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上村公彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

【ChatGPT/Mermaid活用】生成AIでDXを推進!活用例を解説

上村公彦

上村公彦

テーマ:生成AI

今回は生成AIを使って「生成AIでDXを推進!-ChatGPT/Mermaid活用-」というテーマで、具体的にどのような使い方ができるのかをご紹介したいと思います。

DXを推進すると一言で言っても、その企業が置かれている状況によって進め方は異なってきます。今回の投稿では既存の業務を分析し、そこで出た課題を解決するプロセスでの生成AI活用例をご説明したいと思います。


※このコラムの内容は動画で公開しています。Youtube版はこちらをご覧ください。

生成AIで試すこと

生成AIで試すこと
今回のポイントはこの3つです。

生成AIで試すこと

  1. ヒアリングの記事録を作成
  2. ヒアリング内容から業務フローを文章化
  3. 文章化した業務フローを図式化


実際は現場の方からヒアリングを行うことから始めますが、今回はヒアリングが終わったという前提から始めます。そのヒアリングの会話記録というものは別途用意してありますので、ぜひダウンロードして、お手元に置いてご覧ください。→議事録メモのダウンロードはこちら

議事録メモには、現場のヒアリングでよくあることをまとめてみました。

現場のヒアリングあるある

情報整理

  • 体系立てて説明してもらえない
  • 話がそれる
  • 密度の濃い話と薄い話が混在する
  • 言い忘れており、後から追加される話に限って重要なことが多い
  • 改善したいことがあっても、内容が抽象的すぎる


問題解決

  • 現場が問題点を把握していても、他部署との調整が必要であったり、そもそも会社の方針であったりすることから、自分たちだけで解決できない
  • 問題の原因が特定できていない
  • 過去の経緯や現状維持を優先し、変化に抵抗がある


意識・認識

  • ヒアリングを受けることに慣れていない
  • 自分たちの業務を客観的に見ることが困難
  • 本音を言いにくい雰囲気がある
  • 責任の所在を明確にしたがらない


その他

  • 担当者によって言うことが異なる
  • 資料やデータが整理されていない
  • 出席者が現場の状況を理解していない(詳細に疎い管理職など)

ではそんな前提で、どのようなヒアリングが行われたのかという仮想のお話をまとめたものがこちらの内容です。

大谷:本日、お集まり頂きましたのは、皆様もご承知おきかと思いますが、社長から当社もDXを推進するという方針が発表され、手始めに納期短縮による競争力の強化。具体的には平均3日の納期を24時間以内にするというものです。この目標を実現するために、まずは現状を分析したく、業務に関わる皆様にお集まりいただきました。

まず私はシステム企画部長の大谷です。ITベンダーで10年間SEをしており、1か月前に入社したばかりですので、当社の業務について勉強している最中ですので、色々と教えて頂ければと思います。
では、まず鈴木さんから改めて本プロジェクトの背景などを含めて説明頂けますでしょうか。

鈴木:おはようございます。改めて、本プロジェクトの背景、狙いなどをお話しさせて頂きます。

ご存知の通り、当社、株式会社ドジャーウィンはインテリア雑貨専門メーカーです。先代社長が30年前に創業し、1年ほど前に、先代のご子息が社長に就任しました。

現社長から、DXの推進号令がかかっていましたが、正直なところ、私をはじめ経営企画部はITに疎いこともあり、いったいどこをどう変えればよいのかが分かりませんでした。そうこうしているうちに、半年が経過し、現在の人員で進められないならITの専門家を採用し、テコ入れを図れという号令がかかり、大谷さんに来て頂いたわけです。

言うまでもなく、当社は商品の品質には絶対的な自信があり、これまで品質で勝負してきました。しかし、昨今、品質のみならず、納期の短縮を多くの顧客から求められるようになり、品質が悪くても納期が早い他社に一部シェアを奪われる状況となっています。
これは、無視できない規模になってきており、販売機会損失を防ぐためにも受注から発送までの時間を短縮することをDXの優先課題としています。

従来通りの仕事のやり方、個別の業務改善では、目標とされる納期短縮は実現できない大変厳しい課題です。しかし、それをDXによって皆さんの負担軽減と同時に達成したいと考えていますので、ご協力のほどお願いします。

まずは、本プロジェクトのメンバーをご紹介させて頂きます。
私が、マネージャーを務めさせて頂きます。
大谷さんには、プロジェクトリーダーをお願いしています。
販売管理部から、松井さん、上原さんの2名、営業部からは山本課長にご参加頂いています。また、他の部署のメンバーも適宜参加頂くことになります。

大谷:ありがとうございます。では早速現状の業務について、お話し伺いたいのですが、まず業務マニュアル、あるいはそれに相当するものはありますか?

