風、声のデザインルーム、中心点からつむじまで、、
第3章
瞑想と声楽の関係性
「瞑想との出会い」
私が「瞑想」と出会ったのは、昭和58年1月イタリア留学から帰国し、これから日本で
何かしなければならないと感じていたときです。
1本のケヤキの樹との出会いからそれは始まりました。
樹も人間と同様、日々成長します。じっとケヤキの樹をみつめてこんなふうにおもったのです。
成長するために、成長するために、成長するために、、、、。
こんなことを考えながら道を歩いていると、ふと、「ヨーガ教室」の看板が目に飛び込んできました。
そこでヨーガ講師の方に「堀野さんにはヨーガではなく瞑想があうよ」と言われたことが
瞑想との出会いのきっかけです。
当時の日本ではヨーガや瞑想などは正直、あまり理解されない次元のものだったので、
妖しいといぶかしむ感情もありましたが、それ以上に好奇心をくすぐられました。
当時の私にとって斬新な活動に思えたからこそ、のめり込むことができたのではないかと、
今になって感じます。
そして瞑想を繰り返すうち、「声楽と瞑想を組み合わせてみるとどうなるか?」と、
思いがけない考えが湧いてきたのです。
それは、結果など全く見えない、ワクワク感しかない発想でした。
未知の体験でしたので予想以上にエネルギーを使いましたが、
不思議とゆっくりのめり込んでいったのです。
このような声楽活動を続けて、かれこれ7年。この7年間はそれまでかかわってきた
楽曲すべてを瞑想を通じて、復習した時間でもありました。
ここで学んだことはズバリ、、、、。
「声楽と瞑想とは、ともに体の奥深くから生まれてくるものである」
ということです。
そして「奥深く」というのは、ヘソの奥です。
もっと具体的に解説すると、私達が輪廻転生する{といわれていますが}この事に
つながっていく、魂が導かれる道につながるということです。
まさしく人間の中に吹いている、風の通り道ですね。
余談ですが私の主宰する教室名で「風、声のデザインルーム」もここからきた名前です。
前章からお伝えしてきた「声楽で重要なバランス」つまり「技術 スキルと心」の「心」に
あたるのが魂であって、瞑想が声楽と人を結びつけるツールということになります。
瞑想との出会いは、偶然のものではなく、運命で定まっていたかのように、
私の前に現れました。
これは日々、私がより良い声楽を探求し続けていたからこそ得ることのできた経験だと
強く感じております。
勉強、成長、これは何事においても、やはり人として忘れてはいけないことのようですね。
風、声のデザインルーム