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ステップファミリーやひとり親家庭の悩みに寄り添い、自信を持って生きていけるようサポート

ステップファミリーの家庭問題を支援するカウンセラー

平田えり

平田えり ひらたえり
平田えり ひらたえり

#chapter1

前向きな思考を養い、自分の行動を自分で選ぶ100日間カウンセリングを実施

 「夫婦双方、または一方が子連れで再婚する『ステップファミリー』は、元配偶者との関わりや血縁関係のない子の育児など、さまざまな心配ごとや戸惑いが生じます。まだまだ社会的な理解が乏しい分野でもありますが、専門的な知識と独自のカウンセリングの手法で、寄り添いながら伴走をさせていただきます」

 そう話すのは「M-STEP」代表理事の平田えりさん。ステップファミリーをはじめ、シングルマザーやシングルファザーの不安、離婚など、家族関係に関するカウンセリングをオンライン中心で行っています。

 「クライアントさまと対話する際、ウイリアムグラッサー博士の『選択理論』という心理学を取り入れています。人生は選択の連続です。良くない結果になった時に、つい周囲のせいにしがちになります。ですが、その時々の行動や気分を選ぶのは自分なんです。たとえ、その行動や気分を選んで後悔をしてしまったとしても、『その時の自分がベストの答えを出したんだよ』ということを伝えるとともに、自信を持って人生の選択ができる自分になれるようにお手伝いをさせていただきます」

 特徴は100日間をひと区切りとし、ゴールを目指していくこと。自分や身近な人の長所、今日あったいいこと、かなえたい夢などをカウンセリングシートに沿って100日間記入し、前向きな思考習慣を養います。

 「定期的にシートを返送してもらい、気づいたことを書き入れます。さらに、2週間に1度、確認カウンセリングも実施します。ステップファミリーには自分ではコントロールしづらい人間関係があるからこそ、『自分の行動は自分で選ぶ』という選択理論はプラスになります」と平田さん。子どもの不登校についても耳を傾けます。

 「私自身も私の子どもも、不登校の時期がありましたので、お子さんや親御さんの気持ちに寄り添いながら、今後のことを一緒に考えていきます」

#chapter2

自身も継子、継母を経験し、支援プログラムや心理学を学びNPO法人を設立

 数々のクライアントに伴走してきた平田さん自身も、親の離婚と再婚を経験。継父との相性が悪かったため、親元を離れて生活していたこともあります。

 「結婚に際しては相手に子どもがいて初婚で継母となりました。最初はうまくいっていましたが、私が妊娠・出産したことで実子と継子に対して自分が抱いている愛情の違いに気づき、苦しみました」

 自らの心境をつづるブログを開設したところ、同じような悩みを持つ人たちが集うように。
 「多くの人に門戸を開くため、2003年に任意団体を立ち上げました。当事者同士が思いを打ち明けたり、アドバイスしあったり。交流会や勉強会も開催するようになり、共感し、癒やし合う輪が少しずつ広がりました」

 平田さんは、一歩踏み出す一助になればと「全米ステップファミリー協会」の支援プログラムや心理学を学び、カウンセラーとして個々の課題に向き合うようになります。
 「交流会に参加した方々から、1人じゃないと実感できて、元気をもらえるという声をいただいています。カウンセリングには、周囲に胸の内を明かせず、専門家に話を聞いてほしいという方が訪れてくれます」

 当初は自分のために始めた活動でしたが、数多くの人の心のよりどころとなっていることからNPO法人化し、応援体制を整えました。
 「私はシングルマザーとなったものの、継子や元夫とは『離れていても家族』『血のつながりがなくても家族』を続けています」と笑顔を見せます。

平田えり ひらたえり

#chapter3

相談窓口を開設し、Youtubeで情報発信。困窮家庭の食の支援にも取り組む

 平田さんのもとでは、家庭環境や親子関係に悩む子どもと親に向けて無料相談窓口を開設するほか、動画配信サイト・Youtubeで情報発信も開始。困難がありながらも、誰にも言えずにいる人との接点を用意し、孤立を防ぎたいと言います。

 「例えば、父親と母親双方が2人の子を連れて再婚すると、その時点で子どもは4人になります。夫婦の間に子どもが生まれると、5人、6人に。ステップファミリーは多子世帯になりがちです。しかし、ひとり親の時は得られていたサポートはなくなります。今の日本社会は男親の方が高収入の家庭が多いでしょう。男親と継子の関係が悪化して、十分な生活費を入れてもらえなくなったというケースもあります」

 ステップファミリーは、一見普通に見えても、実は問題を抱えている家庭も多いと指摘。自身も継父との折り合いが悪くなり、家での食事が十分に取れず、給食が頼みの綱だった時期もあったとか。
 「今後、力を入れていきたいのが困窮家庭への支援です。食事や見守りを必要とする家庭に毎月クーポンチケットを届け、地元の飲食店さんに持って行けば食事ができる『ドコデモこども食堂』に参画しています」

 生きる上で欠かせない食を支える取り組みは、ライフワークと語る平田さん。「対象はステップファミリーに限りません。趣旨に賛同する飲食店を増やし、必要な人に手を差し伸べていくことが目標です。みんなが幸せになれるように、各方面に働きかけていきたい」と力を込めます。

(取材年月:2023年12月)

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専門家プロフィール

平田えり

ステップファミリーの家庭問題を支援するカウンセラー

平田えりプロ

カウンセラー

NPO法人M-STEP

自身もステップファミリーやシングルマザー当事者であるカウンセラーが、「100日間カウンセリング」を実施。自信を持って自分の行動を選べる人になれるようサポートをします。不登校の悩みにも対応しています。

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