DXでシューズのビジネスモデルを変革する
「DXエンジニアってどんな職業なんだろう？」という疑問を持っている方はいませんか？DXエンジニアは、DXに対応するスキルを扱うITエンジニアです。DXを推進しようとする企業にとっては非常に重要なポジションとなります。
本投稿では、DXエンジニアの仕事内容、必要なスキル・資格を解説します。これからDXエンジニアを目指す方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
DXエンジニアとは？
DXエンジニアとは、その名前の通りDX（デジタルトランスフォーメーション）に対応するスキルを取り扱うITエンジニアのことです。エンジニアと一言でいっても範囲がものすごく広いため、DXに特化した人材をDXエンジニアと呼んでいます。
DXエンジニアはプログラミングやシステム開発のスキルが必要であるほか、最先端のテクノロジーを扱うための知見が求められます。また、IPA（独立行政法人情報処理推進機構）の「IT人材白書2020」では、DXエンジニアに付随する人材を以下7つの役割に分けています。
- プロダクトマネージャー
- ビジネスデザイナー
- テックリード
- データサイエンティスト
- 先端技術エンジニア
- UI/UXデザイナー
- エンジニア/プログラマ
このように、DX人材にはさまざまな分野に特化した役割があります。DXエンジニアは単一の職業ではないため、得意分野によって手掛ける内容や推進するプロジェクトが異なります。
DXエンジニアの仕事内容
DXエンジニアには複数の役割が存在するため、仕事内容を限定することは難しいです。ただ、一貫していえるのはDXに関連するシステムを扱うということです。
例えば、アプリ・プラットフォームの開発、AI・データ分析、レガシーシステムの刷新などがあげられます。また、先ほど紹介した「IT人材白書2020」によると、DXを推進しようとする企業は、以下の機能を持った専門部署を設けることが多いです。
- DXに関する全社戦略の立案
- DXに関する戦略や目標の社内関連部署への指示
- DXに関する他社等との連携の推進
- DXに関する自社内での取り組みの実施
- DXに関する社内関連部署の支援・サポート
これらのことから、DXエンジニアの仕事内容はシステム開発・分析だけでなく、全社戦略の立案や他社との連携など、プロジェクトの大役を担っていることがわかります。
また、DXエンジニアの仕事内容は多岐にわたるため、単一の知見に特化しているだけでは不十分であり、複数の知識・能力を有する人材が求められる傾向にあります。
DXエンジニアに必要なスキル
ここまで、DXエンジニアの仕事内容を解説しました。続いて、DXエンジニアに必要なスキルを3つに分けて解説していきます。以下3つのスキルを有していれば、現場でのプロジェクトを円滑に進められるはずです。
物事を瞬時に把握する能力
DXエンジニアには物事を瞬時に把握する能力が必要になります。DXによるビジネスモデルの変革は企業全体に関わる重要なプロジェクトであるため、経営戦略やビジネスの根幹を理解して進めなければなりません。
デジタル技術を既存ビジネスに当てはめて進めるDXプロジェクトは、新しいことの連続であり、瞬時に理解すべき項目が多々存在します。そのため、DXエンジニアにはシステムを実装するための技術力だけでなく、物事を瞬時に理解する能力が求められます。
臨機応変・柔軟な対応力
DXエンジニアには臨機応変・柔軟な対応力が必要です。DXという複雑かつ大規模なプロジェクトは、計画書どおりに実行すれば良いわけではないためです。
DXを推進する企業にとってのDXプロジェクトは初めての挑戦でもあることから、予想外の出来事やトラブルが当然のように起こります。そこで発揮されるのが柔軟な対応力であり、状況の変化に合わせて取り組む姿勢が重要となります。
固執した考えでは新しい分野に適応できず、いつまで経ってもDXプロジェクトは完遂できないため、DXプロジェクトを引っ張るDXエンジニアには臨機応変・柔軟な対応力が求められるのです。
モチベーションを維持する能力
DXエンジニアに必要なスキル3つ目としては、モチベーションを維持する能力があげられます。企業のDX推進は高難易度かつ、長期間続く大規模なプロジェクトであるためです。
長期間続くDXプロジェクトを常にハイパフォーマンスで取り組み続けるためには、高いモチベーションを維持する能力や主体的に動く好奇心が必要です。最新システムを活用できる技術力だけでは、DXエンジニアとしての役割は務まらないため注意しましょう。
DXエンジニアに必要な資格
DXエンジニアには必須となる資格はありません。しかし、DXエンジニアは複数のスキルや専門的な知見が求められるため、付随する資格を持っておくことで業務を円滑に進めやすくなります。
また、DXエンジニアとしての能力の証明にもつながるため、以下3つの資格を取得しておいても損はありません。それぞれの資格について1つずつ解説していきます。
