【システム開発・アプリ開発】生成AIで超時短!業務フローの考え方から作成方法までを解説【業務フローの把握】

上村公彦

上村公彦

テーマ:生成AI

【システム開発・アプリ開発】生成AIを活用するために知っておくべきこととは?【前提編】という投稿でご紹介した、発注者目線によるシステムやアプリ開発のプロセスで、生成AIを有効活用する方法を探っていく。今回のテーマはこちらです。
システム開発プロセスのステップ1「現状分析と課題整理」1-1 業務フローの把握をテーマにします。そしてサブテーマは『ChatGPTで新規事業の業務フローを作成する』です。

現状分析とそこからの業務フローの把握というのは、実はもう既に過去の投稿で取り上げています。そこで今回は少し視点を変えて、「新規事業」の業務フローに焦点を当てることにしました。

新規事業の業務フローを考える際、一から全て考えようとしていませんか?そんな時は『TTP』が役立ちます。また、TTPする際にChatGPTを活用することでより効率的に行うことができます。

本投稿では、TTPとはなにか、TTPを活用してChatGPTで新規事業の業務フローを作成する方法を解説しております。
ぜひ本投稿を参考に、業務フローを作成してみてください!


※このコラムの内容は動画で公開しています。Youtube版はこちらをご覧ください。

TTPとは?

TTPとは?
もう既にご存知の方も多いかと思います。

T:Tettei(徹底)
T:Tekini(的に)
P:Pakuru(パクる)


徹底的にパクるというものです。何か新しい事業などを始める時に、競合他社の研究を積み重ねて、自社のものにする発想法です。実際これをしなければ、全てゼロから自分で考えてというのは相当知恵と時間を要するので、他社のモデルを参考にするというのはいい考え方だと思います。

例えば自社に商品があって、「この商品のサブスクは世の中にない」と言ったところで、Netflixに代表されるようなデジタルコンテンツのサブスクは既に世の中にたくさんあるので、それらを徹底的にパクらない手はありません!

ゼロから作って失敗するよりは他社を十分に研究してビジネスを始めた方が成功に近づくということは間違いないと思います。

TTPしなかった?失敗事例

TTPしなかった?失敗事例
TTPしなかった失敗事例なのですが、これは私の体験談です。

ある眼鏡メーカーがコンタクトレンズのサブスクを始めました。サブスクと言えばいいのか、定期購入なのですが、まずそれは最初送料だけを払ってお試しで1週間分コンタクトを使える、そしてそのままにしておくと、翌月以降継続して毎月コンタクトが送られてくる、そんなビジネスモデルでした。
サブスクイメージ
残念ながら自分にはフィットしなかったので、「お試しだけでやめよう」という風に考えていましたが、キャンセルを忘れてしまいました。そうすると間もなくして定期配送が始まってしまい、レンズの配送通知が送られてきました。

そこで「あ、しまった!忘れた!」という風に思ったのですが、「待てよ、なんで忘れたんだろう?」と考えた時に、「そうだ!」と気付きました。多くの定期配送のサービス・サブスクリプションなどは、次の期間に入る前にサービスの提供業者から何かしらの通知が来ます。その通知があって、ユーザーは思い出して、そのまま継続をしようという人であれば放っておくでしょうし、次でやめようと思ってた人にとってはそれがいいきっかけとなって、配信停止をすることができるわけです。

ただ、このコンタクトの場合、「次の期間が始まる」という通知が来ませんでした。言ってしまえば、事業者側にとってみればキャンセルは防ぎたいのでそんな通知しなくてもいいとは思うのですが、今時のこのようなサブスクリプションサービスではユーザー体験を大切にしているので、親切にユーザーが忘れないようにお知らせを事前にくれる方が正解だと思います。その方がユーザーにとっても親切であり、結果的にサービス提供業者に対する信頼度も高まる・ユーザーの満足度が上がるという風に繋がると考えます。

しかし、このコンタクトレンズのケースではそれがなかった。察するに、通常のサブスクサービスを徹底的に研究していなかったのではないかという風に思います。

最終的にはキャンセルをしたいという旨をカスタマーセンターに連絡したところ、しっかりとキャンセルすることができ、代金も帰ってくるということになりましたが、カスタマーサービスに連絡をしてからこちら側に返事が来るまでも1週間近くかかりました。

さらには商品を返送して、翌日にはもう届いたということが分かっていたのですが、「届きました」という連絡もありませんでした。なのでこちら側から1 週間後にカスタマーセンターに対し、「商品が届きましたか?」という連絡をしたら、それからまた数日経ってようやく「商品が届きました」というような確認メールが届きました。

