風、声のデザインルーム 開脚しながら発声練習と歌と詩吟
第第2章
歌と心
心から歌うとは
心から歌うために必要なこと
心から歌うためには、まず、歌う曲が好きでなければいけません。
日本人の「本質に欠ける」ということはここにも表れるように感じます。
自分が歌う曲を好きだと思わない方がとても多いのです。
歌を歌う表現者として感動を生み出したいと私は思います。
だからこそ、すきな曲だけでなくて、さまざまな曲を普段から歌いこなす必要があると私は思います。
{その方が、表現力が豊かになる、楽譜の読みが深くなる理由もあります}。
外国語の曲の場合、当たり前ですが、自分で必ず歌詞を訳さねばなりません。
楽譜の後ろに訳詞がついていても、これに頼るのはもってのほか。訳詞は参考程度にすることをおすすめします。
辞書を引いて自分の言葉で歌詞を訳し、その意味を自分なりにかみ砕き、どのような人間の心理を
歌っているか、一生懸命考えて解釈し、表現世界に運ばねばなりません。
これこそが、「芸の術」だと私は思っています。
近年、何もかも便利になり、物事の答えや本質をWEB上などでキャッチしやすい時代になりました。
翻訳に関しても、翻訳サイトやWEB上にある歌詞を見ればすぐに理解できるように思えます。
しかし、それは表面的に理解した気になっているだけであって、本質から理解したとは言い難いという
ことを知っていただきたいです。
音楽は生き物です。昔から歌い続けられてきた曲には魂が宿ります。
そして、その歌の魂は心でこそキャッチできます。
歌の魂は、小手先の技術「スキル」では決して十分にキャッチできないのです。
音楽は芸術です。
だからこそ、今の時代の簡単で便利なものに他よりきらず、自分を探求し続けるためにも、
じっくり時間をかけてでも本質から音楽と向き合う必要があるのです。
その経験に必ず心は応えてくれます。そして、その心が魂に働きかけ、聞く人の感動を呼び起こすことと
なるのです。
この努力を実践している方と、そうでない方との違いは一目瞭然です。
すべてが必ず声となって現れてきます。
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