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DX時代の新規事業発想法

上村公彦

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テーマ:DX

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)で何かをしなければならないと考えているが、何をしたらいいの?
  • 新規事業を始めたいがどうすれば良いかわからない。


少しばかりシステムに詳しいとか、システム担当部門だからという理由で、上司からDX担当に指名された方。あるいは、自社も時代に取り残されないよう、DXに取り組もうとお考えの経営者の方。
DX推進の重要性が高まっていますが、ほとんどの企業があまり成果を挙げられていないという現状をご存知でしょうか。
「事業モデルを新しく変える。」
理想ですが、それが簡単にできるなら誰も苦労しない。という現実が待っています。

この投稿をご覧頂きますと

  • デジタル時代の新しい事業の発想法
  • デジタル時代に、新しい事業を発想する際の大切な考え方

がわかっていただけますので、ぜひ最後までご覧ください!


今回この投稿では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?という点には触れません。
YoutubeにIPAが提供している、DXについてとても分かりやすく説明した動画がありますので、そちらをご覧頂ければと思います。
ただ、一言だけ言わせて頂けるならば、DXの定義は各社それぞれでいいということ。それについては、いずれ別の機会で投稿させて頂きたいと思います。

このコラムの内容は動画で公開しています。
Youtube版「DX時代の新規事業発想法」Youtube版はこちらをご覧ください。

新規事業発想法

DX時代の新規事業発想法
みなさんスマホは使ってるかと思います。これを圧倒的に世界に広めたのはiPhoneであると言って間違いないでしょう。
私自身、そして多くの人たちが使っているiPhone。このプロダクトは全くゼロから生み出された技術ではなく、携帯電話と、音楽プレイヤー、インターネットのように、既に存在している技術を組み合わせたものであると言われてます。
もし、ゼロから何かを作り出すことを考えると、非常に敷居が高くなってしまいますし、考えることすら諦めてしまいそうです。

しかし、今ある技術の組み合わせを変えることによって何かを生み出す。そんな発想に切り替えるのであれば、まだ自分でも考えられる可能性が広がってくるのではないでしょうか。

そこで私がおすすめするのは、「その仕組み頂きます法」です。
始めに申し上げますが、私が勝手につけたネーミングですので、ご注意ください。

私は、これまで何人ものベンチャー企業のトップと仕事をしてきて、彼らが考えるシステムを一緒に開発してきました。
中には、本当に世の中にはないような斬新な発想もありましたが、多くは「あのシステムのこの部分を自分たち流に置き換えたい。」と言うものであり、前述したiPhone同様にゼロからではありませんでした。それが現実です。

「その仕組み頂きます法」はシンプルです。
一言でいうと、今世の中にあるシステムの一部分を自社の強みに置き換える。それだけです。
これを実現するためには、まず、世の中にあるシステムを意識して見ることから始めます。

意識することから始める

意識することから始める
カラーバス効果と言う言葉をご存知でしょうか?

ある特定のことを意識して過ごすと、それに関する情報が自然と目に止まりやすくなる効果のことです。

例えば今日の占いで、ラッキーカラーは赤と言われたとき、今日は赤だと意識すれば、一日の生活のなかで、普段気が付かなかった赤がたくさん目に飛び込んでくるようになります。

転職を考えていると、電車のつり革広告や、窓に貼ってある広告が目に飛び込んできます。
これらは、いつもそこにあるはずなのに、意識するだけで、不思議なほど新しい情報として飛び込んでくるようになります。

これと同じです。たった今からシステムを意識してください。
ただ、実際問題としてシステムと言われてもピンとこない方もいらっしゃるかと思いますが、ご心配なく。
単純に言うならば、人の手を介さずして自動的に行われている機械だと思えばいいです。
その裏には必ず、システムが組み込まれています。
それでも、システムの敷居が高いならスマホのアプリで構いません。

昔は単純なアプリも多かったのですが、いまのアプリは大抵のものはその裏にシステムが隠れています。アプリをダウンロードする、という行為もアップルが提供しているシステムです。

その他の例だと、アマゾンや楽天で買い物をする。インスタを見る・投稿する。
アプリではないですが、銀行で現金を下ろすATM。
最近の飲食店では、タブレットで座席からメニューを注文する。
24時間営業のスポーツジムではスマホでドアを開錠する。

もはや、よほど電気・ガス・水道もない山奥で生活しているような方以外、1日でシステムに触れない場面はないと言っていいでしょう。

ただそれを意識していない限りは何かシステムに触っていると言う事はわからないし、むしろそれを意識させない位に日常化しているのです。

システムを意識してください。

「その仕組み頂きます」が、できないか。
そのシステムの何かを、自社の強みに置き換える事はできないだろうか?
あるいはそのシステムの一部を自社の強みに加えることはできないだろうかと発想してください。

