ミレニアム世代の投資家を育てる投資助言家土井真典

ミレニアム世代の投資家を育てる投資助言家

土井真典

オーダーメードの投資プランを提案する定額制の投資顧問契約

　資産運用を始めたいとき、どこで誰に相談しますか？　「accord and go」代表取締役の土井真典さんは、30年以上にわたる投資アドバイザー経験をもとに、投資助言サービスを展開しています。

　「商品の販売は行わず、お客さまの利益を最優先に、客観的な分析に基づいて投資のアドバイスをいたします。こうした顧問契約は日本ではまだ浸透していないと感じ、先駆けとして広めていきたいと会社を立ち上げました」

　土井さんが対象とするのは、20歳から40歳のミレニアム世代です。
　「近年、生前に親から財産を引き継がれる方や、自ら財を成す方など、若い資産家が増えています。人生の先が長い若い方にこそ、当方のサポートを通して資産形成に関する知識をきちんと身に付けてほしいと思っています」

　大事にするのは、人生設計を含めた運用目的や、リスクへの許容度など運用への考えを丁寧にヒアリングすること。ディスカッションの中で目標を定め、オーダーメードで方針書を策定します。株式や債券などのアセットアロケーション（資産配分）を決め、具体的な銘柄を選定。定期的にリスク・リターンを検討し、達成状況に応じた提案やプランの見直しを行います。

　顧問料を年間132万円（税込み）の定額制とするのも、サービスのあるべき形にこだわった結果です。
　「私が提供するサービスは資産額によって変わらないので、その対価は、契約残高に応じてではなく、同一であるべきと考えました。投資可能な金融資産が1億円以上の方を想定しており、その金額が大きいほどお得感があります」

長年の経験で確立した成功のコツ「規律ある投資哲学」とは

　土井さんが勧めるのは、「規律ある投資哲学」の実践です。長年の経験知から、ヒアリングにより導き出す資産配分を維持していれば、結果を出せる確率が高くなると言います。
　「重要なのは、その人の現状に合わせたプランづくりです。計画にそって10年、20年と長期サイクルで実現していくのが投資。株価などの目先の変動に一喜一憂するのは、ギャンブルです。若い世代はこれからじっくり時間をかけられるので、大きなチャンスがあります」

　顧客の多くは投資の初心者とか。複数の証券会社で取引を行うも、土井さんが精査すると、似たような金融商品を購入していたなど改善点が分かり、「全体で見てもらえて良かった」と感謝されたことも。
　「ご自身でネットから情報を集めて戦略を立てることに行き詰まっている方も少なくないでしょう。私どもが運用のストレスをできるだけお引き受けします」

　目指すのは、顧客一人一人を個人投資家へと育てることです。
　「私どもの伴走により、1年、2年と実践を重ねれば、そこから先は自分でできるようになります。投資は自己責任と言われますが、お金の教育を受けている日本人は少数派。まずは専門的な知識をお伝えするところから始めなければいけません」

　使命感を持って事業に臨む土井さんの胸にあるのは、日本の未来への危機感です。
　「個人の金融資産が、人口減少により半減するという予測もあり、日本経済の先細りを懸念しています。若い個人投資家が、将来の日本を支える力になると期待しています」

大手証券会社を経て、「真の顧客重視」がかなうサービスを目指す

　株式の仲介などを行う証券業界に憧れ、学生時代から山一證券でアルバイトをしていた土井さん。現在の道へ進むことを強く意識したきっかけは、入社10年目で直面した山一證券の経営破綻と、2008年のリーマンショックだと言います。
　「大きな危機を二度もお客さまと共に味わい、同じ轍（てつ）は踏むまいと挽回を試みる矢先、東日本大震災が起こりました。社会情勢をも切り抜ける方法に思いを巡らすようになりました」

　投資助言業に就くため、勤めていた三菱UFJモルガンスタンレーPB証券で本店への異動を願い出て、プライベートバンク業務や投資助言部署の開設などを手掛けました。
　「当時、投資助言に本格的に取り組んだパイオニアであったと自負しています。資産配分を徹底的に守ることで、お客さまの資産を毎年安定的に増やし、信頼を深めました。」

　ノウハウをもとに、顧客との利益相反が起きない理想の仕組みづくりを追求したいと思うように。
　「どこでも『お客さまに適したプラン』を掲げますが、商品を販売する以上、自社商品や手数料などのしがらみがあり、売買を続けるうちに当初計画した資産配分が崩れることもあります。真に顧客重視の〝助言〟をかなえるため起業を決意しました」

　現在、志を同じくする投資アドバイザーを養成するため、セミナー活動にも力を入れています。
　「今は挑戦の途中ですが、お客さまの大切な資産を守るため、当社のサービスがスタンダードになる世の中を目指しています」

（取材年月：2022年8月）

ミレニアム世代向けの投資助言サービスで、次世代の投資家を育成

オーダーメードの投資プランを提案する定額制の投資顧問契約

長年の経験で確立した成功のコツ「規律ある投資哲学」とは

大手証券会社を経て、「真の顧客重視」がかなうサービスを目指す

専門家プロフィール

Other Interview