堀野温代プロのご紹介
心に響く「声」、その根源を求めて(2/3)
イタリアで磨いた身体表現と呼吸法
堀野さんもまた、日本人がオペラを歌う壁を常に意識してきました。国立音大卒業後、舞台に立ちながら講師として活動していた1980年、イタリア・ミラノへ留学し3年を過ごしたことにも、思いが表れています。
「イタリアでは、尊敬する先生に指導を仰ぎ、舞台に数々出演しましたが、音楽のみならず、イタリアの文化にどっぷりつかり『私たちと何が違うのか』を、すべて見てみたいという気持ちで生活していました」
とくに目を見張ったのが、人々の「身体」の使い方だったといいます。
「舞台に立つ人だけではなく、一般の方の歩き方、何気ない所作一つ一つも発見の連続。当時は、街で立ち姿、歩く姿が美しい人を見かけると、思わず後をつけて観察していました。そして、体の使い方が発声にも深く関わっていると確信を持つようになりました」
帰国後は、日本の前衛舞踏家たちとも交流しながら、身体訓練を歌唱に生かす方法を模索します。その時期、多くのインスピレーションを得たのが、西洋音楽の源流の一つであるギリシャの神話や思想でした。
「哲学や芸術、数学、医学などが共通の真理や美を追求していたギリシャ時代の英知は、すべてが自分の歌に役立つように思え、夢中で吸収しました。とくに、彫刻で表現される人体の美しい『角度』は、発声法に大きく活かされています」
身体表現とともに重視したのが「呼吸」です。
「声楽における呼吸法の指導の多くは『鼻から吸って口から吐く』といった表面的な方法論。そして、ひたすら『大きな声』を出させる。一方、私が重視するのは、へその下の『丹田』を使い体全体で呼吸すること。この呼吸法により『大きな声』ではない、豊かに響く、今まで自分が出したことのない声が出る体験ができるはずです」
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