未知なるフランスへの旅路:オーガニックの真実を追い求めて

Hiroko近藤

Hiroko近藤

フランスという未知の地で、私は「本物のオーガニック」を追い求める旅を始めました。右も左もわからない土地。工場やラボ(LABO)を巡り、試行錯誤を繰り返す中で、多くの困難と向き合いました。それは、自分の手で納得できる製品を作りたいという強い思いが原動力となった挑戦の日々でした。

化粧品のレシピ作りを始めたばかりの頃、私は全くの無知でした。成分表の読み方も、材料の組み合わせ方も、どう作用するのかもわからない。ただ、「やるしかない」という信念だけを胸に、一歩ずつ進み続けました。その過程で、フランスにあるエコサート本部に足を運びました。自然思考で設計されたその建物を見て、環境への深い意識を感じながらも、厳しい基準を理解し実践する難しさに圧倒されました。

フランス

現場での挑戦はさらに過酷でした。ボディオイルを自分の手で作る作業に取り組んだ時、想像以上に繊細な工程に驚かされました。現地のスタッフと協力するどころか、時には反感を買うこともありました。それでも、自分が納得する品質を実現するため、どんな壁にも立ち向かいました。

「私が支給した素材以外は使わないでほしい」と工場に厳重に依頼したことで、品質管理を徹底しましたが、その姿勢は現場からの反発を招くこともありました。それでも、自分が求める「本物」のためには譲れない決意がありました。

かつては、イギリスのメーカーとの取引で、材料調達や品質管理を業者任せにしていたこともありました。しかし、すべての工程に自ら携わることで、材料選びから製品化まで責任を持つことの重要性を深く学びました。

多くの工場を訪れる中で、「工場ごとに技術や方針が全く異なる」現実にも直面しました。ある工場では優秀な技術者に依存しており、その人がいなくなると工場全体が機能しなくなるリスクもある。こうした課題を乗り越えながら、規模や考え方が合う中規模の工場を探し続けました。

フランス2

この旅を通じて、ただ「オーガニック」と名乗るだけでは不十分であると気づかされました。本当の品質を守るためには、材料の選定から製造過程に至るまで、一貫した基準を徹底する必要があるのです。それは、私が信じるオーガニックの本質そのものであり、妥協することのできない信念です。

挑戦の旅は続きますが、その一歩一歩が「本物」への確かな道しるべとなっています。

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Hiroko近藤
専門家

Hiroko近藤(オーガニック調香師)

Hiroko.K株式会社

国際有機認証機関ナチュラルオーガニック「エコサート(フランス)」の基準に沿って日本人ならではの感性で香りの世界を創る。仏大手香料会社有機部門に日本人で唯一ラボを持ち、開発生産している。

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