【DXの成功】ITプロジェクトが30%しか成功しないわけ
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自社システム開発を行う際に、なるべくコストを抑えるため、ベトナム企業をはじめとしたオフショア開発を検討される方は多いのではないでしょうか。かくいう私も、現在に至るまで、ベトナム、マレーシアなどの多くの海外システム開発企業にシステム開発を委託しております。一方でオフショア開発に対して、様々な問題点のクリアが難しいのではと断念されるケースも多いです。例えば、開発品質はどうか?異なる言語、文化のもとでコミュニケーションに問題はないのか?国際的な法の違いは?と初めて利用する際には注意すべき点も多くあります。
今回はオフショア開発の魅力と、成功に導く要素を深堀りし、前述の問題点をクリアするために必要なことを詳しく紹介していきます。
オフショア開発の魅力:コストと技術力
近年、特に日本市場に進出しているベトナムのオフショアについて話をしたいと思います。ベトナムオフショア開発の最大の魅力は、そのコストパフォーマンスの高さです。少し私の肌感覚もありますが、アプリケーション開発者に関して、同じ技術レベルの水準でも、日本のエンジニアとベトナムのエンジニアにおいては、単価が倍程度違うという認識を持っています。
一方、国別で比較しても中国・インドではシニアエンジニアの単価が月額60万円を超えるなか、ベトナムでは50万円以下となっており、やはり他国と比較しても現状では安い単価に抑えられているようです。
出典:『オフショア開発白書(2023年版)』(オフショア開発.com)
https://www.offshore-kaihatsu.com/
しかしながら、ベトナムオフショアにおける技術力は着実に上昇しています。ベトナムではSTEM(科学、技術、工学、数学)教育への投資が積極的に行われており、高校レベルから高度なIT技術教育が行われ、大学では国際的な水準のIT教育が充実しています。そのため若くて技術に精通した労働力が豊富に存在し、最新の技術トレンドに迅速に対応する能力を持っています。また政府はITセクターの発展を国家戦略としてとらえており、技術開発とイノベーションを促進する多くの施策を実施していることでIT環境の整備が高いレベルで行われている状況があります。
日本のIT関連展示会でも最近よくベトナムオフショアの企業が出展しているのを見かけますが、実は政府の後押しで出展している企業も多いようです。
国際基準を取り入れたベトナムのアプローチ
オフショア開発業者が採用する国際基準の一例を以下にあげます。これらの基準は、業者が提供するサービスの品質を高め、国際的な品質を保証する鍵となるものです。
・ISO 9001の適用
ISO 9001は品質管理システムに関する国際規格であり、業者はこの基準に基づいてプロセスを設計し、一貫した品質の提供を目指します。
顧客満足度の向上、エラーの削減、効率性の向上などが期待されます。
・ISO/IEC 27001による情報セキュリティ管理
情報セキュリティ管理システムの構築は、顧客データの保護と信頼構築に不可欠です。
この基準により、業者は情報セキュリティリスクを体系的に管理し、データ漏洩のリスクを最小限に抑えます。
・CMMIの採用によるプロセス改善
CMMIはプロセスの成熟度を評価するモデルであり、開発プロセスの効率化と品質向上に寄与します。
継続的な改善が奨励され、プロジェクトの透明性が高まります。
これらの国際基準を満たすことで、オフショア開発業者は高品質なソフトウェア開発を保証し、顧客の信頼を獲得していますので、こういった国際基準を取り入れているか否かは、ベンダーを選定するうえで重要なポイントとなります。ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションの重要性:言語と文化のギャップ
オフショア開発では、効果的なコミュニケーションを重ねていくことが重要になってきます
。ベトナムの開発チームは一般的に英語に堪能であり、定期的な英語トレーニングの実践により高いコミュニケーション能力を保持しています。また、異文化コミュニケーションのトレーニングを受け、国際的なビジネス環境でのエチケットと感受性を身に着けています。クライアントの国や文化に関する知識を学び、文化的な誤解を避けるための教育を行っている企業も多く存在しますので、そのような言語・文化トレーニングの有無について確認してみるのも良いでしょう
。効果的なコミュニケーションを行うためには、定期的な進捗ミーティングと報告を行うことが重要です。プロジェクト管理ツール等も用いてプロジェクトの進行状況を共有し、透明性と連続性を保っていきましょう。
成功への鍵:最適なオフショアベンダ選定と、自社でのリード体制
ベトナムオフショア開発を成功させるには、適切なベンダーを選択しつつ、自社で適切なベンダーコントロールを行うことが不可欠です。
価格、品質、コミュニケーション能力、過去の実績を総合的に評価して自社に最適なベンダーを選びつつ、自社ではベンダーコントロールを適切に行う事が極めて重要です。どんなに相手が優れたベンダーであっても、発注側に最低限のITリテラシーがなければ、ベンダーに要求する機能を正しく伝えられなかったり、機能の実現可否の判断やコストの妥当性を判断することは難しいのが実情です。
結局のところ、良い成果物を作るには自分たちの要件を正しく伝え、認識の違いがある場合にはすぐに修正指示を出し、妥当なコストで妥協なく成果物を作りあげるリテラシーが発注者側にも必要なのです。
丸投げではなく、しっかりと正しくプロジェクトをリードして、コストパフォーマンスを最大にするオフショアとのコラボレーションを実現しましょう!
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