AWS認定資格
AWS認定資格とは、AWS（アマゾン ウェブ サービス）に関する知識やスキルを証明する認定資格のことです。認定資格の種類は豊富で、難易度別に資格が区分されています。
- 基礎レベルの認定：6ヶ月の基礎的なAWSクラウドと業界知識
- アソシエイトレベルの認定：1年間のAWSクラウドを使用した問題解決と解決策の実施における経験
- プロフェッショナル認定：2年間のAWSクラウドを使用したソリューションの設計、運用、およびトラブルシューティングに関する包括的な経験
- 専門知識認定：試験ガイドで指定された専門知識分野に関する技術的なAWSクラウドでの経験
AWSはDX推進に必要となる、データベースの活用、機械学習、AI、IoT、クラウドなど、さまざまなテクノロジーを扱える機能性の高いツールです。AWSの技術力を証明できるAWS認定資格を取得しておくことで、技術力の証明だけでなく現場で活かせる実践的なスキルが身につくでしょう。
認定スクラムマスター
認定スクラムマスターは、スクラムマスターとして活躍するための知識や技術を証明する認定資格です。そもそもスクラムマスターとは、アジャイル開発手法の1つである「スクラム」の理解と実践を推進し、プロジェクトをスムーズに進める責任者のことを指します。
認定スクラムマスターを取得しておけば、チームメンバーから信頼感・安心感を得られるため、プロジェクトをより円滑に進めやすくなります。また、スクラム開発はDXを推進する上では重要となるため、DXエンジニアが認定スクラムマスターを取得しておいても損はありません。
Python3エンジニア認定試験
Python3エンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している認定資格です。Pythonとは機械学習などを実装するプログラミング言語のことであり、認定試験ではPythonに関する能力を証明できます。
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
なお、Pythonの理解度によって2つの試験に分かれています。データ分析試験は統計の知識が必要となるため、データ分析の理解を深めてから受講することをおすすめします。
DXエンジニアの年収
ここまで、DXエンジニアに必要な資格を解説しました。最後にDXエンジニアの年収について解説します。
DXエンジニアの年収は「IT人材白書2020」に記載されており、「先端IT従事者」と「先端IT非従事者」に分けて年収の目安を確認できます。それぞれの言葉の意味は下記のとおりです。
- 先端IT従事者：先端IT分野の知識やスキルが求められる業務を担当している人材
- 先端IT非従事者：それ以外の人材
先端IT従事者のほうが年収が高い傾向にあり、年収1000万円以上の割合は19.2%と全体の割合でみてもかなり高いです。また、多くの方が年収600万円を超えていることから、先端IT従事者は高年収であることがわかります。
一方、先端IT非従事者は年収1000万円以上の割合が9.0%と低く、年収300〜600万円が大多数を占めています。一概に先端IT非従事者は年収が低いとはいえませんが、先端IT従事者に比べるとあまり高くない傾向があります。
なお、「IT人材白書2020」では先端IT従事者・先端IT非従事者というように区分されていますが、実際に取り組む業務内容は担当する企業によってさまざまです。そのため、DXエンジニアの年収を明確に表すことはできません。また、経験年数やスキルレベル、役職の有無によってもDXエンジニアの年収は大きく異なります。
DXエンジニアの将来性
「DXエンジニアの将来性はどうなの？」と、気になる方もいるでしょう。企業のDX推進は日本だけでなく、世界各国で大きな課題となっています。DXエンジニアを必要とする企業は年々増加傾向にあり、DXエンジニアの需要は高まり続けています。
また、「2025年の崖」という日本全体で取り組むべき問題があることから、DXエンジニアは今度さらに注目される存在だといえます。そのため、DX推進に必要となるAI、クラウド、IoTなど、最新のテクノロジーを取り扱うDXエンジニアは将来性があると予想できます。
まとめ
今回は、DXエンジニアの仕事内容、必要なスキル・資格を解説しました。
DXエンジニアはDXに対応するスキルを取り扱うITエンジニアであり、企業のDXを推進する上では非常に重要な役割を持ちます。DXエンジニアになるための必須資格はありませんが、スキルや知見を高めるためにも資格を取得する意味は十分あります。
DXエンジニアに興味が湧いた方は、ぜひ本投稿を参考にして必要な知識・スキルを理解してみてください。なお、DX人材の転職を成功させるコツなどは「DX人材の転職を有利に進める方法とは？求められるスキル・需要の高い業種を解説」で紹介しています。これから転職活動をする予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
