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松野絵里子

複雑な遺産相続に強い弁護士

松野絵里子(まつのえりこ) / 弁護士

東京ジェイ法律事務所

コラム

相続の弁護士費用・報酬の相場はいくら?

2020年1月10日

テーマ:相続・遺言

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き相続問題相続対策

相続トラブルで悩み、「弁護士に力になってほしいと思うけれど費用が心配」という方は少なくないでしょう。

しかし、弁護士費用は、正式に委任をしてトラブルへの対応を依頼してから発生するものです。相談時に大きな金額を用意しておかなければならない、ということではありません。

そのため、まず相談してみることが大切だと思います。弁護士によっては、低額の着手金でできる場合もあります。今回は、相続トラブルにおける弁護士費用について、その内訳や算出の方法などについてお話しいたします。

弁護士費用の内訳

はじめに弁護士費用の内訳を見てみましょう。中心になるのは「相談料」「着手金」「報酬金」「日当」です。

【1:相談料】
弁護士への相談にかかる費用です。「30分5000円」が一応の目安と言えますが、「1時間まで5000円」「初回相談は無料」という法律事務所もあります。私の当事務所でも相続のご相談は無料としています。

【2:着手金】
弁護士に案件を依頼したときに支払う費用です。相談した案件で何も経済的メリットがなくても(訴訟であれば敗訴しても)着手金は返還されません。

【3:報酬金】
案件が終了したときに支払う費用、つまり成功報酬です。これは経済的メリットがあった場合に払います。つまり、相続であればなにももらえなかったときには、支払う必要はありません。通常、相続人であれば、特別受益が過大でなければなにかもれるものがあるから、代理人は受任することが通常です。

【4:日当】
相続の問題・トラブルを解消するために、弁護士が裁判所に出向いたり、公証役場に行ったりする場合の費用です。ただ、法律事務所によっては、着手金の中にあらかじめ一定の日当を含めている場合もありますし、遠方でないなら日当はなしという契約もありえます。裁判所が遠方で交通費もかなりかかるようなら、電話会議方式をかなり利用すればこの費用は抑えられます。

【5:実費】
印紙代や郵便切手代、交通費など、弁護士費用とは別に発生する費用です。

弁護士費用

弁護士費用の目安

相続における弁護士費用のうち大きなものは着手金と報酬金です。しかし、それぞれの金額には法律事務所によって違いがあり、一概に言うことはできません。現在は、弁護士費用は自由化されています。しかし、従前の日本弁護士連合会がつくっていた旧報酬基準に近いものを使っている事務所が多いでしょう。

着手金と、報酬金の取り扱いについては、今のスタンダードは大きく分けると2つのタイプがあるようです(もっとも個別に委任契約を作るので、そのときに最終の報酬合意はなされることに注意してくださいね)。

①固定の割合と固定の着手金の場合
着手金、報酬金とも「着手金〇万円、報酬金は相続額の〇%」というようなわかりやすい形で設定しているタイプです。

例えば「着手金30万円、報酬金10%」というように提示している法律事務所があるとします。

このケースの弁護士費用は、下記のようになります。

■相続額500万円の場合
着手金30万円+報酬金(相続額500万円×10%=50万円)=80万円。

■相続額が1000万円の場合
着手金30万円+報酬金(相続額1000万円×10%=100万円)=130万円

ということになります。

②「日弁連の旧報酬規程」をそのまま使い続けている場合
日弁連の旧報酬規定とは、平成16年(2004年)4月1日に廃止されているのですが、「日本弁護士連合会報酬等基準規定」のことです。
しかし、現在、多くの法律事務所が「日弁連の旧報酬規程」と同じような報酬体系をつかっています。

その場合、弁護士費用は次のようになります。

【1】相続額300万円以下の場合、着手金8%、報酬金16%
【2】相続額300万円から3000万円の場合、着手金5%+9万円・報酬金10%+18万円
【3】相続額3000万円から3億円の場合、着手金3%+69万円・報酬金6%+138万円
【4】相続額3億円以上の場合、着手金2%+369万円・報酬金4%+738万円

上の例に合わせて、相続額500万円と1000万円で計算をしてみると、

■相続額500万円の場合
着手金は「相続額500万円×5%+9万円=34万円」
報酬金は「500万円×10%+18万円=68万円」
着手金34万円+報酬金68万円=102万円