松井:いえ、特にありません。
上原:私の仕事については、自分のメモがあるくらいです。

大谷:分かりました。では、業務の流れについて教えてください。

松井:実際に使っている書類なんかを持ってきたのですけど、まず営業さんが、受注したらこの受注伝票を持ってきて、私たちがまずエクセルに打ち込みます。
あるいは、ECサイトからの受注や、FAXで受注する場合もあります。

受注内容を販売管理部の事務担当のみんなが、エクセルに打ち込んでから、その商品の在庫を倉庫に確認します。倉庫は3箇所あるので、そこに、それぞれ発送指示を出します

もし、その商品の中に、名入れの指定があれば、その指示もするのですけど、はしごだかとか、わたなべとか、間違いやすい漢字のお名前の場合、注意するように書き込みをします。

上原:名入れ商品は返品できないので、こちらは絶対間違ってはいけません。

松井:先日も、はまだという字を間違ってしまい、お客様からのクレームがあったばかりで、結構、名入れの間違いはあるんですよね。

上原:そうそう。結局、こっちがお客様に謝らないといけないから、大変なんです。
ちょっと、確認すれば分かることなのに、あっちは、忙しくて手が回らないというんだけど、こっちだって忙しいのに

松井:そうです。2人で確認すれば間違いはなくなると思います。

大谷:そうなんですね、名入れは間違いが多いと。実際、どれくらいの頻度で間違いが起こるのですか?

松井:月に、1度は起こります。
上原:もうちょっとありません? 月に、2回くらいの感じじゃないですか?

大谷:分かりました。話を戻しまして、受注したら受注伝票をエクセルに打ち込むということでしたが、それはどうしてですか?

松井:エクセルに商品の在庫が入っているんですね。受注数を入力すると、在庫があるかどうか分かります。
ですけど、エクセル上は在庫があるはずなのに、たまに倉庫の方は在庫切れになっていることがあるので、そのために毎回、倉庫にあるかどうかを確認しています。

大谷:在庫数が倉庫と合わなくなる原因はなんですか?

松井:たまになんですけど私たちが入力ミスをしてしまったり、倉庫が棚卸の時に数え間違ったりですね。

上原:それと、営業部門は交代制で休日をとりながら、土日も受注をしているのですが、販売管理部は土日はお休みなんですね。基本的には土日の受注は月曜日に処理することになっているものの、急ぎの時、営業担当者が倉庫に直接指示を出してしまって、それを言ってくれればいいのですが、忘れてしまって言ってくれない時に、二重で処理してしまうことがあったりします。

山本:重要なお得意先からすると、そのように柔軟に対応してくれるからこそ、当社にご依頼頂いているということもあります。土日の運用ルールをしっかりと定めなければならないと思っています。

大谷:倉庫では、発送指示を受け取った後、どのように作業しているのでしょうか?

松井:受注を確認したら、システムに受注データを入力し、伝票が印刷されたりして商品を出荷しているようなんですけど、よくは知らないので倉庫担当の方に聞いてもらえればと思います。

大谷:分かりました。先ほど、倉庫は3か所あるとのことでしたが、どの倉庫に発送指示を出すかは、どのように判断しているのですか?

松井:商品コードの頭0~3番台は、A倉庫。5~8番台はB倉庫。それ以外はC倉庫です。

上原:ただし、3番台でも配送先が、北海道の場合は、C倉庫です。C倉庫にない商品はA倉庫かB倉庫から、C倉庫へ移してから発送になります。

大谷:配送先が北海道の場合は、一旦C倉庫へ移すとのことですが、その理由はなぜですか?

