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海外企業のDX推進事例を7つ紹介!グローバルDXから学ぶ3つの成功法則

上村公彦

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テーマ:DX

経済産業省は2018年9月に「DXレポート」を発表しました。レポートによると日本企業のDX化が後れていることにより、2025年以降に最大12兆円の経済損失が生じると危惧しています。このことから「早く自社にDXを推進させなければ」そう焦る経営陣も多いはずです。

DX推進に成功している海外企業は、どのようにしてDX化を進めているのでしょうか?その成功法則を知るため、本投稿では海外企業のDX推進事例、DX推進に必要なポイントを解説します。グローバルDXの本質を見極め、自社のDX推進に役立てましょう。

企業がDXを推進している状態とは

企業がDXを推進している状態とは
はじめに、企業がDXを推進しているといえる状態を明確にしましょう。DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを大きく変革させることを指します。そのため、社内にITシステムやデジタル技術を導入しただけではDXとはいえません。

多くの日本企業はDXを正確に認識しておらず、約9割の日本企業が「DX未着手企業」「DX途上企業」だとされます。そのままの状態が続くと2025年以降、最大12兆円の経済損失が毎年発生すると経済産業省より推測されています。それを阻止すべく、企業のDX化をすぐにでも進めなければならないのです。

DXのキーポイントはITシステムを取り入れた「変革」です。経済産業省は「素早く変革し続ける能力を身に付けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革すること」がDXの本質であると提言しています。

そのため企業がDXを推進している状態とは、デジタル技術を導入できる企業体制にあり、ITシステムを活かしてビジネスモデルの変革・創造することを指します。DXの本質を見誤ることなく企業のDX化を進めていきましょう。

海外企業のDX推進事例7つ

海外企業のDX推進事例7つ
企業がDXを推進している状態が明確になったところで、海外企業のDX推進事例をみていきましょう。各企業の成功法則を見極め、自社のDX推進に活用しましょう。

Netflix

Netflixは月額制の動画配信サービスです。映像とデジタル技術のかけ合わせにより、DVDレンタル業界に大きな変革を起こしました。

従来の映像サービスはレンタルビデオ店を経由し、DVDで鑑賞することが一般的でした。店舗でDVDをレンタルする手間があったため、ユーザーの利便性はそこまで高くありません。

そこで、Netflixはユーザーニーズに合わせたDXを取り入れました。インターネットと動画配信サービスのかけ合わせにより、いくつもの動画がネット上で観られるようになりました。さらにNetflixは自社でさまざまな動画を制作しています。「2020年に米国で最もグーグル検索されたテレビ番組」においては、なんとトップ10のうち9つがNetflixのオリジナルコンテンツであったのです。

それほどまでに注目されているNetflixですが、変革を起こしたのは今回が初めてではありません。過去にも、以下のようなサービスの変革を行っています。

  • DVDの郵送サービスを開始
  • レンタルビデオの月額制を導入
  • テレビで動画配信を開始

なお、もともとNetflixはドラマや映画のDVDを自宅に配送するサービスでしたが、DXを取り入れた現在ではサブスクリプションの動画配信サービスとしてその地位を確立しています。

Apple

iPhoneを始めとした最新鋭のデジタル機器を開発しているApple。パソコンやスマートフォンをイメージしがちなAppleですが、実はクレジットカード業界に大きな変革を発生させています。

一般的なクレジットカードは、クレジットカード番号、有効期限、サイン欄、セキュリティコードが記載されています。しかし、2019年にAppleが開始した「Apple Card」ではそれら数字や文字がありません。「Apple Card」には利用者名とロゴのみが印字されており、カード番号等の情報が他者にわからないようになっています。

この「Apple Card」で注目すべきは専用アプリとの連携です。物理カードの使用感はほかのクレジットカードとあまり変わりませんが、専用アプリを用いることで取引の追跡、カード番号の確認、実際の支払いなどを行えます。Appleが起こしたDXによる社会に対しての影響は、以下のような点が挙げられます。

  • クレジットカードを発行できない貧困層や移民を取り込むことに成功
  • セキュリティコードが記載されていないことにより不正利用を防止できる

Amazon

Amazonは世界的に有名なインターネット販売サービスです。膨大なデータ量によるAI技術を取り入れたことにより、ビジネスモデルに大規模な変革を起こしました。

オフラインのショッピングであればベテラン販売員から説明を受け、ユーザーに合った適正な商品選択が可能です。しかし、インターネットによる販売サービスでは誰にも相談できず、自身で商品を探すしかありませんでした。

そこでAmazonは膨大なデータ量を用いたAIによって、レコメンデーション機能を搭載しました。AmazonのAIがユーザーの購入履歴を分析し、そのユーザーが好むであろう商品を自動でピックアップする機能です。この機能によってAmazonで行うショッピングは、ベテラン販売員と同等以上の商品選択を実現しました。

