新規事業の開発は悩みが多い!開発担当者を助けるフレームワーク解説②
新規事業を考える時、他社に負けないような良いアイデアを考えようとすればするほど、なかなか思いつかないもの。
そんな時に「フレームワーク」があれば、 当てはめていくことでアイデアが生まれ、ピンチをチャンスに変えることができます。
新規事業を組み立てるためのフレームワークだけでなく、良いアイデアを見つけるための発想術も併せて紹介しています。
どうしても新規事業が思いつかない時はフレームワークを活用しろ
新規事業のアイデアを出す5つの方法について、解説してきました。
しかしヒラメキがなくて、どうしても新規事業が思いつかない時もあるでしょう。そんな時はフレームワークを活用し、ロジカルに新規事業のアイデアを出していきましょう。
オズボーン・チェックリスト
まず紹介したいフレームワークは、「オズボーン・チェックリスト」です。
オズボーン・チェックリストは「ブレインストーミング(複数人で行う会議手法)」を考案した、アレックス・オズボーン氏によるフレームワークです。
項目を埋めていくだけで完成するので、効率よく進めていくことができます。
1:他に使い道は?
2:応用できないか?
3:修正したら
4:拡大したら
5:縮小したら
6:代用したら
7:アレンジし直したら
8:逆にしたら
9:組み合わせたら
上記の9つがオズボーン・チェックリストの記載項目です。
例えばペンを製造している会社の、新規事業のアイデア出しを行ってみましょう。
他に使い道は? | 何かを指し示す時に使う |
応用できないか? | すでに商品化されているペンで面白いものはないか? |
修正したら | そもそも細長い形じゃなくていいんじゃない? |
拡大したら | ちょっと太くなるけど、ペン先の反対側にキャップ付きのドライバーを付けてみる |
縮小したら | 携帯用ペンとして財布にも収まる |
代用したら | 耐久性のあるチタン合金で作る |
アレンジし直したら | ペンの持ち方を矯正するペン |
逆にしたら | 消しゴム以外でなにかないかな… |
組み合わせたら | ペンと修正液を組み合わせてみる |
以上のように、実現可能かどうかではなく、ひとまずパッと思いついたものを書き出していきます。
ここでより多くのアイデアを出すことで、初めは無理だと思っていたことでも「組み合わせてみると意外といける」などの発見につなげていくことができます。
マンダラチャート
マンダラチャートとは、9×9の81マスを利用してアイデアを出していくフレームワークです。
少し多いと感じるかもしれませんが、とても見やすく画期的な方法なので、ぜひ試してみてください。
1:まず9×9のマスを作り、真ん中に目標や解決したい課題を書き込む
2:真ん中から1マス離れた8マスに、その目標や課題を解決するために必要な要素を書き込む
3:8つの要素を獲得するのに必要な行動目標を書き込む
マンダラチャートの良いところは、最も達成したい目標や、解決したい課題を中心に考えられるため、余計なことは考えなくてもいいところです。
また順を追って考えていくことで、今まさにどの行動をとればどの要素を獲得できるのか、体系的に確認できるのもメリットです。
KJ法
最後に紹介するのはKJ法です。
KJ法は出てきたアイデア一つひとつを付箋に書き、それらをグループ化し、まとめていくフレームワークです。
出てきたアイデアをグループ分けできるので、アイデアの視覚化にとても便利な方法です。
1:達成したい目標や課題を1つ決める
2:そのテーマに関連する内容を、思いつくごとに付箋に1枚ずつ書いていく
3:なるべく多く書き出し、机の上にバラバラに並べる
4:机の上に無造作に置かれた付箋を眺めアイデアの全体像を知る
5:似たような内容、同じカテゴリーだと思われるものをグループでまとめまる
6:分類分けできないなと思ったものはそのまま置いておく
7:各グループに名前をつける
8:各付箋群の関係性を見つけ、矢印なので視覚化する
KJ法で最も大事なのは、1つのテーマにおけるアイデアの全体像をつかむことです。
一つひとつのアイデアだと思わずに、体系的に捉えることで、新しい視点が生まれます。
新規事業のプレゼンが成功するか不安なときは
では、新規事業のアイデアが思いつき、いざ承認を得る時に使える不安を取り除く方法を紹介します。
「ツボを押すだけで不安がなくなる」などの魔法はありませんが、ここで紹介する3つを行えば気持ちは軽くなり、プレゼンを成功させることができるしょう。
イメージトレーニングを行う
まずおすすめなのは、イメージトレーニングです。
イメージトレーニングの効果について、あまり信用していない人もいますが、きちんと効果があります。方法としては、体をリラックスさせて目を閉じ、プレゼンをしている自分の姿を思い浮かべます。
□プレゼン前に緊張していない自分
□資料は完璧、舞台も整った
□スムーズに話せて上司も満足そうだ
□結果、承認はおり出世間違いなしだ!
なるべく具体的に自分が成功している姿を思い浮かべるのがコツです。ただ、イメージトレーニングは毎日行わなくては意味がないので、継続させていきましょう。
一人相手にプレゼン練習を行う
プレゼンの練習を行うのは当たり前ですが、自分一人で壁に向かって練習しているようでは、改善点などについて指摘を受けることができず、スムーズに上達しません。とはいえ、毎回練習をする時に同期を集める必要はありません。
実はプレゼンの練習は、「一人相手」に行うだけでかなりの効果が期待できるのです。
自分では気づけなかった点や、良いところを教えてくれる人を一人捕まえて、プレゼンを聞いてもらいましょう。また彼女や彼氏、友人、きょうだいなどプレゼン相手は誰でもかまいません。
壁相手ではなく、きちんと人間相手に話しているという環境が大事なので、どうしても相手が見つからない場合は、上司の写真を貼ったぬいぐるみなどを利用しましょう。
上司と密にコミュニケーションをとっておく
最後に紹介するコツは、上司と密にコミュニケーションを取っておくことです。
「プレゼンなのに上司とのコミュニケーションがなぜ大事なのか」ですが、プレゼンの成功と失敗を分けるのは何だと思いますか?
理由は多くあると思いますが、もしあなたのプレゼンが完璧だった場合、合否を分けるのは上司からの質問や指摘だと思います。
特にプレゼンがあると必ず嫌な指摘をするような上司がいる場合は、その人とのコミュニケーションを特にとっておいてください。
そして「プレゼンで困っているから助けてほしい」と教えを請い、プレゼン当日に「〇〇さんにも手伝っていただきました」と、参加者に共有してしまいましょう。そうすれば、その上司も口を出しづらくなります。
他の上司ともコミュニケーションを取っておくことで、どういった質問をするのか事前に把握でき、対策を練ることができます。
新規事業の立ち上げに大事なのは発想力ではない!
新規事業でいいアイデアが思いつかないのは、「画期的な発想力が無いからだ」と思う方も多いでしょう。しかし新規事業の立ち上げに大事なのは、発想力ではありません。
常に既存事業の分析を行い、顧客のリサーチを怠らず、解決できそうな問題があれば記録しておく習慣が大事です。結局うまくいく事業というのは、ヒラメキから作られることは少なく、日々の地道な分析によるものが多いのです。
思いつかないからと悲観するのではなく、今回紹介したフレームワークなども利用しながら、ロジカルに考える方法も練習しておきましょう。