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親の医療保険は経済的効果?メンタル面の効果?

河村修一

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おはようございます。行政書士 ファイナンシャルプランナーの河村修一です。
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行政書士へのご相談
地方で一人暮らしの75歳で今までに病気にかかったことのない親御さん(以下「Aさん」という))が入院した場合、1ヶ月当たりの入院費の見当がつきません。いくらお金が必要か検討がつかない中で、民間の医療保険に加入して備えたほうが良いのか親御さんから相談を受けた「息子さん・娘さん」も多いはずです。親御さんも子供には迷惑を掛けたくないと思っています。相談を受けた場合は、親自身の年金収入の範囲内で保険料の支払いが「持続的に可能か否か」や「費用対効果」を一緒に検討しましょう。ただし、親御さんの世代の方は、保険を「経済的な側面」だけを考えているわけではありません。「保険に入っている」という「精神面(安心)」での効果も期待されている方が多い傾向にあります。その点も含めて検討してみてはいかがでしょうか。今回は、介護が必要になった主な原因の多い「脳血管疾患」を例にとります。

医療保険に加入する前に後期高齢者医療保険制度の理解を!

医療保険に加入する前に、後期高齢者医療制度、高額療養費(参照:東京都後期高齢者医療広域連合会ホームページ)について理解しておく必要があります。そのうえで、医療保険の加入を検討します。後期高齢者医療保険は75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)の方を対象としています。自己負担の割合は所得に応じて1割または3割(現役世代並みの収入がある人)負担です。また、自己負担額には上限があります。所得区分が一般の方であれば、月の1日から末日までの1ヶ月ごとの自己負担額が【外来+入院】57,600円(過去12か月間に4回以上高額療養費の支給があった場合、4回目以降からは44,400円)になります。

所得区分一般の親御さんであれば約11万円

例えば、年金収入240万円(その他には収入なし)のAさんが脳梗塞で急性期の病院に入院して、1ヶ月の医療費が約120万円かかっても、自己負担額は57,600円です。ただし、入院時の食事療養費や差額ベット代などは、高額療養費の対象外で全額自己負担になります。食事療養費は1食460円ですので1日あたり460円×3食=1,380円です。例えば、31日間の入院した場合、食事療養費は1日当たり1,380円×31日で42,780円になります。これに医療費の自己負担額57,600円、その他病衣等が加算されて、おおよそ11万円くらいかかるでしょう(おむつ代考慮しない・個室を希望しない)。

回復期リハビリ病院へ入院できる期間は150日

1ヶ月前後で急性期病院から回復期リハビリ病院に転移することになります。回復期リハビリ病院での入院期間が決まっており、脳梗塞などの脳血管障害のリハビリは150日という制限があります。入院費用は、急性期の入院費と同様ですが、居住費が1日当たり370円必要となり、1ヶ月約11,500円加算されます。その他には、子供が遠距離でなかなか病院に行けない場合、、肌着などの衣類のレンタル費用やおむつ代等をすべて業者に任せれば1日約1,000円くらい別途かかります。1ヶ月約3万円が必要となり、トータル1ヶ月あたり約15万円強を目安にしておきましょう。なお、4回目以降は医療費は44,400円となり負担額が減少します。

医療保険は「経済的効果」よりも「精神面での安心料」

Aさんが、入院に備えるために、医療保険にいまから加入するのはいかがでしょうか。保険料は若い時に比べてかなり上がるため、費用対効果の面では高いとは言えないでしょう。例えば、脳血管疾患で入院したとしても、年金収入が240万円あれば、年金の範囲内で賄うことができます。さらに、少々の蓄えがあればなんとかなりそうです。ご参考までに脳血管疾患の場合、75歳以上の方の在院日数は98.9日(参照:平成29年患者調査の概況:厚生労働省)。ただし、親御さんの世代であれば、保険を「経済的効果」だけでなく、加入しているという「精神的な面での効果」も考えている場合があります。最近では少額短期保険などの「ミニ保険」も選択肢になるのではないでしょうか。また、遅くても75歳を過ぎれば、ライフイベントの見直しや財産管理、相続・贈与、終活などのライフプランの再構築をしてみてはいかがでしょうか。

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専門家

河村修一(行政書士)

カワムラ行政書士事務所

<個人の方>には、「終活全般、介護費用・親族間の合意書作成から遺言支援・任意後見契約支援、相続手続き」、資産形成を含めたライフプランなどマネー相談。<法人の方>には、従業員の方へのFPサービス。

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