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有料老人ホーム選ぶときのポイント3つ

河村修一

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おはようございます。行政書士 ファイナンシャルプランナーの河村修一です。
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「老後の住まい・施設」については、自宅に住み続けるのか、有料老人ホームやサービス付高齢者住宅に入居するのか等様々あります。私自身も親の介護のために有料老人ホームを20施設くらい見学に行きました。その時に一言で有料老人ホームといっても有料老人ホームごとに特徴があることを実感しました。今回は「老後の住まい・施設」のうち、介護になったときの介護付き有料老人ホームを選ぶ際の「3つのポイント」です。また、東京都からも高齢者向け住宅の選び方がありますので是非ご参考にしてみてはいかがでしょうか。参照あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方

1.重要事項説明書の解読

突然、介護は襲ってきます。特に、老老介護が増えている中、在宅介護にも限界があります。そのためにも介護保険施設だけではなく有料老人ホームの情報を収集することが非常に大切です。有料老人ホームの情報を収集するときのポイントは重要事項説明書(※事業主体、法人の種類、居住権の種類、利用料の支払い方式、従業員数など、施設の重要な事項に関して記している文書で、有料老人ホームに作成が義務づけられています。)の解読です。例えば、①介護にかかる職員体制です。厚生労働省が定めている「要介護者:介護・看護職員」の最低基準は「3:1」。この割合が少ないほうが手厚い介護・看護体制です。「2:1」以上であれば、合格です。平均は概ね「2.5:1」くらいです。②夜間の看護職員及び介護職員の人数です。要介護者の人数に対して宿直者を除いた職員の最少人数が概ね「20:1」以内であれば合格です。当然この比率は少ない方が安全です。その他提携医療機関も確認する必要があります。③入居率です。立地や費用等を含めて入居者の満足度を示す基準、もしくは安心できる住まいかどうかを示す基準です。空いているとしても1、2室くらいです。開設1年以上で50%以下であれば要注意です。④職員の退職率・勤務年数・経験年数等です。退職率・勤務年数ともに職員・入居者の満足度を示す基準です。待遇や福利厚生等に問題があれば、退職者が多く退職率が高いです。そのため、入居者に対し心の通じたサービスが提供できにくいと言えます。しかも、勤務年数が長いということは、一人ひとりの入居者の好みが分かっており、高いサービスを提供することが可能となります。退職率が50%であれば要注意です。また、経験年数において若手とベテランの人数は半々が理想です。理由は、若手の体力的な部分・瞬発力等、一方、ベテランの技術力等のそれぞれの強みが違うからです。⑤前年度の退去人数と理由です。死亡・医療機関への移動以外の退去人数・理由について注意が必要です。他の有料老人ホームと比較して多いと、現場だけの問題だけではなく、経営トップの姿勢の問題だと考えられます。⑥毎月の利用料金に含まれないもの等の金額の把握です。毎月利用料金の内訳は、家賃相当額、食費、管理費等に介護度に応じた1~3割負担額までは想像できます。それ以外に、例えば、入浴は週4回以上の時は1回2,100円別途費用として課金され、おむつ代、風邪をひいたとき居室配膳の場合等も同様別途費用がかかります。手厚い介護を受けようとすると1カ月当たり5万円以上プラスになる場合もあります。重要事項説明書に記載されてある介護サービス等の一覧表を熟読し、ご自身の予定月額利用料の範囲内に収まるか否かを十分に検討しましょう。予定以上の支払いが続くと、支払い困難となり、退去せざるを得なくなります。その他にも入居一時金がある場合の償却期間や償却率や看取りに対する取り組み方等も重要です。

