「お金の勉強」では終わらせない。「タイムマシントレード」が変える金融経済教育の姿

東京都品川区を拠点に、EdTech×HRTechの領域で金融経済教育サービスを展開するベータインテグラル株式会社の川上泰弘です。私は国際金融公社(世界銀行グループ)・世界規模の証券会社・ヘッジファンドで金融アナリストとして活動してきたキャリアを持ち、「金融経済の仕組みと人の意思決定」という交差点に深い関心を抱き続けてきました。
今回は、金融経済教育の体験を通じて「次世代リーダー」を発掘・育成するという、私どもの取り組みの核心に迫ります。
【この記事でわかること】
・なぜ「意思決定の疑似体験」が人材評価に使えるのか
・AIによる行動データ分析「タイムマシンプロファイル」の仕組み
・確定拠出年金・NISA教育と人材育成を同時に実現する方法
・大和証券・MUFGグループなどの導入事例から見えること
「優秀な人材がわからない」という企業の本音
人事担当者や経営者と話すと、「優秀な人材はいるはずなのに、適切に評価できていない」という悩みを頻繁に耳にします。年次・学歴・資格でのスクリーニングには限界があり、「本当に修羅場で判断できる人材かどうか」は、通常の選考や面接ではなかなか見えてこないのです。
私がこの問題に着目したのは、金融業界で働いてきた中での長年の経験がきっかけです。複雑な金融環境のなかで、同じ情報を前にしても人によって判断のスピード・根拠・方向性がまったく異なる。そして後に振り返ると、あの時の「違い」がパフォーマンスの差に直結していたことが多かった。「意思決定の場面こそ、その人の本質が出る」——この確信が私の研究の出発点です。
行動データで人材特性を可視化する「タイムマシンプロファイル」
私どもの企業向けプログラムの中心となるのが、「タイムマシンプロファイル」という機能です。これは、投資シミュレーションゲーム「Beta Investors」を使ったワークショップ中に蓄積される参加者の行動データを、AIが分析して可視化するレポートです。
分析対象となる行動データには、投資判断のタイミング・選択した企業・リスク許容度・情報の活用パターン・他の参加者との比較などが含まれます。これらのデータをもとに、意思決定力・戦略性・分析力・リーダーシップ特性を評価します。感覚や印象に依存した評価ではなく、「その人がどう判断したか」という行動の記録から導き出されるため、バイアスを排した客観的な評価が可能になります。
「将来的には、個人の思考パターンや意思決定行動から、リーダーシップ特性や得意な分野を早期に発見し、育成する人事評価を実現したい」——これが私どもの目指す姿です。現在も機能開発を継続しており、より精度の高い人材特性の可視化に向けて進化を続けています。
確定拠出年金・NISA教育と人材育成の「一石二鳥」
近時の金融サービス提供法の施行以降、企業には従業員の金融リテラシー向上支援がますます求められています。確定拠出年金(DC)やNISAの制度が拡充される中、従業員が自ら運用を考えられるよう教育することは、人事・福利厚生部門の重要な課題のひとつです。
私どもの「Beta Investors DC/NISA」は、確定拠出年金・NISAに特化した体験型シミュレーションです。法令で求められる金融経済教育の義務を満たしながら、同時に参加者の意思決定特性を可視化し、人材育成データとして活用できる「一石二鳥」の設計になっています。金融リテラシーの向上と人材評価の精度向上を同時に実現できる点が、他の研修プログラムにはない私どもの特長です。
大和証券・MUFGグループが選んだ理由
2025年4月、大和証券株式会社の新入社員研修に「Beta Investors Pro」を一括導入いただきました。また2025年7月以降、三菱UFJフィナンシャルグループの自己啓発プログラムにも提供を開始しています。日本を代表する大手金融機関が相次いで採用した背景には、「体験型であること」「既存の座学研修では得られない気づきがある」という評価があります。
ご参加者からのフィードバックにも、「マクロ経済への徹底的な理解の大切さを実感できた」「教科書ではわからないリアルな学びがあった」「直前に学んだ知識をすぐ活用しながら投資を体験でき、知識・経験ともに身になった」など、体験型ならではの声が届いています。
学校教育・企業研修の枠を超えたグローバルな展開
私どもの取り組みは、日本国内にとどまりません。ベータインテグラルはアメリカ・ハワイ州でもサービスを提供した実績があります。さらに、グローバルに事業を展開していく予定です。2025年には東京都主催の海外展開支援プログラム「X-HUB TOKYO」のヨーロッパコースに採択され、バルセロナのFinTechネットワーク「BCN Fintech Network」にも取り上げられました。さらに2025年6月には「JETRO×AlchemistX」のアクセラレーションプログラムにも採択されています。
教育機関向けでは、ニュージーランド・台湾・米国の学校にも展開。京都大学の金融セミナーへの登壇や品川区とモンゴル国ウランバートル市のスタートアップ交流イベントへの参加など、多様なステークホルダーとの接点を広げています。
まとめ
「誰が次のリーダーになれるか」を感覚や印象ではなく、行動データで見抜く。そのための場として、金融経済教育の体験を活用する。これが私どものEdTech×HRTechのアプローチです。
社員の金融リテラシー向上と人材育成の高度化を同時に実現したい企業の人事担当者・経営者の方は、ぜひベータインテグラルにご相談ください。体験のなかに、人の本質が宿っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 既存の研修プログラムと組み合わせて使えますか?
A. はい、既存の研修に組み合わせることが可能です。座学でインプットした後にシミュレーションで定着させる、あるいは研修の冒頭に体験を置いて動機付けを高めるなど、企業のニーズに合わせたカスタマイズに対応しています。
Q. 中小企業でも導入できますか?
A. はい、問題ありません。会社規模にかかわらず導入可能です。ご予算・参加人数・目的に合わせてプログラム内容を調整しますので、まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。



