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誰をも受け入れ、自由とチャレンジ精神を教えてくれるスケートボードの魅力を発信

スケートボードの普及を通じて子どもの成長を支える専門家

北島宗和

北島宗和 きたじまむねかず
北島宗和 きたじまむねかず

#chapter1

スクールや体験会などのイベントを運営し、専用施設もプロデュース

 世界的なスポーツの祭典で競技として採用され、日本勢の金メダル獲得を機に人気が高まるスケートボード。北島宗和さんが代表を務める「Chees(チース)」は、スクールやイベントの運営、専用施設のプロデュースなどを手掛けています。

 「主な事業は小学生と保護者向けのスクールで、現在は毎週水曜と隔週金曜に京急川崎駅前のカワサキ文化会館で開いています。初心者クラスはボードの乗り降りから始まり、上級クラスではオーリーというジャンプ技に挑みます。失敗や恐怖心を克服し、成功の喜びを分かち合えることが高く評価されています」と北島さん。

 レッスンでは優劣よりも各自の目標設定や習熟度を重視。スケートボードに関連する音楽やファッション、アートなどのカルチャーにも触れ、それぞれを自由に選び、楽しむことの素晴らしさを伝えています。

 「日本では『イノベーター(革新者)が生まれない』と言われる昨今、誰もが平均点を取れるよう指導法が画一化されているからではないでしょうか。当スクールでは、子どもたちは多様性を知り、周りに流されず、従来の価値観にとらわれずに成長していきます」

 また、全国の行政や企業と組んで「能登半島の応援×スケートボード」「緑化フェア×スケートボード」などの共同イベントを開催。平たんで固い地面さえあれば、スケートボードやプロテクター、簡易的な障害物などを持参して体験会を実施できると呼び掛けます。

 「ありがたいことにいつも盛況です。余剰な土地や公園をスケートボード専用の『パーク』として活用することも可能なので地域活性のアイデアでお困りの方は是非ご相談ください」

#chapter2

心をふさいでいた子がスケートボードで自信を回復。「本気で取り組む仕事」と認識

 北島さんとスケートボードの出合いは14歳の時。友人らの誘いで初歩的な技に挑戦するも、自分だけが前に進まず後退し「難しい。でも面白い!」と感動したことがきっかけです。

 「サッカーや野球も経験しましたが、頑張ったのにオウンゴールで仲間に怒られたり、球拾いばかりだったりして熱中できませんでした。でもスケートボードは受け入れてくれましたね。上手く乗れた時の快感、先輩が見せてくれたオーリー、初対面の人が話しかけてくる雰囲気など、何もかも衝撃的ですぐに自分のボードを買いました」

 高校からは選手として台頭し、スポンサーとも契約。海外の雑誌や映像を理解しようと積極的に英語を学び、辞書を引いたと言います。

 「高校卒業後は渡米し、西海岸で本場のスケートボードライフに浸りました。帰国後に負傷してしまい、WEB制作の仕事との両立を選び、仲間とスケートボードブランドを立ち上げる中でスクール運営の話が舞い込んできました」

 最初は興味本位だったものの、ある生徒の親御さんに深く感謝されたことがターニングポイントに。聞けば息子が不登校になり、気分転換にさまざまなスポーツを勧めたものの続かず、スケートボードだけは夢中になっているとのことでした。

 「学校や家庭などとは別の居場所となり、自分の花を咲かせるサードプレイスの役割があると理解しました。スケートボードが個を重んじるのは昔から知っていましたが、彼が友達に技を披露するまでに自信を取り戻したと聞いて『自分も本気にならなければ』とスイッチが入りました」

北島宗和 きたじまむねかず

#chapter3

老若男女を問わず始められ、人生が変わり、広がっていくのがスケートボード

 北島さんは東京オリンピック2020閉会式の演出に協力。コロナ禍で指定区域から出られない国内外の選手や関係者のために、東京を代表する街の一つ、渋谷を表現するパフォーマンスにおいてスケートボードのパートを担当します。

 「演者の特長が生きる内容を考えました。スケーターの個性を引き出す反面、東京大会で初採用されたことでスケートボードのスポーツ化が進み、順位や勝敗を決める傾向が強まるのではと危惧していました。しかしプレーを終えた選手が笑顔で抱き合う姿を見て、互いをリスペクトする精神は今後も守られるだろうと確信しました」

 一方、自分のスタイルを追求しストイックに向き合う中では口数が少なくなることもあり、スクール事業ではコーチの育成が鍵になると考えています。

 「小さいお子さんもいますし、分かりやすく教えるコミュニケーションスキルも必要ですから、カリキュラムの研究は欠かせません。基盤を固めて全国展開を進めたいですね」

 北島さんいわく、スケートボードは人生におけるチャレンジの縮図。少年時代の「この技ができるまで家に帰らない」が、現在の「限られた時間ですそ野を広げる」活動につながっていると語ります。

 「単に愛好者を増やすだけでなく、根底に流れるマインドを伝え続けたいですね。老若男女を問わず始めることができ、大阪では80代の男性が中学生に交じって練習し、気持ちも若返って新しい彼女を見つけたようです。皆さんにも人生が変わる、広がる世界を感じてほしいですね」

(取材年月:2024年2月)

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専門家プロフィール

北島宗和

スケートボードの普及を通じて子どもの成長を支える専門家

北島宗和プロ

スケートボードスクール事業者

株式会社Chees

スケートボードのスクールやイベントを運営し、子ども一人一人のチャレンジを応援。自ら目標を決め、課題を乗り越え、仲間と喜びを分かち合う喜びを伝えつつ、自由な発想や多様性を重んじる意識を育む。

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