Uber

自動車配車サービスのUberは、スマホアプリのかけ合わせによりDX化を実現しています。専用アプリを用いた高い利便性と斬新なビジネスモデルは、タクシー業界に大きな変革を引き起こしました。

従来の配車サービスは利用方法が限られていたため、ユーザーにとっての利便性はあまり高くありませんでした。一方、DXを取り入れたUberは配車サービスとスマホアプリを連携させ、目的地の設定、呼び出し、会計など、専用アプリですべて完結することができます。その高い利便性が世間から評価され、世界中で利用される配車サービスに拡大したのです。

Airbnb

Airbnbは宿泊とマッチングサービスを組み合わせてDXを実現しました。物件の持ち主は、使用していない部屋を旅行者に貸し出すことで報酬を受け取ることができます。一方、旅行者はAirbnbを利用することにより格安で宿泊ができるため、結果的に両者のユーザーに高い価値提供を実現しました。

また、Airbnbを利用する旅行者は単純に宿泊するだけでなく、現地のパーティやイベントに参加することもできます。世界各地のバケーションレンタルやログハウス、ビーチハウスなど、さまざまな宿泊先を選択することもでき、宿泊ができると同時に「体験」のサービスも受けられるのです。

24 Hour Fitness

24 Hour Fitnessは24時間利用できるフィットネスクラブです。これまでは24時間営業を売りにしていたものの、競合サービスが増えたことにより企業のDX化を進めました。

その結果、スマホアプリとフィットネスクラブをかけ合わせることに成功し、会員一人ひとりに合わせたトレーニングのガイダンスを実現しました。専用アプリからは自宅でのワークアウト、進捗管理、円滑なコミュニケーションなどを行えます。専用アプリによる高い利便性が評価され、会員数の増加や企業規模の拡大に成功しました。

Shake Shack

ニューヨーク発のバーガースタンドであるShake Shack(シェイクシャック)。このShake Shackは飲食事業にDXを推進させ、ユーザーに対して高い価値提供を行っています。Shake ShackはどのようにしてDXを成功させたのでしょうか?

Shake Shackは、オンライン上で注文を完結できる事前注文アプリを開発しました。プッシュ通知機能、レコメンド機能といった、ユーザーにとって利便性の高い機能が豊富であり、一人ひとりに合わせた注文体験を可能にしたのです。

実店舗にはキオスク端末を設置し、店員と対面せずに注文を行える仕組みを構築。それにより、人件費の削減と顧客単価の向上を実現しました。Shake Shackのさらなるサービス拡大が予測されています。

海外企業から学ぶDX推進に必要なポイント

海外企業から学ぶDX推進に必要なポイント
ここまで、海外企業のDX推進事例を紹介しました。それを踏まえて、DX推進に必要なポイントをお話します。自社のDX推進に活かすためにも、重要点を把握しておきましょう。

経営陣による強いリーダーシップ

企業のDXを推進するには、経営陣による強いリーダーシップが必要です。DXを実施するにあたって、さまざまなトラブルやアクシデントが起こります。リーダーシップを持って取り組まなければ途中で目的を見失ってしまうでしょう。

またDX推進は経営陣一人で行うものではなく、会社一丸となって取り組みます。経営陣と従業員の方向性を合わせるためにも、経営陣による強いリーダーシップが必要になるのです。

マインドセットの構築

企業のDX化を成功させるために、社内のマインドセットを構築しましょう。ビジネスモデルを大きく変革させるDXを実施することは容易ではありません。失敗を恐れずチャレンジし続けるマインドセットがなければ、多くの従業員が途中で挫けてしまうでしょう。常に強い意志と前向きな姿勢が求められます。

PDCAサイクルを回せるマインドセットも構築しておき、企業のDX化をスムーズに進めましょう。

社内の人材育成・社外の人材確保

DX推進するにあたって、デジタル技術やITシステムを活用できる人材が必要です。活用できる人材がいなければ、新しい技術を導入したときに業務の複雑化が起こります。さらにはITシステムのブラックボックス化が発生し、取り返しのつかないことになるため注意が必要です。

業務を円滑に進めるためにも、社内の人材育成に注力すべきといえます。DXに関する人材育成方法は下記をご参考ください。

  • 定期的にDX関連の講習をする
  • 都度ヒアリングを行って進捗を確認する
  • DXについての学習時間を設ける
  • DXを進行させるための会議を行う

もし社内の人材育成が難しいのであれば、外部の優秀な人材を確保するのも1つの手です。いずれにしてもデジタル技術を活用できる環境を作り、段階的にDX化を進めていきましょう。

まとめ

本投稿では、海外企業のDX推進事例、DX推進に必要なポイントを解説しました。

デジタル技術を用いてビジネスモデルを変革させることがDXの本質です。今回ご紹介した海外企業は、どれもビジネスモデルの変革と新たな価値提供を実現しています。それら海外企業の成功法則を参考にして、少しずつ社内にDXを導入していきましょう。

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

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