新入社員さん3日目の声(これってどうすればいいの?)
4月上旬に立て込んでいた新入社員研修が、ようやく一段落しました!
正直なところ、今の率直な気持ちは「ほっ」です。
毎年のことですが、この時期は朝から晩まで新人さん、就活中の学生さんと向き合う日々。
お仕事終わりのビールが沁みる沁みる(笑)
そんな「ひと息ついた」タイミングで、今年もあらためて考えさせられたことがありました。
それは――
「距離感、みんなどこで習ってきたんだろう?」
という疑問です。
おとなしい。でも、聞けばちゃんと答える。
この数年の新入社員研修や学生向けの講座で気になる、こんな姿からの流れで出てきた疑問です。
自分から前に出る人は少なめ
意見を求めれば答えるけれど、挙手はしない
間違えることをとても嫌がる
挨拶や返事も、周囲を見ながら「様子見」
企業側から聞こえてくる声も、だいたい同じです。
「静かすぎて、本音がわからない」
「距離が遠いのか、近いのかわからない」
「質問をしてくれない。理解度がはかれない」
「慣れたと思ったら、急に崩れる」もしくは「急に不満が爆発する」
こうした話をいくつも聞くうちに
私の中で今の新入社員さんや学生さんの傾向として
単に「静か」「消極的」という一言で片づけてしまっていい話なのかな?
少し引っかかるものでもありました。
静か=消極的、ではないのかもしれない。
彼らが静かに見えるのは、発言できないからでも、考えていないからでもなく
「どこまで踏み込んでいいのか」
慎重に距離感を探っている最中だからではないのでしょうか。
距離感を探っている最中だからこそ
自分から行動することを控え、周囲の様子を注意深く見ている状態で
「外さない距離」を必死に測っている。(頑張っている)
・ここまで近づいていいのか
・この発言はして大丈夫か
・今、挨拶すると浮かないか
頭の中では、ずっと“安全確認”が続いています。
その結果として
まずは控えめ
なるべく目立たない
正解が見えるまで待つ
そんな行動になっているように見えました。
そして、「慣れたら急に崩れる」現象の正体についても考えてみました。
最初は丁寧で真面目→少し安心した途端に→服装・態度・姿勢が一気にラフになる!
どうした?!急になんでそうなった?!企業側が特に戸惑うこのパターンです。
これ、本人たちからすると
「やっと安全圏に入った!」というサインだったりします。
ただし、
最初に“ブレーキをかけながら走る”時間が長かった分
緩め方がどうしても極端になりやすい。
少しずつ距離を調整する経験が少ないため
結果として 0か100か になってしまうのです。
ここでようやく、
私の中で言葉が一つ、はっきりしました。
――これは性格の問題というより、
「距離感の取り方」の問題なのではないか。
ここからが本題です。
企業側、先輩側、育成する立場として、できることは少なくありません。
① 距離感は「空気」ではなく、言葉で渡す!
昔なら「見て覚えろ」で済んだことも、今はそれだけでは伝わりません。
「ここまではOK」
「これはまだ早い」
「その一言、助かったよ」
距離の目印を言葉にする。
それだけで、彼らの安心度はぐっと上がります。
② 静か=やる気なし、ではない
発言が少ないからといって、
考えていないわけではありません。
むしろ頭の中では、
「これ言って大丈夫かなの会議」 が大開催中です。
沈黙を責めるより
・一対一で聞く
・小さく拾う
・後から補足の場をつくる
そんな関わりのほうが、距離は縮まります。
③ 崩れたら、叱るより「戻し方」を示す
態度が緩んだときに、
×「最近、気が緩んでない?」
ではなく、
○「この場では、このくらいがちょうどいいかな」
と、“適温”を教える。
距離感は調整のスキル。
練習が必要なものです。
「最近の若者は距離感が…」
そう言いたくなる気持ち、よくわかります。
でも見方を変えれば、彼らはとても慎重で
空気を壊さないように必死なのかもしれません。
距離を一気に詰めるのも、遠くに立ち尽くすのも
どちらも「迷っているサイン」。
だからこそ今は
観察と失敗のあいだに、大人が一枚クッションを挟む時代なのだと思います。
企業側も、新人側も、実は同じことを考えています。
「どこまで行っていいんだろう?」
その答えを、一緒に探していく姿勢こそが
今の若者と向き合うための
ちょうどいい距離感なのかもしれません。
ちなみに余談ですが、こんなコラムを書いている私自身
子供たちから「距離感おかしいよね。バグってる時あるよ」と
突っ込まれています。
子供たちの友人と会う時の距離感がおかしいらしい・・・
距離感って、経験を積めば完璧になるものでもなく
相手が変われば、また迷うもの。
だからこそ、若い人たちは今まさに練習中。
失敗しながら、少しずつ学んでいけばいい。
今日も私自身が距離感を調整しながら生きています。
本日、出会った学生さんたちから
「今日の講師は距離感おかしかった」と思われていませんように。


