揺らぎの季節に寄り添う ― 肌と心を整えるオイルケア

Hiroko近藤

Hiroko近藤

テーマ:スキンケア


季節の変わり目に起こる肌トラブル

夏の紫外線ダメージは、実は肌の奥深くまで影響を及ぼしています。
そのため秋口になると「急に乾燥する」「小じわが目立つ」「肌がごわつく」といった症状が表面化するのです。紫外線によるストレスは、肌のバリア機能を弱め、水分を抱える力を低下させます。

さらにこの季節は、昼夜の寒暖差や湿度の急激な変化により、肌が本来持つ「バランスを保つ力」も乱れがち。これが「つっぱる感じ」や「かゆみ」といったサインにつながります。

一方で、心の状態も同じ。天気や気温に揺さぶられて気分が安定しにくくなるのも、秋に多い特徴です。つまり、肌と心は季節の変わり目に同じように揺らぎやすいのです。



サンフラワーオイルが持つ力

この季節に心強いのが、ひまわりの種から得られるサンフラワーオイル。
オイルと聞くと「重たい」「べたつく」というイメージを持つ人も多いですが、サンフラワーオイルは驚くほど軽やか。肌にのせるとすっとなじみ、表面にベタつきを残さないのが特徴です。

科学的な視点から見ると、その理由はリノール酸にあります。リノール酸は必須脂肪酸のひとつで、人の肌の皮脂膜にも含まれる重要な成分。つまり、サンフラワーオイルは「肌がもともと持っている成分に近いオイル」なのです。
そのため、乾燥や外部刺激で揺らぎやすい時期でも肌になじみやすく、バリア機能をサポートしてくれるのです。

この「軽やかさ」と「肌に近い性質」を併せ持つことが、サンフラワーオイルが季節の変わり目におすすめされる理由。保湿しながらも重たさを感じない心地よさが、毎日のケアを続けやすくしてくれます。


オーガニックの香りがくれる安らぎ

オイルケアの魅力は、肌だけでなく「香り」でも実感できます。
天然精油の香りは、鼻から脳へ直接届き、自律神経や感情にすばやく作用することが知られています。たとえば、ラベンダーは副交感神経を優位にし、深いリラックスを促す一方、柑橘系は気分をリフレッシュさせて前向きな気持ちに切り替えてくれます。

オーガニック精油の香りは、人工的な香料と違って単調ではなく、時間とともに移ろう「香りの表情」があるのも特徴です。朝はすっきりとした透明感、夜は温もりを感じる余韻――そうした変化が、呼吸を深め、心を穏やかにしてくれます。
肌にオイルをのせるだけでなく、香りを「纏う」という行為が、忙しい日常に小さなリセットの時間をもたらすのです。




肌と心、両方のバランスを

乾燥や紫外線ダメージを防ぐためにオイルを使うことは、肌のケアであると同時に心のケアでもあります。
スキンケアの数分間、自分の肌に触れながら香りに包まれる時間は、ただの美容習慣ではなく「自分を整える儀式(リチュアル)」へと変わります。

肌が整えば心も落ち着き、心が安らげば肌も健やかに。
その相互作用を大切にすることが、揺らぎやすい季節をしなやかに乗り越える秘訣です。

オイルケアは単なる保湿ではなく、「肌と心のバランスを取り戻す」ためのパートナー。
自然の恵みを味方に、季節の移ろいを心地よく楽しめる自分でありたい――そんな願いを叶えてくれるのが、オーガニックのオイルなのです。




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Hiroko近藤
専門家

Hiroko近藤(オーガニック調香師)

Hiroko.K株式会社

国際有機認証機関ナチュラルオーガニック「エコサート(フランス)」の基準に沿って日本人ならではの感性で香りの世界を創る。仏大手香料会社有機部門に日本人で唯一ラボを持ち、開発生産している。

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