孫に贈与、ただ介護費用も心配
おはようございます。行政書士 ファイナンシャルプランナーの河村修一です。
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法人の方 資金調達サポート
リスクを抑えた起業
サラリーマン時代、憧れのひとつに「一国一城の主」になりたいと思う方も多いのではないでしょうか。50歳を迎えそろそろ「第二の人生」を考えたときに「起業」も選択肢として頭に浮かびます。私も50歳を超えて行政書士の資格を取得しました。ただ、「起業」はリスクが高いというのが正直なところではないでしょうか。「リスク」を最小限に抑えてする起業であればどうでしょうか。「費用や体力等を最小限」としながら、「自らの経験を活かした小さなビジネス」から始めましょう。
日本政策金融公庫 新規開業実態調査
日本政策金融公庫のアンケート結果を参照してみます。2020 年 11 月 19 日日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要より、私が気になった部分のみを抜粋しています。①開業時の年齢は「40歳代」の割合が38.1%と最も高く、次いで「30歳代」が30.7%となっています。なお、「50歳代」は19.7%で、直近3年間の推移は、「40歳代」とともに毎年増加しています。②勤務キャリアは、「勤務経験」がある割合が97.5%、「斯業経験(創業する人が創業しようとする分野に関連した仕事をした経験のこと)」がある割合が82.0%、経験年数の平均は 「勤務経験」が20.3年、「斯業経験」が14.6年であり、多くはビジネス経験をもって開業しています。また、「管理職経験」がある割合は67.1%で、経験年数の平均は11.2年となっています。③開業動機は、「自由に仕事がしたかった」(56.5%)、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(45.8%)、「収入を増 やしたかった」(41.9%)の順になっています。④現在の事業に決めた理由は、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」(41.8%)、「身につけた資格や知識を生かせる から」(21.9%)、「地域や社会が必要とする事業だから」(13.8%)の順になっています。⑤開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が43.7%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が27.3%を占めています。なお、「500万円未満」の割合は、調査開始以来、最も高くなっています。⑥開業時の資金調達額は平均で1,194万円で調査開始以来、最も少なくなっています。資金の調達先は、「金融機関等からの借入」が平均825万円(平均調達額に占める割合は69.1%)、「自己資金」が平均266万円(同22.2%)であり、両者で全体の91.3%を占める結果となっています。⑦開業時に苦労したこととして、「資金繰り、資金調達」(55.0%)、「顧客・販路の開拓」(46.8%)の割合が高 く、現在苦労していることとしては、「顧客・販路の開拓」(47.3%)に次いで「財務・税務・法務に関する知識の不足」(32.4%)の割合が高くなっています。⑧開業の総合的な満足度をみると、「かなり満足」が28.6%、「やや満足」が44.5%となっており、約7割が開業に満足しています。
開業時の苦労の最多は「資金繰り・資金調達」
上記の日本政策金融公庫のアンケートより、開業時の苦労したこととしては、「資金繰り・資金調達」が最も多くなっています。50歳以降の方の場合、退職金等の自己資金のみで起業することも考えられます。ただし、退職金等の自己資金のほとんどを使って起業することはあまりにもリスクが高いです。そこで「退職金等の自己資金と融資を利用する」ことをお勧めします。例えば、開業費用が500万円必要な場合、退職金等1000万円手元にあれば、全額を事業に投資するのではなく、事業に投資できる金額(例えば200万円くらい)を自己資金とし、残額は融資を利用して事業を始めましょう。創業時に利用できる融資は、「日本政策金融公庫による融資」と地方自治体が用意している「制度融資」の2種類しかないと考えていいでしょう。日本政策金融公庫の融資には、これから起業する人や創業して間もない人には無担保・無保証で利用できる新創業融資制度、女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が利用できる女性、若者/シニア起業家支援資金等があります。「制度融資」とは、利用者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証人になり、万一、利用者が返済できない場合、保証協会が代わりに返済してくれる制度です。その他にも「補助金」もありますが、「補助金」は後払いのため自己資金で対応した後に、資金補填をすることになります(補助金ごとに細かい要件があるので注意が必要)。
創業時の融資が断られる要素
形式要件以外などで創業時の公的融資が断られる要素としては次のようなことが考えられます。①自己資金が自己資金として認定されない、例えば、消費者金融や知人から借りてきて自己資金とするケース(見せ金)や自分で貯めてきたことが証明できないタンス預金等は認められない可能性が高いと思われます。②事業経験が乏しい、例えば、脱サラして起業する場合、現在の業務と起業して行う事業内容が全く関係ない等は、金融機関にとっては成功するイメージが湧きにくい可能性があります。③事業計画書が甘い、例えば、売上が多く、経費を少なく見積もることや事業計画自体に信憑性がない等です。④過去に創業者の金融上の信用情報の問題です(ご参考までにCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)。この4つの要素うち、①自己資金、②事業経験、④金融上の信用問題とは違い、③事業計画については、他人のサポートを受けることができます。事業計画書作成はご自身でも作成できますが、時間がかかったり、信憑性のない計画書になったりするのを防ぐためにも第三者の目を通すことが大切です。ご参考までに創業計画書の書き方の簡単なポイント。
まとめ
人生100年時代。40歳後半~50歳以降は第二の人生のスタートです。今までの経験を活かして開業費用などのリスクを最小限に抑えた「小さなビジネス」を始めるのもひとつです。事業を始めるうえで、上記日本政策金融公庫のアンケート結果はご参考になるでしょう。特に、開業時に苦労するのは「資金繰り・資金調達」です。公的融資をうまく活用しながら第二の人生を充実したものにしましょう。