2.職員の定着率が高い有料老人ホームがよいホーム

ソフト面等を実感するためには、有料老人ホームを見学します。施設見学等予約制のところが多いですが、突然訪問しても施設長等の時間があれば、丁寧に対応してもらえます。突然の訪問時の対応も入居者への接し方等判断材料のひとつです。その後、施設長の熱意あるお話や職員・入居者との楽しそうな会話等を耳にしながら館内案内で「あっという間」に2~3時間くらい経ちます。ここで、今の雰囲気がよいからと決めると何ヶ月後かに施設長の人事異動、職員等の退職等により雰囲気がガラリと変わってしまうこともあります。一旦入居すると最後までの住まい(終の棲家)となりますので、長期視点で有料老人ホームの雰囲気を見るということが大切です。そのときのポイントは職員の定着率です。職員等の定着率が高いということは、職員の満足度は高いということです。職員の満足度が高いと入居者に対するサービスも質も高くなります。入れ替わりが少ないので将来においても安心感があります。例えば、見学したときに職員さんに「ここの施設で何年くらいになりますか?」と聞いてみるのもひとつです。また、ヒアリング時に採用状況や職員教育等も確認してみましょう。定期採用、定期昇給、勤続10年以上の職員の割合、職員のスキルアップ等にも積極的であるか否か等です。これらは、安心感のある老人ホーム選びの指標のひとつになります。その他のリスク要因は、経営者が変わることです。経営者が変わることにより方針・理念・サービスの質等がすべてガラリと変わる可能性があります。そのためにも、現在の経営母体の経営状況等を調べる必要があります。見学時、経営母体の財務諸表をもらってみましょう。ポイントは、売上高、営業利益等が対前年で増加しているか、自己資本比率・営業利益率・経常利益率等が同業者と比較して劣っていないか等を調べてみましょう。最後に、入居者の背景等を知っておくことは重要です。理由は、一旦入居すると既に入居している人たちとの集団生活だからです。要介護度が違いすぎる人、年齢も離れすぎている人が多い・・等になると、快適に過ごすことができなくなります。そのためにも、体験入居は絶対してみましょう。

3.月額利用料の内容や支払い要件の理解

月額利用料についてさまざまな想像力を働かせるようにしましょう。「高い有料老人ホームがよいホーム」とは限りません。「有料老人ホーム」を探すときに、入居一時金よりも見落としがちな月額利用料です。月額利用料は、重要事項説明書から、家賃相当額、食費、管理費等に介護度に応じた1~3割負担額、その他サービスを追加することで課金される部分を確認できます。ただし、入居中に想定外のことが起こります。想像力を働かせて施設長等に面会時に確認することが重要です。具体的には、入所中に転んで怪我をして入院することになった場合の月額利用料についてです。一般的には、食事代は欠食分について月額利用料から差し引かれ、その他の減額はありません。ただ、有料老人ホーム側の不注意等により入居者が怪我で入院をした場合でも月額利用料を支払う必要があるのでしょうか。確認をしてみましょう。施設長からも事故防止等の取り組みや意識等のお話が聞ける場合もあります。事故対策等も力をいれている等、入居者としても安心ということになります。また、入院費や治療費もどのような場合であれば、有料老人ホーム側が負担してくれるのか等も合わせて確かめる必要があるでしょう。もし、仮に入院した場合、病院への入院費と有料老人ホームへの月額利用料とダブルでの支払いとなり経済的負担はかなりのものになります。入居前にしっかりと最悪の事態を想定して確認する必要があります。

まとめ

有料老人ホームを選ぶ時には、①重要事項説明書の解読②職員の定着率が高いホームがよいホーム③月額利用料の内容や支払い要件の理解の3つのポイントをチェックしながら終の棲家を探してみてはいかがでしょうか。
【主な参考文献】親の入院・介護が必要になったときに読む本(豊田真弓著、日本実業出版社)、おかげさま老人ホーム選びの掟(外岡潤著、ぱる出版)、 絶対に失敗しない有料老人ホームの選び方(上岡榮信著、河出書房新社)、 親が70歳を過ぎたら読む本(村田裕之著、ダイヤモンド社)、 介護疲れを軽くする方法(NPO法人介護者サポートネットワークセンターアラジン著、河出書房新社)、介護の値段(結城康博著、毎日新聞社)、やっぱり終のすみかは有料老人ホーム(滝上宗次郎著、講談社)、 自衛する老後(河内孝著、新潮社)、 PRESIDENT(プレジデント社)、介護のことがよくわかる本(プロトメディカルケア)

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