例えば、最近はスーツのオーダーメイドが流行っており、洋服の青山などを展開している青山商事では、オーダースーツの平均客単価は既製服の約1.8倍になっているそうです。

オーダーメイドスーツのアプリでは、採寸からアプリで出来て、店舗に行かずに注文できたりするもの、1度店頭で採寸すれば、2回目以降、生地を選ぶだけでアプリから注文できたりととても便利なものになっています。

この仕組みを取り込むならどうでしょう?
もし、あなたの会社が企業の制服を作っている会社だとするなら?

スーツの代わりに、制服をアプリからオーダーメイドで作ることができる。
制服なんて、多少大きかったり小さかったりしてもいいからニーズがないということもあるかもしれませんが、おしゃれな制服をピッタリのサイズ感で着こなしているお店があれば、お店全体のクオリティも上がるかもしれません。

ここで「オーダーなんかにしたら手間が大変、コストが合わない」とか「そもそもそんな市場があるのだろうか」といろいろな課題が浮かんでくるでしょう。しかしその時点で、だからダメだとそのアイデアを切り捨ててしまったら先に進むことができません。

子供の学校の制服はどうだろう?
制服ではなく、メガネのオーダー?
体に密着するコンプレッションウエアのオーダー?

多少外れてもいい、課題は課題として置いておいたまま、新しいアイデアをたくさん生み出した中で、解決策を検討し、アイデアの取捨選択をしていくのです。

そもそもこんな課題解決できない、と思っているものは本当に解決できないことなのでしょうか?
今あなたが持っている知識の中で、あるいは、いまのリソースだからこそできないことなのかもしれません。

今やネットでいろいろなものが探し出せる時代です。知る限りでは多分できないであろうと言ったことも、既に世の中にはその解決策があるかもしれないのです。

ですから、まずは制限なくアイデアを出していくと言うことから始めましょう。

発想したものをメモする

発想したものをメモする
ここまで、まずは周りを見回して、他のシステムから「その仕組み頂きます」、とアイデアを出していく方法をお伝えしました。

最後に、このアプリやシステムの仕組みが使えるなと思った後のアクションについて解説します。

何か参考になったシステムやアプリがあったら、そのままにせず、どんどん記録をしていきましょう。記録をすると言うのは、単純に〇〇と言うアプリをメモするというだけのことではありません。

例えば無料会員の登録があるのであれば、実際に登録をしてみる。そしていろいろな機能を使ってみる。その際に各画面のスクリーンショットを撮っておきます。それが後で必ず役に立ちます。

では、どんな役に立つのでしょうか?
いくつかのアイデアが出てきて、やがて「よし、これだ」と言うものを決定した際、今度はシステム開発に入ることになります。

その際に開発する機能をより詳細にブレイクダウンしていく要件定義という作業のなかで役立ちます。

要件定義については、具体的にはまたの機会にお話をしますけれども、特にそのスクショをきれいに整理しておく必要はありません。その順番にスクリーンショットを撮っておき、それをどこかのフォルダにまとめておく。あるいは例えばスマホであれば日付ごとに検索もできますので、撮っておくだけでも意味があります。

さらに、1歩進めるとするならば、使ったときの使い勝手や感想などをどこかにメモしておくことをお勧めします。

今までは特に意識せずに行ってた会員の登録の仕方、これもいろいろなサイトやアプリで実は違いがあります。

会員登録をすると言う行為だけであっても多種多様ですので、このサイトではこのような項目を登録しているんだな。あるいはこのような工夫があるんだなと言うことを意識しつつ、自分の事業ではどうすべきだろうかということを考えながら使ってみると、見方がずいぶん変わって、新しいアイデアも浮かんでくると思いますので、ぜひ試してみてください。

まとめ

デジタル時代の新しい事業を発想することは重要な課題でありながら、具体的な施策を実行できていない企業がたくさんあります。
私たちの生活はシステムに溢れています。そしてそこにこそ、DX時代の新規事業へのヒントが隠れているのです。
みなさんもぜひ、少し意識を変え、周りを見直すことから初めてみてください!

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上村公彦
専門家

上村公彦(システムコンサルタント)

株式会社クラボード

新規事業のためのシステムコンサルティングおよびシステム・アプリ開発で豊富な実績。ベンチャー企業での事業開発経験で培われた「提案力」を発揮し、ニーズに対応。経営者目線でIT戦略を導きます。

上村公彦プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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