴がもたらす効果と、実際のセッションでも実施している「傾聴ワーク」を紹介します。

(後編に続きます)

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

山田皓貴
専門家

山田皓貴(コーチング)

株式会社Hitofuri

目標達成や若手の定着などの課題解決に、コーチングマネジメント研修などを通したコミュニケーションの活性化を提案。実践までフォローする伴走型サポートを提供します。家庭での対話力を育むパパ向けプログラムも。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

組織や家族のコミュニケーションを改善に導くコーチングの専門家

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京のビジネスコーチング
  5. 山田皓貴
  6. コラム一覧
  7. 「傾聴」はテクニックだけではない。始める前に知っておきたいシンプルな真実【前編】

山田皓貴プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