そこの部分も徹底的にパクっていないというところだと思います。具体的には、商品が返品・返送された場合に、その商品が届いたとするならば、届いてすぐに「商品は到着しましたので、これから返品手続きに入ります」というようなメールが自動的に送られてくるなど、ユーザーも追跡番号などで商品が届いたかどうかは分かるので、届いた旨の確認の連絡はあって然るべきだと考えています。それがないとなると、やはりユーザー体験としては悪いものになってしまいます。なのでここも他社のサービスは真似て然るべきというところだと思うわけです。

もし新たな事業を始めるような場合、世の中に似たようなビジネスがあるのであれば、それを実際に体験してみるというのが最も早いと思います。ただ体験したところで、例えばECサイトであれば、購入をする、そしてものが届くといったところは分かるにしても、その裏側はどうなっているのかは正確には分からない、想像の範囲でしかないというのも事実です。

そんな時に!多くの知恵を持っている”この人”が役に立ってくれます!

ChatGPTで新規事業の業務フローを作成

ChatGPTで新規事業の業務フローを作成
自分で一生懸命他社のモデルを徹底的にパクるのもいいのですが、そこはChatGPTの力を使って徹底的にパクるということを試してみましょう!

以前の【システム開発・アプリ開発】ChatGPTでオズボーンのチェックリスト/アナロジー思考法/PMI法【アイデア出し編】という投稿の中で出てきたアイデアはメガネのサブスクというものだったのですが、そのアイデアが面白かったなと思い、以下の依頼をしてみました。

「新しい事業として、メガネのサブスクリプションサービスを開始します。オイシックス(※1)のサブスクを参考にして、業務フローを考えてください。」
(※1 Oisix(オイシックス)は、選りすぐりの食材やミールキット・惣菜など、毎週1500商品以上を販売する会員制の宅配サービスです。)

ということでChatGPTに依頼をしてみます。

<ChatGPTとの応答>

上村「新しい事業として、メガネのサブスクリプションサービスを開始します。オイシックスのサブスクを参考にして、業務フローを考えてください。」
ChatGPT「メガネのサブスクリプションサービスを設計するにあたり、オイシックスのサブスクモデルを参考に、以下のような業務フローを提案します。このフローは、顧客体験を最適化し、効率的な運営を実現することを目指します。

業務フロー

1.顧客登録

  • オンライン登録

顧客はウェブサイトやアプリで会員登録を行い、視力データや好み(デザイン、いろ、サイズなど)を入力します。

  • お試しプラン

初めての利用者向けに、1ヶ月間の無料トライアルを提供します。オイシックスの「お試しセット」を参考に、気軽にサービスを体験できる仕組みを作ります。

2.フレームとレンズの選択

  • カスタマイズオプション

顧客の好みや視力データに基づき、AIが最適なメガネを提案します。

  • サンプル試着

自宅で試着できるサンプルフレームを3〜5種類送付するオプションを用意します(返送用ラベル付き)。

  • バーチャル試着

オイシックスのカタログ的な仕組みを応用し、アプリでメガネのバーチャル試着を可能にします。

3.定期配送の設定

  • 配送スケジュール

顧客は、定期的な配送間隔(例:1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)を選択します。

  • レンズ交換サービス

視力変化に対応するため、希望する顧客には定期的に視力検査用キットや新しいレンズを配送します。

4.在庫管理と商品準備

  • 在庫管理システム

人気フレームや季節限定デザインを適切に管理し、顧客の注文に対応します。

  • パーソナライズされた梱包

顧客の名前やメッセージを添えた梱包で、顧客満足度を向上させます。

5.配送とフォローアップ

  • 配送管理

オイシックスのように、スムーズな配送スケジュールを維持します。配送状況をリアルタイムでトラッキング可能にします。

  • フォローアップメール

配送後、使い心地やフィードバックを尋ねるメールを送付します。

6.交換・返品対応

  • 簡単な交換プロセス

不満足な商品は無料で交換または返品できる仕組みを整えます(オイシックスの「返品保証」を参考)。

  • リユースフロー

返品されたフレームをクリーニングして再利用するエコフレンドリーな仕組みを採用します。

7.追加サービス

  • スタイリングアドバイス

定期的にスタイリストが選んだフレームの提案を提供。

  • アクセサリー販売

メガネケースやクリーニング用品などの関連商品も提供します。

8.会員特典

  • ポイントシステム

購入や継続利用でポイントを貯め、割引や特典と交換可能にします。

  • コミュニティ形成

メガネユーザー向けのオンラインイベントや情報提供で、ブランドロイヤルティを高めます。

このフローは、オイシックスの「顧客の好みに応じた商品提供」や「継続的なフォローアップ」の強みを取り入れ、メガネサブスクサービスに最適化したものです。必要に応じてさらにカスタマイズできますので、ご要望があればお知らせください。」

