風、声のデザインルーム関節回しと声
第3章
瞑想と声楽の関係性
生徒の瞑想体験
Wさんは高校の部活で合唱を熱心に行っている方です。
*自己流なのですが、長く続く声と声量も備えた方です。
しかし、舌根に力がこびりついているのと、大きすぎる声を出す傾向もある方です。
もちろん私はWさんに「瞑想」を勧めました。
立ち方、足裏への意識、骨盤への意識、顔や頭の位置を正しくとること、口は薄く開いてイの母音での
息をはくこと、お腹や丹田への意識のことなどをじっくり話してから、小さい声でドレミレドの
繰り返しの発声を1時間たっぷりしました。
始めてすぐ、Wさんから「ひびき感が顔の回りに現れた」との言葉がありました。
Wさん自身が声の出しかた、出方に今までと違う変化があったのを実感し、体験レッスン1時間だけで
これほどの変化が現れたことに驚いたそうです。その後も続けてレッスンに来ていただける
ようになりました。
私は決して、顔や顎に外側からあれこれ手を添えて指導することはいたしません。
すべて、息で始め、そして息で解決していきます。
息は道具なのです。そして、体も道具なのです。
合唱コンクールで短いソロを歌うということでしたので、それも見させていただくことになりました。
歌いにくかった音型が、瞑想を取り入れることにより息の運び方を変えることで解決し、
発声もはっきりしてきました。
やがて、音大をめざすことになり、努力の結果、合格し、今でも指導の関係は続いています。
息を吸うは、満月のように
息を吐くは、新月のように
Wさんにはこのことを今でもお伝えし続けております。
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