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塾長自らの個別指導で、子どものやる気と成績を上げる

子どものやる気を引き出し勉強を習慣化する個別塾塾長

三井慎太郎

三井塾の三井慎太郎さん
三井塾の授業風景

#chapter1

勉強ができなかった子どもが、塾講師になった理由

 日本橋浜町にある小中学生対象の個別指導塾、三井塾。塾長の三井慎太郎さんは、勉強ができない子どもだったといいます。「しかし姉は勉強ができたので、姉より偏差値の高い高校に合格して、周りを見返してやりたいという気持ちから、受験勉強を始めました」。そこで塾に通い始めたものの授業にはついていけず、同じ問題集を繰り返し解いては、すべての問題が解けるようになるまで勉強する日々でした。

 「そうして勉強ができるようになってくると、友達が『自分にも教えてくれ』と頼みに来るようになりました。そんな友達の“わかった!”という表情を見るのが快感で、人にものを教える楽しさを知り、将来は教える仕事に就きたいと思うようになりました」。猛勉強の末、見事難関校に合格してからは、留学資金を稼ぐためにアルバイトを開始。その職場でも仕事仲間から、子どもの家庭教師になってほしいと頼まれ、勉強を見ることに。「勉強する気が全くない子だったので、まずはやる気にさせるところからのスタートでした。やる気とは、スイッチを押したら出てくるものじゃなくて、とにかくやってみたら出てくるもの。テストの点が低い子ほど、やれば成績が伸びるので、そのうちだんだんやる気が出てきます」。

 大手進学塾に就職してからは、仙台、千葉で指導に当たっていましたが、大病を患い退職。回復後、個別指導塾に就職して指導をする中で、「少人数なら自分ひとりですべての子どもを見ることができるし、今までやりたくてもできなかったきめ細かな指導もできる」と気づき、独立して開業しました。

#chapter2

その子特有のクセを把握して、基礎を固める

 最初は看板も出していなかったのですが、近所の人が「個人の塾なら手厚く見てくれるのでは?」という期待から、子どもを連れてやってきました。そこから、口コミや近所のネットワークで生徒が増えました。「塾近くに住む小学生の多くは中学受験をするのですが、中学受験には独特のテクニックが求められるので、公立中学に進学する子どもが勉強しておきたい内容とは違うんです。公立中に進学する子はのちの高校受験に備え、教科書の基礎的な内容をしっかり固めておくことが重要です」

 「集団塾だと黙っていても授業は進んでいきますが、個別指導や少人数のクラスだと、子どもがしゃべらないと授業が進みません。そうして一人ひとりと対話を続けているうちに、子どもに発言するクセがつき、学校の授業でも発言できるようになります」。子どものころから人間観察が好きで、人の特徴をつかんだモノマネが得意だったという三井さん。生徒に対しても、その子特有の思考や動作のクセを把握した上で、「この子には強めの言葉をかけた方がいい」「この子は持ち上げた方がうまくいく」など、特徴に合わせた指導をしています。「塾に来た時の表情でその子の状態がわかることもあるし、口では『わかった』と言ってるけど、本当は理解していない時も見抜けます」。小さなことでも、「これを習った日には、こんなことがあったね」と覚えていて声をかけます。すると子どもは、「先生は自分を気にかけてくれている」と思い、安心して授業を受けることができます。

三井塾の教室

#chapter3

メンタルを強化して意欲を引き出し成績アップ

 子どもの成績が伸び悩む原因が親にある時も、包み隠さず話します。「たとえば引っ込み思案な子は、親が子どもの言葉を奪っていることが多いんです。子どもが何か話し出しても、『つまり、こういうことね』と、親が話を途中で引き取ってまとめてしまう。すると子どもは自分の言葉が出せなくなってしまい、作文が上手に書けなくなるんです」。入塾前の面談では、勉強や家庭の様子を詳しく聞きます。「塾では“心の保険”を解約させます。やればできる、褒められれば伸びるという言葉は、プライドを守るために口にする保険の言葉。今、勉強ができていないという事実を認識してからでないと、しんどい時に踏ん張りがききません。一生懸命教えても、教わる側に準備ができていないと覚えられないので、メンタルを強化することから始めています」

 「勉強する意味がわからない」という子には、「何で勉強するのか」から教えています。「大人になってから、自分がやりたいことをやるには、やっぱりお金が必要です。だから、10代のうちに頑張って、仕事ができる大人になってほしいし、できれば自分が楽しく感じる仕事で、お金を稼いでほしいのです」。わからないことがわかるようになるまでひたすら繰り返すのは、地道な作業です。しかし、その繰り返しの先には、わかる喜び、やり遂げた誇らしさ、そして成績アップがあります。かつて「勉強ができない」子どもだった三井さんは、子どもたちの意欲を引き出しながら、その道のりを見守っています。

(取材年月:2016年10月)

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専門家プロフィール

三井慎太郎

子どものやる気を引き出し勉強を習慣化する個別塾塾長

三井慎太郎プロ

学習塾塾長

三井塾

入塾前の面談および塾での対話や観察で子どもの特徴を把握して、塾長自らがその子に合った指導を行います。勉強という行為を通して努力することを学び、成績アップ、志望校合格、そして生きる力をサポートします。

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