やはりサブスクにありがちなお試しプランというものが必要だということですね。
サンプル試着もいいですよね!サンプルのフレームが送られてきて、自宅で試せる。返送用ラベルや返送用封筒がついてくるのはとても親切だと思います。
パーソナライズされた梱包というのは、名前やメッセージぐらいかもしれませんが、意外に嬉しいですよね。
配送状況をリアルタイムでトラッキング可能というのも、安心感に繋がります。
交換・返品対応に関しては、ユーザー体験としてとても重要なところだと思います。

実際、この内容をゼロから自分で考えようとしたら、こんな短時間でスラスラとは出て来ません。このようにChatGPTの回答から取捨選択をすることで、圧倒的に時間の短縮につながります。


「必要に応じてさらにカスタマイズできますので、ご要望があればお知らせください。」とあるので、以下のように聞いてみました。

<ChatGPTとの応答>

上村「メガネユーザー向けのコミュニティ形成とはどんなものでしょう?具体的に教えてください。」
ChatGPT「メガネユーザー向けのコミュニティ形成は、メガネのサブスクリプションサービスの付加価値を高めるための重要な要素です。以下に具体的なアイデアを示します。

1.オンラインプラットフォームの構築
目的
・メガネユーザー同士が交流し、情報を共有できる場を提供。
・ブランドロイヤリティを高める。
具体例
・専用SNSグループ:Facebookグループや専用アプリで、メンバー限定の交流スペースを提供。
・フォーラム機能:メガネのスタイリングやお手入れ方法、視力に関する質問を投稿・回答できる場。
・レビュー機能:ユーザーが利用中のフレームやレンズの使用感を共有。

2.定期的なイベント開催
目的

  • メガネに関連する楽しさや価値を体験してもらう。

具体例

  • オンラインセミナー:スタイリングのプロや視力矯正の専門家を招いた講座。
  • ユーザー座談会:人気のフレームや機能に関するディスカッション。
  • リアルイベント:都市部で開催する試着会や交流会。


3.ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用
目的

  • 顧客の満足度を高めながら、ブランドの認知を広げる。

具体例

  • フォトコンテスト:「お気に入りのメガネコーデ」を投稿し、優秀者には賞品を提供。
  • 口コミキャンペーン:SNSでのレビュー投稿でポイントやクーポンを配布。


4.会員限定の情報提供
目的

  • メガネや視力に関する知識を深めてもらう。

具体例

  • メールマガジン:新商品の紹介やメガネのお手入れ方法を配信。
  • スタイリングガイド:顔型や髪型に合わせたメガネ選びのコツを提供。
  • トレンド情報:シーズンごとのメガネファッショントレンドを受信。


5.パーソナライズされた特典
目的

  • ユーザーの体験価値を高める。

具体例

  • バースデープレゼント:誕生日にクリーニングキットや割引クーポンをプレゼント。
  • メンバーランク制度:購入や活動量に応じて特典が増える仕組み。
  • リサーチ参加特典:アンケート回答者に限定フレームの試用権を付与。


6.ブランドを超えた提携活動
目的

  • コミュニティの幅を広げ、顧客基盤を拡大。

具体例

  • 他ブランドとのコラボ:アパレルや美容ブランドと連携し、セット商品やイベントを企画。
  • 地域貢献活動:視力矯正が必要な地域への寄付キャンペーンを通じて、ユーザーが社会貢献に参加できる仕組み。


実現のポイント

  1. 簡単で参加しやすい仕組み:SNSやアプリ内でアクセス可能に。
  2. インセンティブ設計:参加することで得られる明確なメリットを用意。
  3. 継続的な新しい企画:定期的なイベントやコンテンツで飽きさせない。」

重要なのはブランドのロイヤリティを高めるというところかと思います。
手入れ方法などは周知のことかと思うので、楽しいのはこのスタイリングでしょうね。
他のブランドとのコラボ、地域貢献活動などもできるといいですね。

今回業務フローの作成がテーマでしたが、さらに一歩踏み込んで、もっとここからアイデアを広げていくということもできるでしょうし、不明な点をさらにChatGPTに聞いてみるというのもいいことかと思います。

まとめ

業務フローを把握するということで、既存の業務フローの把握に関しては過去の投稿で取り上げているので、今回は新規事業における業務フローを把握する、すなわち新規事業における業務フローの作成ということをサブテーマに説明をしました。

まず新規事業を行うにあたっては、他社を徹底的に研究しようということでTTPとは何か、そして実際に私が体験したTTPをしなかったために失敗したのではないかという例のお話、最後にChatGPTを使って他社の業務フローの真似をして、自社の新しい業務フローを作成するということを試してみました。

実際、他社を分析して自社のものに置き換える時に、非常に時間がかかるものです。ただ今回のようにChatGPTに聞くだけで、こんなに簡単に他社の分析に近いものができて、そしてそれを自社に置き換えることによって、自社の業務フローを簡単に作成できるということが分かりました。

是非皆さんもChatGPTを有効活用して、自社のビジネスに役立てていただければと思います!

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

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