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企業を熟知する公認心理師の立場から企業人の悩みや理不尽なやるせなさに対し全力でサポート

企業人の悩みごとを解決していく公認心理師

吉岡富美子

企業人の悩みごとを解決していく公認心理師 吉岡富美子さん
吉岡富美子さん仕事風景

#chapter1

相談者の気持ちだけではなく、よりよい環境に変えていく道しるべを指し示す

 2017年に心理職としては、わが国最初の国家資格「公認心理師」が誕生し、複雑かつ多様化している心の健康問題に対し、大きな期待が寄せられています。
 恵比寿カウンセリングセンターの吉岡富美子さんは、この公認心理師の資格を取得し、メンタル不調や対人関係などで悩んでいる人たちをサポートしています。
 もともと吉岡さんはIT関連の新聞記者でした。仕事で「うつ」に関する特集を担当し、取材していくなかで、メンタルやカウンセリングに強い関心をもつようになったそうです。そこで一念発起し、会社を辞めてカウンセリングの勉強をするため大学院に通い、臨床心理士の資格を取得します。それから縁あって、企業の従業員のカウンセリングを中心に、心の健康に悩む人たちをサポートしてきました。
 そして、国家資格である公認心理師の資格を取得したことで、さらに多くの人たちの力になりたいと、企業との法人契約だけでなく一般の方々のカウンセリングにも注力していこうとしています。

 公認心理師となって吉岡さんは、相談者の気持ちだけではなく、よりよい環境に変えていく方策を考え、「ああ、助かった」と思えるよう、実際に解決する道しるべを指し示せるようにしていきたいと力強く語ります。そのためは、“連携”がキーワードだそうです。行政の窓口や福祉、教育など、さまざまな分野の専門家と連携しながら、悩みを抱える人たちが適切に援助を受けられるよう努めています。

#chapter2

企業風土を視野に入れ、企業人の悩みごとを全面的にバックアップ

 公認心理師としての吉岡さんの強みは、自身が企業勤めを経験し、かつ1500人規模の大企業内で臨床心理士として活動してきたことから、企業人の気持ちがよくわかることです。
 人の話を聞く記者職だった経験からでしょう。親しみやすく話しやすいのも吉岡さんの魅力といえます。人には言えないような悩みも吉岡さんになら心を開いて話すことができそうです。
 企業内のカウンセリングをしていて、吉岡さんは、ある理不尽なやるせなさを感じます。それは、「サラリーマンだからしょうがない」といった発言と終業後お酒を飲んでストレスを発散させようとする姿でした。アルコールもそこで取る食事と合わせ、生活習慣病や隠れアルコール依存症になる可能性も潜んでいます。
 この「企業人のやるせない思い」の解決が吉岡さんの最大のテーマとなりました。
 これまでの経験から、吉岡さんはサラリーマンの心の悩みは、「企業風土」が与える影響が大きいと考えています。心の健康の問題では、これまで個人の生育歴(通ってきた道)に重点が置かれてきました。しかし、「生育歴ではなく、個人の対人関係を規定するのは環境や相手からの影響が強い」と吉岡さん。
 同じような悩みでも、悩んでいる人だけをみるのでは意味がなく、その周囲の環境を見落とさないことが重要で、そうしないと真の解決策は見えてこないと吉岡さんは話します。例えば上司との関係は切り離せず、上司がどういう人かによってもがらりと環境や雰囲気は変わります。
 「サラリーマンだからしょうがない」という理不尽なやるせなさを訴える人に対しては、諦めるという方法以外に建設的な考え方になれるよう注力してカウンセリングを施しています。
 その人の思いを吉岡さんが受け止め、問題を解決できるように尽くす吉岡さん。そのため、悩みにあわせて、行政やパワハラ・セクハラ問題の専門機関を紹介したり、必要とあらば吉岡さんから職場に働きかけたりすることもあるそうです。

吉岡富美子さん相談風景

#chapter3

悩み相談ではなく問題解決に向けて、勤め人にも通いやすい日時を設定

 企業内の仕組みづくりにも携わり、企業をサポートできるスキルを培ってきたのも吉岡さんのアドバンテージです。
 2015年から企業のメンタルヘルス対策として、ストレスチェックが法制化されました。しかし、ストレスチェックはただ実施しているだけの企業が多いようです。大切なのはそこからの集団分析であると吉岡さんは指摘します。今後、企業と連携してストレスチェックからの分析、よくしていくプランの作成も手がけていきたいと考えています。社員が元気でなければ十分なパフォーマンスが出せず、企業にとってもマイナスの方向に作用してしまうかもしれません。
 「さらに全国の企業へ出張する訪問支援の活動も広げていきたいです」と吉岡さん。

 職場での悩みを抱えている人は、会社を抜け出してカウンセリングを受けるのは難しいでしょう。恵比寿カウンセリングセンターでは平日仕事をしている人が訪れやすいようにと、夜は21時まで、また土、日も受け付けています。
 悩みごとがあってもなかなか相談に訪れづらいと思っている人もいるのでは? 「キーワードはスピード、つまり“より確実に、より早く”解決していくことです」と吉岡さん。
 「悩み相談ではなく、問題解決のための手立てとしてぜひ当センターにお越しください」と優しい口調で語りました。

(取材年月:2019年3月)

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専門家プロフィール

吉岡富美子

企業人の悩みごとを解決していく公認心理師

吉岡富美子プロ

公認心理師

恵比寿カウンセリングセンター

自身が企業勤めを経験し、また大企業内で臨床心理士として活動してきたことから、個人の生い立ちよりも企業風土や環境に重点を置き、カウンセリングを施す。企業人の気持ちが理解できるのが強み。

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