「誰がリーダーになれるか」を数字で見抜く。行動データが変える人材育成の未来

東京都品川区を拠点に、金融経済教育サービスを国内外に展開するベータインテグラル株式会社の川上泰弘です。私は米国証券アナリスト(CFA)の資格を持ち、世界銀行グループや世界規模の証券会社・ヘッジファンドでキャリアを積んだ後、「金融経済の知識とIT技術で社会課題を解決する」という志のもとに起業しました。
今回は、私どもが独自に開発した「タイムマシントレード」という体験型学習の考え方と、それがなぜ今の時代に求められているのかをお伝えします。
【この記事でわかること】
・「タイムマシントレード」とは何か、なぜ体験型なのか
・従来の金融教育が抱える課題と新しいアプローチ
・企業の人材育成に「金融経済教育」が活用される理由
・灘高・大和証券など多彩な導入実績から見えるもの
「金融教育=投資の勧め」ではない
「金融教育」と聞くと、「株の買い方を教える授業」や「投資を推奨するセミナー」を想像する方が多いかもしれません。しかし、私が考える金融経済教育は、それとはまったく異なります。
私がかつてワシントンDCの国際金融公社に勤めていたとき、子どもたちが訪れる職場参観でミニチュア版の投資シミュレーションゲームを作ったことがあります。子どもたちが夢中でゲームに取り組み、やがてシミュレーションを通じてそのコンセプトを体得し実に的を射た問いを発し、金融用語を自然に口にする場面に立ち会いました。その時、私は確信しました。体験を通じて「社会の仕組み」に興味を持ち、自分で考える力を育てることこそが金融教育の本質だと。
「金融教育の目的は、経済を通して社会の仕組みを理解し、将来を予測し、判断できる力をつけること。射倖心を煽るのではなく、社会を動かしているものの本質を見通す力を養う手段であるべきではないか」という考えが、私の起業の原点です。
「タイムマシントレード」とは?
私どもの中心的な学習手法が「タイムマシントレード」です。これは、過去の実際の経済状況・株価データ・決算発表・経済イベントに基づき、参加者がその時代に「タイムスリップ」して投資判断を体験するシミュレーションです。(「タイムマシントレード」はベータインテグラル株式会社の登録商標です。登録番号:第6801793号)
学習の流れは次の通りです。まず、その時代の経済状況・金融政策・財政政策などのマクロ経済の背景を学びます。次に、シミュレーションアプリ「Beta Investors」を使い、当時の金融市場でどの企業に投資するかを判断します。投資後には、他の参加者の判断と比較・振り返りを行い、自分自身の価値観・判断基準を可視化します。
参加者からは「財政出動に伴うインフレや新型コロナウイルスによる経済対策の株価への反映にリアリティがあり、マクロ経済への理解の大切さを実感できた」「教科書ではわからないリアルな学びがあった」などの声が届いています。体験してこそ得られる「腹落ちした理解」が、このプログラム最大の価値です。
なぜ今、企業の人材育成に金融経済教育なのか
金融経済教育は、学校の授業だけのものではありません。企業の研修現場でもその可能性が注目されています。
投資判断の疑似体験は、参加者の意思決定スタイル・リスクへの向き合い方・情報の取捨選択の仕方を自然に浮かび上がらせます。私どもの企業向けプログラム「Beta Investors Pro」では、シミュレーション中の投資行動パターンやコミュニケーションデータをAIが解析し、人事評価の精度を高め、将来のリーダー候補の早期発掘・育成に活用可能な、参加者の意思決定力・戦略性・分析力・リーダーシップ特性を可視化する「タイムマシンプロファイル」を提供しています。
大和証券株式会社の新入社員研修や三菱UFJフィナンシャルグループの自己啓発プログラムへの導入実績もあり、金融機関で「体験型の意思決定トレーニング」の有効性が認められている証です。
灘高・早稲田・海外にまで広がる教育機関での活用
教育機関向けプログラム「Beta Investors+」は、灘高等学校・早稲田大阪高等学校・さいたま市立大宮国際中等教育学校・洛南高等学校附属中学校など、国内の数多くの学校に導入いただいています。また、ニュージーランド・台湾・米国の学校でも実施されており、早稲田大阪高等学校では日本・台湾・ニュージーランドの3カ国をリアルタイムでつないだ国際的な授業が実現しました。
「投資を学ぶ」のではなく「社会を読む目を養う」授業として、公民・政治経済・英語・総合学習などさまざまな科目で横断的に活用されています。2025年10月には第22回日本e-Learning大賞「金融経済教育特別部門賞」を受賞し、日本経済新聞に灘高等学校での授業の様子が複数回掲載されるなど、教育界からの注目も高まっています。
まとめ
金融経済教育は「お金の勉強」ではなく、社会の仕組みを体で覚え、主体的に考える力を育む場です。タイムマシントレードという独自の体験型学習を通じて、私は学校の生徒から大企業のビジネスパーソンまで、多様な次世代リーダーの育成に貢献したいと考えています。
「若い世代には、経済や人生を切り開く視点として学んでほしい。多くの人々が自分の得意で社会に貢献する仕組みを作りたい」
この思いを胸に、今日もプログラムを進化させ続けています。ご関心がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 金融知識がない生徒・社員でも参加できますか?
A. はい、問題ありません。タイムマシントレードは体験から学ぶ設計になっており、事前の金融知識は不要です。また、まず経済的背景を学んでから体験するため、初心者でも自然に理解が深まります。
Q. 企業研修と学校教育で内容は異なりますか?
A. はい、それぞれの目的に合わせてカスタマイズされています。教育機関向けの「Beta Investors+」は生徒が経済学のフレームワークを学習していないことを前提としたプログラム、「Beta Investors DC/NISA」)は確定拠出年金やNISA活用のためのプログラム、「Beta Investors Pro」は、大学院での授業や、金融機関での研修等にもご利用いただけるより実践的で高度なプログラムとなっています。
Q. オンラインでも実施できますか?
A. はい、対応しています。日本・台湾・ニュージーランドの3カ国をリアルタイムでつないだ授業の実績もあります。グローバルな視点での学びを実現したい学校・企業にも対応可能です。