■相続額1000万円の場合
着手金は「相続額1000万円×5%+9万円=59万円」
報酬金は「1000万円×10%+18万円=118万円」
着手金59万円+報酬金118万円=177万円

となりますね。
こうみると、こちらの方が高いように見えますが、遺産が5000万円の場合はどうでしょう。①では500万円の報酬となり、②では438万円になるので逆転します。

当事務所では、遺産が多い方のために調停で事件の報酬の上限金額を設定しておりますので、不動産などがあり遺産が3000万円をこえるような方には一般的報酬より安価になります。

8%と10%

費用の支払時期など

弁護士費用のうち、相談料についてはその際に払い、着手金は案件を依頼するときに一括が普通ですが、当事務所では着手金の支払時期については状況にあわせて相談に応じております。遺産を何ももらえてないので、用意できないという場合も多いからです。

報酬金の支払いは、事件が終わったときに支払うことになります。
ただ、不動産で遺産をもらうような場合現金がすぐには用意できない、売却するまでまってほしいとか、賃料から分割で払うなどいろいろな場合があろうかと思うので、弁護士と相談してきめることもできる場合もあります。一括での支払いが難しい場合、相談時に確認しておきましょう。

相続のトラブルは、早いうちに解消を図ることが大切です。時間がたつと証拠が集めにくくなりますし、預金などは知らないうちに引き出してしまって使い込まれてしまうこともあります。また、直接の協議で感情的な対立からその後の関係に大きなヒビが入ることもあります。

各人が権利としてもつ相続分の合理的な金額を理解するために、代理人弁護士をたてて話し合いしましょうというのは、決して紛争を激化させるものではないと思います。

まずは、法的に合理的な金額がいくらかわからないと納得して問題を収めることが難しくなります。また、払う側からすれば、その間に遅延損害金とか受領した不動産の賃料を払うことが法的に必要なこともあり、ほっておくことが思わぬ損失になる場合もあります。

簡単に遺産が分けられなさそうなら、まずは、専門的に相続を扱っている弁護士に相談してください。

大切なことは「弁護士に相談すること=依頼」ではないということです。相談するだけで委任しなくてもよいので、安心してください。事案によっては500万円くらいもらえるから相手にそのように言ってみてはどうでしょうか?と回答をもらって、現実にその金額をもらえて解決した!ということもあります。

相談するときには、この人ならきちんと事情を話せて信頼できると思った弁護士に依頼するのが大事です。あなたにとって、不利な状況があればそれをきちんと説明してくれるかも大事なポイントです。

特別受益についてきちんと相談時に弁護士が確認しようとするか、これが大きなポイントにもなります。なぜなら、5000万円もらえると思って委任したけれど生前の贈与のことを弁護士が聞き取っていなかったので調停を申し立ててももらえるものはほとんどなかった・・・というのでは無駄骨ですからね。慣れていないとそういう聞き取りをしない弁護士もいるようです。

あなたにとって話しやすい雰囲気があり、また、納得できるように丁寧に法的説明をしてくれる人を、あなたに都合の良くないこともきちんと理解して説明してくれる弁護士を選択することをおすすめします。そうした弁護士であれば、費用についても、その全体像や追加費用の条件などについても明確に説明してくれるはずです。

相続トラブルは、ケースによって解決までの時間も異なりますし、弁護士費用を一律に考えることはできません。しかし、通常、揉めている場合、直接交渉をつづけても誰かが不合理なことを言い続けていることが多いことから、代理人がはいったほうが解決は早くなります。そういう不合理なことを言う方も代理人をつけるなり、裁判所で諭されて、そのような不合理な主張をやめてくれるからです。

調停は話し合いの場であり、かつ、ご本人がいかなくても言い分を書面で代理人がだしてくれるので、肉体的にも精神的にも楽です。依頼された方は、肩の荷がおりるように感じていることが多いです。

不安や不満を抱えたままにせず、弁護士に相談してみましょう。弁護士費用については、支払い方法を含め相談時に遠慮なく確認しましょう。決して恥ずかしいことではないです。

相続、事業承継、遺言書に関するお問合せ・ご相談はお気軽ご連絡ください。

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