西洋音楽の発声方法と日本の詩吟のための発声方法は・?

堀野温代

堀野温代

詩吟を勉強なさっておられるかたのボイストレーニングをさせて頂きはじめてから、思うようになったことがあります。私達ヨーロッパの音楽をやっているものはピアノに合わせる事がまず第1でべんきょうはじめますが、東洋の声に関するものは、ピアノは使わないようですね。
詩吟ボイトレの要請を頂いてかんがえたことは、{声を出す}ことには東洋も西洋もあまり違いがある、、

と思わないところから出発したほうがいいのではないか?でした。初めて詩吟ボイトレを試みた時には、ピアノの音から音をとって声をだすことは、どなたも出来ませんでした。しかし、根気強く息を出し音程感を導き呼吸法を取り混ぜ、説明し、あれやこれや試すうちに皆さん音程がとれるようになったのです。

昔、私は日本の武術呼吸法の1つである肥田式呼吸法を習っていたので、それを用いたのです。足の開脚がとてつもなく凄いものなのですが、腰、足、お腹、肩、首、頭など等が安定しますので声がス~ットでるのです。絶対に胸は上がらないし、下半身が強くなりますので大変素晴らしいのです。


      2本の足が柱となり家は建つ   なのです。 生徒さんはジムよりキツイといいます。体奥から汗がにじみだし~ああ これが呼吸法でこれが体を使う事か?と実感します。ここから空気を流し、言葉の抑揚や意味、漢字を分解したりしながらその詩の中身に入って行きます。もちろん、みなさん内容はご存知ですが、それだけでは不十分です。{感じ}は教えてくれるのです・私など、初めてみる漢字に遭遇すると空想の世界に入ります。井上靖の西域小説など読んでいてつくずく良かったと思う事しばしばです。発声法にしてもヨーロッパの方法も全く強健な肉体が必要ですので、両域の方法を混ぜ合わせればいいのです。声と言う見えないものへの追及は感性の開拓になるのです。詩吟でお出でになる方々も、オペラなどのレッスンでお出でになる方も自己流に陥り悩んで私の所に来る方が最近多いので、私もポケットに一杯必要なこと貯めています。詩吟ボイトレは私に色々教えてくれます。

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堀野温代
専門家

堀野温代(「声」の指導者)

風・声のデザインルーム

イタリア留学と長年の研鑽、多数の舞台経験から、身体の使い方、呼吸法などを総合する「堀野式発声法」を確立。音大入試やオペラ団体への入団、声楽コンクール等で高い結果を出す生徒を多数輩出している。

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