上原:そうですね、昔からそうしていたので。前任からそのように引き継いだからですので、理由はわかりせん。

大谷:分かりました。次回までに理由を確認して頂けますか。時間になりましたので本日はここまでとします。次回日程については、改めてご連絡します。引き続きご協力をお願いします。

(→議事録メモのダウンロードはこちら

全体の流れとしては挨拶→業務の説明→次回までの課題・日程となっています。途中、実際の会話のように、あえて話しの脱線も入れています。

会議のメモから議事録を作成

会議のメモから議事録を作成
前項の議事録メモと一緒に、日時と場所、参加者の記載をしてChatGPTに送ります。

<ChatGPTとの応答>

上村「この議事録メモから議事録を作成してください。
2024/11/7 10:00〜12:00 本社01会議室で行いました。
参加者は以下の通りです。
経営企画部長 鈴木
システム企画部長 大谷
販売管理部 松井、上原
営業部 山本課長」
ChatGPT「議事録

会議日時:2024年11月7日 10:00〜12:00
場所:本社01会議室
参加者:

  • 鈴木(経営企画部長)
  • 大谷(システム企画部長)
  • 松井、上原(販売管理部)
  • 山本(営業部課長)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
議題

  1. DX推進方針の確認と納期短縮に向けた取り組み
  2. 現在の業務フローと課題の認識
  3. 在庫管理と倉庫運用に関する課題の整理

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
議事内容

1、DX推進と納期短縮の背景説明(大谷部長)

  • 会社としてDXを推進し、競争力強化を決意が発表されました。
  • 目標として、平均3日の納期を24時間以内に短縮することがあると思われます。
  • DXによって業務効率を向上させ、負担軽減を図りたいとの考え。


2、プロジェクト背景と参加メンバーの紹介(鈴木部長)

  • 株式会社ドジャーウィンは、インテリア雑貨を専門とするメーカーであり、現社長の方針でDXを推進します。
  • 納期短縮の必要性が増し、品質だけでなく迅速な納品が求められています。
  • 大谷部長がプロジェクトリーダーとして指名され、販売管理部・営業部からメンバーが参加。


3、業務フローと現状の課題

  • 業務マニュアルの不足:現在、業務マニュアルや標準化された手順書がありません。
  • 在庫確認の手間:Excelで管理している在庫数が実際の倉庫在庫と一致しないことが多く、毎回倉庫に確認が必要です。
  • 名入れ商品のミス:月に1〜2回、名入れ商品の間違いが発生しており、特に間違いやすい漢字の名前に注意が必要です。
  • 土日の受注処理:営業部は土日も受注対応しているが、販売管理部は土日休みのため、土日分は月曜日に処理されている。連絡が遅れることがある。


4、倉庫運用に関する課題

  • 倉庫指示と発送手順:受注があればシステムで伝票を印刷して出荷作業が行われるが、倉庫担当との連携が必要です。
  • 配送先に応じた倉庫振り分け:商品コードや配送先(例:北海道)により発送倉庫を変更しているが、具体的な理由が不明なルールも存在する。
  • 今後の課題:倉庫の発送指示と運用ルールの再確認が必要。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回までの確認事項

  1. 配送先が北海道の場合にC倉庫を経由する理由を確認

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回予定

  • 日程は後日連絡予定。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上。」

(※表示が乱れている部分がありますがChatGPTからの最初の応答をそのままコピペしています。再読み込みをすると整形されます。)

このような回答が返ってきました。
ここでポイントなのですが、全ての生成AIにおいて、生成AIからの回答をそのまま使うのではなく必ず見直して修正をした上で使用するという運用を心がけてください。

議事録から業務フローを作成

次に議事録メモと一緒に、業務フロー作成の依頼をChatGPTに送ります。

<ChatGPTとの応答>
上村「この議事録メモから、業務フローを作成してください。」
ChatGPT「業務フロー

1、受注の取得

  • 営業が受注を取得し、受注伝票を販売管理部に提出。
  • ECサイトやFAXからの受付もございます。


2、受注内容の入力

  • 販売管理部の担当者が受注内容をエクセルに入力し、在庫数を確認します。
  • 在庫が不足している場合は倉庫に確認してください。


3、名入れ商品の対応

  • 名前の指定がある商品については、名前の漢字などの間違った注意を記入してください。
  • 名入れ商品は返品不可のため、特に注意が必要です。


4、在庫確認

  • 倉庫3箇所(A倉庫、B倉庫、C倉庫)に在庫確認と発送指示を実施。
  • 商品コードの番号に基づいて、指示された倉庫に振り分け。


5、指示する

  • C倉庫にない商品で、北海道などの特定地域への発送の場合は、一度C倉庫に移してから発送します。
  • 倉庫はシステムで受注データを入力し、伝票を印刷して出荷準備を実施します。


