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DX(デジタルトランスフォーメーション)の元祖ともいわれるAmazonのDXをご存知ですか?Amazonは2000年11月に開設されたショッピングサイトであり、数億もの商品をインターネットを介して販売しています。ショッピングサイトで有名なAmazonですが、実はDXによってさまざまサービスを提供しているのです。
そこで今回は、AmazonのDXについて、DXによって生み出したサービスを解説します。最後までご覧になることで、AmazonにおけるDXを詳しく理解できた上で、自社のDX推進に役立てることができるでしょう。
Amazonという企業
Amazonは2000年11月に開設されたショッピングサイトです。米国ワシントン州シアトル市を本拠地とする「Fortune 500企業」の1つであり、「Amazon.com, Inc.(NASDAQ: AMZN)」の関連会社が運営しています。ちなみに「Fortune 500企業」は、総収入に基づき発表される全米上位500社のリストを指します。
もともとAmazonは本や雑誌といった書籍のみを販売していましたが、現在では電子機器や食用品、ベビー用品などの多数ジャンルを取り扱っています。社名の「Amazon(アマゾン)」は世界最大の流域面積を誇るアマゾン川が由来であり、「アマゾン川のように広大なシェアを得られるように」という思いで名付けられました。
Amazonのサービス内容
Amazonでは書籍やDVD、家電製品など、数億もの商品をインターネットを介して販売しています。ウェブサイトや専用アプリで商品を購入すれば、最短当日から1週間ほどで自宅に商品が届きます。また、商品が届く日にちや時間を指定できる「お届け日時指定便」という便利なサービスもあります。
ショッピングサイトで有名なAmazonですが、実はそのほか多数のサービスを展開しています。例えば、動画配信サービスの「Amazonプライム」や、クラウド・プラットフォームの「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」などがあげられます。
Amazonの販売戦略
Amazonの販売戦略で有名なものとしては「ロングテール戦略」があげられます。ロングテール戦略とは、少数の人気商品を全面に押し出すのではなく、不人気な商品の販売量を積み重ねて全体の売上を確保する戦略のことです。
インターネットを使ったショッピングサイトが普及する前は、一部の人気商品に注力して売上を立てるのが一般的でした。この戦略は上位20%ほどの人気商品で全体の売上の80%を確保する「パレートの法則」とも呼ばれています。
しかし、インターネットの登場により、パレートの法則とは真逆のロングテール戦略が主流になりました。このロングテール戦略を効果的に実現した会社がAmazonであり、ほかのショッピングサイトとの差を大幅に広げました。
AmazonにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)
Amazonという企業は大まかに理解できたでしょうか?続いて、AmazonにおけるDXを解説していきます。
Amazonは企業理念として「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」「地球上で最も豊富な品揃え」の2つを掲げています。この2つの企業理念をもとに、Amazonはさまざまな顧客体験の構築を目指しました。
そんなAmazonは書籍販売という昔ながらのビジネスモデルにインターネットを取り入れ、まったく新しい商品販売を構築しました。また、Amazonは単純に販売形式を一新しただけでなく、利用者に最適な商品をおすすめする「レコメンド機能」や、商品購入を最短で行える「ワンクリックボタンの設置」などを実施しています。
特に高度なレコメンド機能を実現したことで、実店舗で行う専門スタッフの接客と同等のサービスがインターネット上でも可能になりました。自動で最適商品を提案してくれるAmazonのレコメンド機能は、いままでにない新しい顧客体験を生み出したのです。
AmazonがDXによって生み出したサービス
AmazonにおけるDXを解説しましたが、DXによって生み出したサービスはそれだけではありません。AmazonはDXを推進することで、下記のように画期的なサービスを次々と生み出しています。DXによって生み出したサービスを1つずつみていきましょう。
Amazon Prime Now
「Amazon Prime Now」は、Amazonと食品スーパーが連携し、実店舗で取り扱っている野菜や果物、精肉などを配送するサービスです。日本では全国展開している「ライフ」と提携しており、店内で調理された惣菜やパンなど数千もの商品を最短2時間で自宅に配達します。
