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DXでシューズのビジネスモデルを変革する

上村公彦

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テーマ:DX

日本経済新聞の掲載記事よりご紹介
日本経済新聞の掲載記事よりご紹介

アシックスが12月、内蔵センサーで走り方を分析する新しいシューズを発売した。
着地の衝撃や歩幅などのデータを新製品開発に生かすほか、食材の提案や医療・保険分野にも応用する。
新型コロナウイルスにより、スポーツ産業は大打撃を受けた。シューズを売るだけでは終わらないビジネスモデルへ転換する。

(引用)日本経済新聞 電子版(2020年12月23日) 「靴底からデータ、アシックス奔走」

機器などのセンサーを付ける。
これは、DXの第一歩としてよく見られることです。

もちろん、センサーを付けただけでは意味がなく、そこからどのようなデータを取得し、ビジネスに活かすのかユーザー、関係者にどのようなメリットを与えるのかが重要です。

アシックスでは、新商品の開発はもとより、他業界との提携によって新たなビジネスモデルを作り出そうとしています。

ビジネスモデルの変革

ひと昔前までは、シューズのビジネスモデルが変わることなど、誰が予測できたでしょうか?

売り切り型のビジネスモデルが当たり前であり、他業界との提携など考えられませんでした。
あるとしても、ファッションブランド、スポーツ選手、アニメなどとコラボモデルを作るくらいであり、売り切り型であることに変わりありません。

しかし、これからは取得したデータをもとに医療、生命保険、スーパーなどとの提携戦略を加速するということなのです。

医療との連携

記事によると、「歩き方の変化から病気の兆候を早期に察知」とあります。

恐らく、自身の平均的な歩行速度や、靴底にかかる荷重の変化(例えば、左右どちらかに偏り始めるなど)、ストライド長の変化などから、異常(の可能性がある)を察知することができるのではないかと思われます。

生命保険との連携

記事によると、「健康データを加入審査に役立ててもらう」とあります。

恐らく、ランニングなどの運動頻度、運動強度などのデータを他者のビックデータと比較し、病気になる可能性を判断し、保険料金にも反映させるということができるのではないかと思われます。
ただ、この場合、シューズという特性から「必ずしも毎日同じシューズを履かない」「靴を履く時間は1日のうち限られた時間である」ので、どの程度精度が高い結果がでるのかは気になるところです。

スーパーとの連携

記事によると、「運動履歴を元に食材を提案」とあります。

これも、前述のように運動頻度・強度などから、疲労しているようならビタミンの豊富な食材や、たんぱく質が多く含まれる食材を提案するということかと思いますが、それだけではつまらないので、さらにスーパーでのセール商品の中から選んだり、栄養素の体内への吸収効率がいい調理方法やメニューも合わせて提案できるといいですね。

まとめ

この記事では、シューズを売り切りではなく、その後の顧客接点につなげていくという新たなビジネスモデルの創出でしたがこれを応用することで、従来の売り切り型ビジネスもDXで継続課金モデル、データ販売モデルなどに変革しうる可能性があるということが、分かりました。

あなたのビジネスモデルも、DXの視点に立って変革できないかを考える参考にしてみてください。

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

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