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Mybestpro Interview

自分の限界を決めず広い世界に向かって歩み出せるよう、子どもたちをサポート

「当たり前」の一歩先を。療育のプロが集まる事業の運営責任者

山田広恵

山田広恵 やまだひろえ
山田広恵 やまだひろえ

#chapter1

児童発達支援と放課後等デイサービスの事業所「コアヴィレッジ」を運営

 「私どもは、『当たり前』の一歩先を行く療育を実践していきたいと思っています」。そう話すのは、「コアファイズ」代表の山田広恵さん。
 東京都内で0~6歳を対象にした児童発達支援と、6~18歳を対象にした放課後等デイサービスの事業所「コアヴィレッジ」を運営。子どもの得意、不得意を科学的に分析し、能力を伸ばすプログラムを構築しています。

 「室内に、反射神経を鍛えるゲームや脳トレなど17種類以上を内蔵した『CoCoRoMap(ココロマップ)』という大型のタッチパネルを設置しており、お子さまが楽しく遊びながら、視覚機能、社会性のトレーニングを行えます」

 他に、タブレットを使った「視覚認知バランサー」「聴覚認知バランサー」も導入。眼科医や耳鼻咽喉科医など医療の専門家の声を生かした教材で、いずれも脳の複雑な動きと関係しているため、繰り返し遊びながら見る、聞くといった困りの原因と改善に一役を担っています。
 「世界標準の知能検査『WISC-IV(ウィスク・フォー)』と相関性のある『脳バランサーキッズ』というソフトも用いて、認知機能の発達の度合いを測定。こちらは専門家によって考案された13のタスクを、小児科医、リハビリ医、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士らからなる専門家チームで検証したもの。結果はグラフや表にするので、変化の様子が分かりやすいのが特長です。弱点を探すためではなく、得意な分野を1つでも多く見つけて、ご家庭での褒め・励ましのためにも活用できます」

#chapter2

保護者が心に余裕を持てるよう「感覚・動作アセスメント」を用いてアドバイス

 「コアヴィレッジ」では、3、4人の小集団で対人関係のトレーニングをするソーシャルスキルコースと、マンツーマンでレッスンする個別サポートコースを用意。児童発達支援では、初めての環境にスムーズになじめるよう、幼稚園準備コースと小学校準備コースも展開しています。

 子どもたちと日々向き合う保護者にも目を向け、「感覚・動作アセスメント」というプログラムを提供しています。
 「例えば、お子さんについて『暑さ、寒さを判断しにくい』『力の入れ具合が分からない』など感覚の困りごとと、『イメージした通りに体を動かすことができない』といった動作の困りごとについて詳細に質問します。得た回答を多くの研究者や学校現場の協力によって得られた約1000もの統計データにもとづいて分析し、それぞれに適した具体的なアドバイスを提示することができます」

 本人のどこに、どういった偏りがあるのかを見える化してくれるので、「家庭や学校での対処に役立てることができる」と山田さん。障がいの特性を客観的に理解できると、わが子に余裕をもって接することができるようになると言います。

 空間づくりにもこだわり、施設内は洗練された落ち着きを感じるデザイン。壁一面に海外製の大きな世界地図をプリントし、「今いる環境で自分の限界を決めないでほしい」とのメッセージを込めました。

山田広恵 やまだひろえ

#chapter3

親としての目線を生かし、事業を展開

 山田さんは3人の子を持つ母で、長男がADHD、ASDの診断を受けたのが、この事業を興す背中を押しました。さまざまな放課後等デイサービスを見学する中で、保育園のような幼さのある事業所が多いことを知って驚いたそうです。

 「こんな事業所があったらいいな。こんな療育をしてほしいな。親としての目線を生かし、各専門家の意見を聞き、教材や学習の情報を集めるだけでなく、作業療法士や臨床心理士などの専門職をスタッフに迎え入れています。スタッフには保護者にも寄り添ったサービスを提供できるようにと日頃から伝えています」

 壁の世界地図は、長男に地球儀を買い与えた時に、目をキラキラさせながら世界って広いんだと希望に満ちた表情をみた体験が元に。「たとえ学校でつらい体験をしたとしても、ここに来た時に、自分がいる現在地はとても小さな場所。障がいを個性だと受け止めて、広い世界に向かって前向きに生きてほしい。私も子育てが上手くいかずたくさん悩んできたので、この教室にきた親御さまにも視覚的に未来は壮大であることを感じてほしい」と振り返ります。

 「障がいのある子たちは成功体験が少なく、自己肯定感が低い傾向があります。適切な療育を受けなければ、自傷行為や他害などの二次障害につながってしまうことも。そういった子を持つ親御さまも悩みの渦中にいることもあるでしょう。親子共に穏やかな毎日を過ごせ、そして子どもの健やかな心身を育み、助けになりたいと考えています」

 理想は学校と保護者、支援機関が連動すること。三者が協力すれば、もっと子ども、その家族の笑顔が増え、子どもの得意な部分を引き出していけると語ります。
 「今後も拠点を増やしていく予定です。お子さんのことで心配な方、利用をためらっている方はぜひ頼ってください」

(取材年月:2023年8月)

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山田広恵

「当たり前」の一歩先を。療育のプロが集まる事業の運営責任者

山田広恵プロ

児童発達支援、放課後等デイサービス

コアファイズ株式会社

児童発達支援・放課後等デイサービス施設「コアヴィレッジ」を運営。子どもの得意、不得意を科学的に分析して能力の伸長を目指し、不得意の改善や自立支援だけでなく「当たり前」の一歩先のサービスを提供する。

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