「Amazon Prime Now」の専用アプリも開発されており、アプリを介して商品の選択・注文を行います。なお、本サービスは東京都と大阪府の一部エリアに対応しています。
Amazon go
Amazonは無人コンビニ「Amazon go」の1号店を、2018年1月にシアトルでオープンしました。正確には完全に無人のコンビニではなく、たくさんの従業員が働いています。
ではなぜ、「Amazon go」は無人コンビニと呼ばれているのでしょうか?それは、ショッピングカートと会計用のレジが設置されていないためです。
「Amazon go」に入店する際にはAmazonのアカウントを所持しており、同時に専用アプリをダウンロードする必要があります。そしてQRコードをスマートフォンに表示させ、それをゲートで読み取らせることで入店できます。
店舗内では棚に並べてある商品をショッピングバックに入れ、そのままゲートでQRコードを読み込ませて会計を済ませます。「Amazon go」は通常のコンビニとは異なり、レジで会計をせずにQRコードの読み取りのみで決済が完了します。
これまで、Amazonは自社でいくつものAI機能を発表してきました。この「Amazon go」ではそれらAI技術をリアル店舗に集め、誰でも利用できるカタチへと昇華させたのです。
それにより「Amazon go」では、いままでのリアル店舗にはない数々のメリットを生み出しました。例えば、決済の手間削減による行列の緩和、会計の自動化による人件費の削減などがあげられます。
一方、セキュリティ問題や雇用機会の減少などのデメリットも考えられますが、革新的な無人コンビニは小売業界の常識すら変える可能性を秘めています。このように、AmazonはDXと実店舗の掛け合わせにより、いままでにない購入体験を実現しました。
フルフィメント by Amazon(FBA)
「フルフィメント by Amazon (FBA)」は、Amazonを使って商品を販売する個人・事業者向けのサービスです。出品者のビジネス拡大や購入者への販売を支援してくれます。
この「FBA」では商品の保管やピッキング、梱包、発送、カスタマーサービスまでAmazonに代用してもらえます。手間のかかる業務をAmazonに代用してもらえるため、商品を販売する事業者は時間の有効活用が可能です。
また、「FBA」を利用することで、Amazonの倉庫で24時間365日の保管・発送が可能になる上、販売する商品がAmazonプライムの対象になります。Amazonを利用する購入者の多くはAmazonプライム対象の商品を探しているため、他社と差別化を図れて販売数の増加につながるでしょう。
なお、月額の基本料金は4,900円(税抜)+販売手数料です。販売手数料は注文商品のピッキングや配送時に発生する「配送代行手数料」、商品をAmazonの保管スペースに保管・管理する際に発生する「在庫保管手数料」の2つで主に構成されています。
「FBA」を利用する際にはいくつかの手数料がかかるものの、ビジネスの幅を大きく飛躍させることが可能です。商品販売に注力したい方は、ぜひ一度「FBA」をご検討ください。
Amazonがこれから目指すDX
ここまでに解説したように、AmazonはDXによっていくつものサービスを実現しています。「AmazonこそがDXの元祖」といわれるほど、Amazonは各業界に対してイノベーションを起こしています。
しかし、Amazonは現状に満足せずさらなるDX推進を計画しています。無人コンビニ「Amazon go」の店舗拡大や「FBA」の利用者増加、「Amazonプライム」の会員数増加など、さまざまなサービス規模の拡大が実施されています。
また、Amazonの創業者である「ジェフ・ベゾス」氏は2021年第3四半期に退任することを明らかにしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、さらなる企業成長が予想されています。この先もAmazonのDX推進から目を離せません。
まとめ
本投稿では、AmazonのDXについて、DXによって生み出されたサービスを解説しました。
Amazonは2000年11月に開設されたショッピングサイトであり、当時は本や雑誌のみを取り扱っていましたが、いまでは多数ジャンルの商品を販売しています。また、Amazonは昔ながらのショッピングサイトとインターネットを掛け合わせたことで、さまざまな画期的サービスを世界中に生み出しました。
本投稿で解説したAmazonのDXを参考にし、ぜひ自社のDX推進に役立ててみてください。必要であれば「AWS」や「FBA」を一度利用してみるのも良いでしょう。