【新規事業の契約先開拓のコツ】営業方法の本質から小技まで完全解説①
前回は7つの「2021年に狙い目の新規事業参入領域」を紹介しました。
自社の強みや理念にあった分野があれば、今回紹介するビジネスフレームワークを用いて分析し、企画書に落とし込みましょう。
新規事業で攻める領域を見極めるビジネスフレームワーク
上記7つの新規参入領域を見ていただきましたが、自社がどの領域に参入すればいいのかを選ぶ際には、見極める力が必要になります。
そこで大事になってくるのが、ここで紹介する「ビジネスフレームワーク」です。
PEST分析
PEST分析とは、「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの頭文字を取ったフレームワークで、自社を取り巻く環境を分析できます。
つまり外部環境(参入領域)を分析することで、ビジネスチャンスはあるのか、現在市場が抱えている課題はあるのかを見つけられます。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」と、外部環境の「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの頭文字を取ったフレームワークで、PEST分析とは反対に、社内環境を分析できます。
つまり「Strength」と「Weakness」で自社の差別化ポイントや課題を洗い出し、「Opportunity」と「Threat」で参入した際の障壁などを見つけ出します。
ポジショニングマップ
ポジショニングマップは、ブルーオーシャンを見つけ出すためのフレームワークで、自社の立ち位置を確立するために使います。
具体的には縦軸と横軸に「製品の特徴」や「顧客が満たされるニーズ」などを置きます。そして競合となる製品の特徴を分析し、マッピングしていくのです。
すると2つの軸で分けられた4つのゾーンのどこかに、ブルーオーシャン(競合のいない区域)があるはずです。そこが後発の企業でも戦える、ポジションになります。
3C-4P分析
フレームワークと言ったら最も有名かもしれないのが「3C-4P分析」です。
3Cで外部環境、4Pで内部環境を分析し、それぞれを組み合わせることで製品を作っていきます。最も基礎的な分析方法ですが、今でもちゃんと使えるフレームワークなので、改めて確認しておきましょう。
狙い目のタイミングを逃さないための企画書の作り方
新規事業の参入領域が見つかったなら、なるべく早く行動に移しましょう。他社も同じく参入するタイミングを伺っているため、動き出すスピードが重要になります。
しかしスピードばかり意識するのではなく、「速く・正確」な企画書を作らなければいけません。
ここからは「良い企画書の作り方」について解説するので、しっかり確認しタイミングが来た時点ですぐ行動できるように準備しておきましょう。
事業の目的を明確にする
まず一番大事なのは、事業の目的を明確にすることです。
事業を行う目的がはっきりしていないと、実際に参入してから何か難題にぶつかったとき、また、好調でさらなるステップアップを目指す際も目指すべき指標がわからず、道に迷ってしまいます。
またビジョンが明確になっていないと、自社と他社を差別化するブランディングを行うことができません。
まず企画書を作る際は「その事業を行い、何を達成したいのか」を明確にしておきましょう。
ターゲットを明確にする
次にその事業で狙うターゲットを明確にしてください。
性別から年齢、住んでいる場所や抱えている問題、ニーズなどを細かく分析してターゲットを明らかにすることで、事業がうまくいかなかった際の改善点が見えてきます。
また集客や認知の一環として広告を出す場合も、ターゲットが明確になっていないと、的確にアプローチするツールなどを選択できません。また、どういった情報を出せばターゲットに刺さるのかも見えてきません。
ターゲットが明確になっていないと、結果として事業の大きな損失になってしまいます。
他社の調査、自社と比較する
新規事業を行う際は自社にばかり目がいってしまいますが、見落としてはいけないのが他社の調査です。
どれだけ良い製品が作れても、他社とかぶっていたり他社に劣る製品だったりすると、事業が成功することはありません。
自社の強みを明確にしつつ、競合他社の戦略や製品の課題点を見つけ出し、差別化を図ることが重要です。
実際に行うスケジュール
上記3つをきちんと分析し、まとめることができれば、あとは実際に行っていくスケジュールと、収支に関する記載だけです。
スケジュールですが、もちろん仮計画なので綿密に立てる必要はありません。しかし各フェーズで成果軸を用意し、各チェックポイントで事業が正確に進んでいるかは確認できるようにしておきましょう。
各フェーズで起こりうる課題を先に洗い出し、改善策を用意しておけば慌てることもありません。毎回成果軸を確認するとともに、初めに立てた事業の目的に反していないかも確認しておきましょう。
収支計画
最後は収支計画です。上司が最も気にしているポイントがここです。
収支計画としては、フェーズごとにかかる予算、成果が出た時に回収できる資金などをまとめておきましょう。ここでよく見せようと思っても、実際に事業を行った際と計画との間に大きな差が生まれると信用問題に関わります。
実際に事業を行う場合、多くが想定よりも予算が必要になるため、少し多めに取っておく方が良いでしょう。
新規事業の狙い目の業界に参入するにはスピードが大事!
ここで紹介した新規事業の狙い目となる参入領域は、現状では「狙い目」ですが、時間が経つにつれ競合が増え戦いが厳しくなってきます。そのため狙い目を見つけたら、参入するスピードが大事になってきます。
ただスピードばかり意識するのではなく、今回紹介したフレームワークや事業計画書の立て方をきちんと確認し、失敗しない新規事業を進めてください。