6、土日の対応

  • 営業部門は土日も受付付けが、販売管理部は土日はお休みです。
  • 急ぎの場合、営業部が直接倉庫に指示を出し、月曜日に確認・処理します。


7、出荷と配送

  • 倉庫担当者が伝票に基づき商品を出荷し、配送業務を実施。


この業務フローに沿って、DX推進や納期短縮を念頭に、各工程の効率化や情報の共有方法の見直しが必要です。」

5、指示する・・・倉庫への指示ですかね?
議事録メモには体系立てての説明があるわけではなく、ただ参加者が仕事の流れを話しているという内容です。ですがChatGPTは、会話のメモからしっかりと業務フローを作成してくれています。

議事録メモと比較していただくと、どれほど正しいのか、また相違があるのかと言うことがわかるかと思います。(→議事録メモのダウンロードはこちら

もう1つ、「業務フローの中にどんな課題があるか?」という点についてChatGPTに聞いてみたいと思います。

<ChatGPTとの応答>

上村「この業務フローにはどのような問題がありますか?」
ChatGPT「この業務フローには以下のような問題点が認められます:

1、業務マニュアル不備

  • 業務マニュアルや標準化された手順書がないため、業務の属人化が進んでおり、担当者がいない場合や新しい人の教育が困難です。ミスが発生しやすく、標準化された対応が難しい状況です。


2、手動入力によるエラーの発生

  • Excelでの手動入力による在庫管理にはミスがつきもので、在庫数が正確でないことは、倉庫に毎回確認が必要です。このような作業は非効率で、システム化されていないことで情報許容性が低下しています。


3、名入れ商品の誤入力リスク

  • 特に漢字の間違いなどが原因で、商品自体が返品不可なため、顧客と広範囲関係にも悪影響を危惧しています。人以上での確認体制が整っていない点も問題です。


4、在庫情報の不具合

  • エクセルと倉庫の在庫数に不整合があり、倉庫との確認作業が必要です。また、営業部が直接倉庫に指示を出す場合があるため、在庫データが最新でない可能性がございます。これにより、二重入力誤配送のリスクが生まれています。


5、土日の受注処理に関する混乱

  • 営業部が土日も受付を受け付けておりますが、販売管理部は土日休みで、受注内容の処理が月曜日に集中しがちです。急ぎの対応を営業が直接倉庫に示すため、情報の共有がありません十分で二重対応やミスが発生する可能性が高いです。


6、配送ルールの曖昧さ

  • 商品発送先のままが北海道の場合はC倉庫を経由するなど、過去のルールが根拠不明は引き継がれているため、業務の効率化が誤解されています。、他の担当者が対応しにくい可能性がございます。


7、情報共有の不足

  • 各配置間での情報共有が十分ではなく、受注情報の確認漏れや対応漏れが発生しやすい状況です。これにより、顧客への迅速な対応が、DX推進や納期短縮の実現に向けて来たしあります。」

こんな具合に先ほどの議事録メモから業務のフローを文章化して、そのフローの中の問題点を抽出してくれました。

この業務フローをそのままコピー&ペーストして、今度はフローチャートを作ってみます。

業務フローから業務フローチャートを作成

業務フローから業務フローチャートを作成
フローチャートを作るにあたっては、Mermaidを使います。
こちらからは、先ほどの業務フローをコピー&ペーストして実行しました。

<Mermaidの応答>
no39-フロー図

こんな具合に、テキストで送った業務の流れをフローチャートに落とし込んでくれました!

なお、マーメイドAIは、ChatGPTとは別のサービスです。

まとめ

先述の通り、各生成AIから出力された内容はそのまま使うというよりは、それぞれが第0版という位置付けとして、そこから加筆や修正を行い精緻化していけば良いと考えます。

それぞれの完成度がどれくらいかという点は賛否があるかもしれませんが、それでも議事録のメモ→議事録作成→業務フロー→業務フロー図作成までがわずかな時間でできてしまうので、生産性向上は間違いありません。

ぜひ皆さんも自分たちの業務において生成AIを活用することをおすすめします!

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

上村公彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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