風、声のデザインルーム、コンコーネ40番。
第2章
音楽とは「心理劇」
ここからは、さらに話しを掘り下げて考えていきましょう。
音楽には心が伴います。そして、人間関係すべてに心理が関係してきます。
辞書を引いて歌詞の意味を調べることは大変な時間を要しますが、調べおわると、清々しい心になりますね
{WEB検索では体験できないことですね}。
これと同様に、ピアノ伴奏部分でも、和声の仕組み、響き、リズムなどを注意深く観察して聞き、
「このような旋律だから、歌うパートがこうなっているのでは?」と考察していくのです。
この行為はまさしく人間の心理のなせる業といっても過言ではありません。
ピアノ伴奏の左手の部分は土台{音楽の土台}。百も承知のことなのにここをじっくりと、観察したり聞いたりすることを結構やらずじまいにすること、多くありませんか?
私は、このようなことにも人の感性、才能が関係していると思います。
要するに音楽は細かなことにも意識を向けることで、表現力が増すからこそ、人の心理が関係している
ということです。
人間関係においても注意深く相手の心をキャッチできる方、そうでない方、さまざまかとは思いますが、
心と心で会話できる方となら長時間話していても苦にはなりませんよね?
音楽の場合も同じように数分間の世界であったとしても、演奏を聴く側と心の会話ができないのでは、
飽きられてしまって、残念な結果になってしまいます。だからこそ、細かな部分にまで意識を向けて
曲の心を伝えることが重要となってきます。
いい声や演奏は、もともと持っている感性や才能によるものではありません。才能は努力によって
磨かれることで、初めて花開くものであり、その努力とは技術{スキル}と心のバランスの上に成り立つ
ものなのです。