風、声のデザインルーム。声って!
第3章
瞑想と声楽の関係性
オペラ本番での瞑想体験
オペラで演じる事になった勢至菩薩の役作りは、多くの本を読むことからはじめました。
そのときふと、「瞑想したらどうなるか?」という感覚が湧いてきたので、読んでいた本を置き、
座布団の上に足を組み、丹田に意識を運び、ひたすら{丹田呼吸}を続けました。
すると、状態が揺れ、涙が流れ、左目の底からピンク、クリーム色、水色、オレンジ色など、
パステルカラーといわれる色たちがモクモクと湧きはじめ、体ごと浮いていく感覚に包まれる
毎日が始まったのです。
そのような中で、舞台をイメージし、私自身の登場場面だけをイメージし、自分が歌う状況を
心の中に思いながら、何日も、何時間も目を閉じ、心で歌う勉強を行いました。
すると瞑想中でもないのにかかわらず、瞑想状態の感覚になれる日も増え、本番でも瞑想状態に
入ることが多々ありました。
前奏何小節かの演出は、約5メートルをすり足「1歩3秒」で歩くシーンからはじまります
{もうこのときから私は瞑想状態にありました。}
歌いだした途端、私の視界にはピンクの濃淡のエネルギーが現れ、それがホール中央にも
みえました。
私は一体なにをやっているのだろう?本番を終えた状態でも瞑想状態は続き、
歌い終えたという感覚もないまま、私は舞台そでにすっと消えたのです。
私の目には、もうなにも見えていないのです。
瞑想しながら、心で歌うということは、音楽の流れも、表現も、音色までも、
そこにいるオーケストラも、指揮者もお客様もすべて私の中にあるのです。
そしてその空間までもエネルギーの充満した別世界に。
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