家を建てるときの構造って何を選べばいいの?
新築の構造を考えるとき、日本の伝統建築でもある木造住宅を考える方も多いのではないでしょうか?
ほかの構造を検討するにしても、木造住宅のメリットやデメリットを知っておくことは、住宅選びには欠かせない知識といえます。
前回のコラムでは各構造の特徴をご紹介しました。
その中でも今回は、木造住宅のメリットデメリットについて詳しくご紹介していこうと思います。
1.木造住宅のデメリットと対策
1-1柱や壁が多く必要
木材の耐久性は鉄より低く、鉄骨住宅よりも柱や壁が必要になるため、ワンフロアの広いリビングや壁一面の大きな窓は難しくなります。
技術的には可能でも、コストが極端に上がってしまうため、鉄骨造やRC造のほうが広いリビングや大きな窓などは作りやすいかもしれません。
1-2耐震性は鉄骨系に比べて弱いが、免震性が高い
「木造住宅はコストが安いけど、耐震性は大丈夫?」と不安になることはありませんか?
木造住宅はたしかに材質としての耐久性としては鉄骨造・RC造に及ばないかもしれませんが、重量の面ではもっとも揺れにくい構造です。
木造の建物は軽くしなやかなため、ゆれが小さくて済むという特徴があり、建物を支える筋交いや、バランスよく配置された耐力壁などによって地震に耐えるように作られています。
鉄骨造やRC造に比べて、確かに耐震性は劣りますが、それでも地震に強い工法は木造でも作ることはできます。
1-3シロアリなどの害虫被害
木造住宅が影響を受ける害虫被害として、代表的なのがシロアリの構造材への侵食です。これは木材を構造材に用いる木造住宅ならではの被害であり、鉄骨造や鉄筋コンクリート構造ではまず起こり得ないことです。
しかし、薬剤散布を実施したり、床下通気を確保して湿気を外に逃がすことでシロアリの浸食を防ぐことができます。また、家の周りに花壇やプランターを置いてしまうと、通気部分をふさいでしまったり、水やりが原因で湿気がたまり、シロアリが沸いてしまうことがあるのです。
花壇やプランターは家の周りではなく、塀側に置くなどしましょう。
2.木造住宅のメリット
2-1コストが安い
まず、木造住宅の大きな魅力としては、建築費用が安いことでしょう。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造では構築材に耐火処理や防錆処理等をする必要がありますが、木造住宅ではそのような処理をする必要がありません。
そのため鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べると、費用で大きな差がでます。
また、安くなった分をメンテナンス費用にまわせば、木造住宅に長く住み続けることができますね。
2-2 耐用年数が長い
「木造住宅の寿命は約40年」という言葉を耳にしたことはありませんか?
これは木造住宅の場合、劣化が見られるとリフォームよりも“建て替え”を選択するケースが多く、他の住宅に比べると建て替えるまでの年数が短いため、データとして、木造住宅の寿命が短くなっているんです。
法隆寺などの伝統的な建築物が今も残っているように、メンテナンスや木材にこだわれば、実際には80年くらいは住むことができます。
2-3 リフォーム・メンテナンスがしやすい
鉄骨系の住宅とは違い、設計や間取りの自由度が高いため、将来的なリフォームがしやすいというメリットがあります。
木造住宅は基礎となる部分は大きな違いがなく、壁を抜いて間取りを変える等大幅なリフォームも容易にできるのがメリットです。
また、例えば雨漏りなども、鉄骨や鉄筋コンクリート造だと原因を突き止めることが難しいことが多いですが、木造は原因が突き止めやすく、修理が安易といえます。
3.まとめ
いかがでしたか?
様々な構造があるなかで、日本において一戸建て住宅の約9割は木造住宅を占めています。
使う材木にこだわれば、木の香り・ぬくもりを感じる「木の家」になります。
日本の伝統建築である木造住宅。検討してみてはいかがでしょうか?
次回は100年住宅についてお話します。